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フィジー留学体験記⑬

〜前回のあらすじ〜
ナンディタウンにあるいろいろなお土産屋さんを周った結果、カモられてしまい高額なヘナをしてもらうのだった。


9/13(水)【13日目】

夜にミルクティーとカフェオレを飲んだせいで全ッ然眠れなかった。くそう。

なので今晩は眠すぎて日記を書けなかったので、これは14日の朝、学校で書いている。

この日の朝ごはんはロティ2枚、オクラ、スクランブルエッグ、紅茶、だった気がする。写真を撮っていなかった。


朝学校に行くと、毎週水曜日恒例の体操の時間が始まった。
アイちゃんとペアを組み辺りを見回すが、全校生徒揃っているはずなのにケイ君がいない。

うぁあぁ休んでるやん。

そりゃそうかもう帰るねんから学校なんて行かずに遊ぶわな。なんで連絡先交換せんかったんやワイのドアホ。

とか思いながら体操してたら、終わり頃に普通に来た。
眠そうに登校するケイ君の姿が見えた。叫びそうになるほど嬉しかった。




しかし、結論から言うと帰りは誘えなかった。

昼休みに言おうと思ってたら、午後の授業が今週帰国組には関係ないやつで普通に帰っていた。

ほぼ空の隣のクラスの中に、アイちゃんの「あいつもう帰ったよ」の声が虚しく響く。



全てがダルくなって私もサボった。
一人でとぼとぼ町へ向かっていると、一人のオオ君を見つけ一緒に行くことにした。

市場に入り、以前食べたパイナップルを食べることにした。
全く同じは何となく面白みがないので、マンゴーソースのかかったパイナップルを選んだ。
ティントみたいに唇が真っ赤に染まった。
何故か舌がすごく痛い。

真っ赤ですね


市場のすぐ外で食べていると、多分フィジアンの歯の抜けたおじさんに話しかけられた。


留学してるのかとかいろいろ聞かれ、最初は普通のフレンドリーおじさんとして喋っていたが、長い。話終わる気配が一向に見えない。
めんどくさいので途中から適当に返事した。


明日14時にここに来てくれたら家に招待すると言っていた。
おじさんが帰ったあと、オオ君は明日誰かここに14時来させよう、と言っていた。おいこら。



服を見てスーパーで買い物をしてtappoo cityのフードコートで休んだ。

お昼を食べていないので何かパンが欲しかったのだが、スーパーでもここでもパンが1個で売っていることは無かった。


嘘やん、ちょっとお腹が空いたらみんな何食べるんや。

しょうがないから小さいインドのおやつを買った。名前は忘れた。激甘かった。

シナモンの香りがしました



オオ君はちょっと変わっている。

どう変わっているのかというと、彼女がいるのだが合わないのだという。

何が合わないんだと聞くと、温度感だと答える。

ああ、付き合うことへの熱量とかかなと思っていると、

僕はエアコンの温度を下げたい派なんだけど、彼女は僕が下げたらすぐ上げてくるんだよ

と言っていた。


なんやそれ、付き合ってる男女の温度感の悩みでリアル温度が合わないっての初めて聞いたんやけど。
なんかツボに入って結構笑ってしまった。




家に帰るとママはごはんを出してくれた。
まだ16時半だけどお腹が空いていたのでありがたい。
ママは私が帰ってきたらすぐ温かいごはんが出せるように早めに作ってくれているらしい。ありがとう...

夜ご飯はご飯、ツナ、葉っぱ、ラッサム。ラッサムはにんにくの味が強くて美味しかった。



パパが帰ってくると親戚の家に行った。
今日はパパの親戚らしい。

急な坂に無理やり車を停めて家に入る。
迎えてくれたお母さんは流暢な英語を喋っていた。


よく聞いてみるとホストとして生徒を受け入れているらしい。

急に中国人みたいなちょっと太った男の子が部屋から出てきてびっくりした。

しかも日本語で日本人ですか、と急に喋るのでキョドってしまった。


家のお父さんは脳の病気で倒れて病院から帰ってきたばかりらしい。今日来たのはお見舞いのためだそうだ。

お父さんは濁った目で見つめてきた。死にかけた色だった。肌には皮膚が裂けた後のかさぶたがあった。


昨日と同じようにみんなヒンドゥー語で喋るので、全く分からず気配を消すのを頑張った。



すると急に、パパが立ち上がって何かを唱えはじめた。
ママとこの家のお母さんも立って唱え始める。

どうやらキリスト教の祈りみたいだ。
黙って聞いていたけれど、どれだけ経っても終わらない。盛り上がりを見せるもトーンダウンを繰り返しては続ける。長え。

結局5分くらいずっと何かを唱え続けていた。小さい部屋で患者を囲んで手を仰いで、何かのヤバい団体みたいだった。

家を出たあと、マクドに行ってホットチョコレートをもらう。何か話していたけど眠すぎて覚えていない。




行く前にシャワーを浴びていたので、家に帰るとすぐベッドに入った。

LINEを開き、べカナに一緒に行った彼からのメッセージを見つめる。


悩んだ。
約束をしたのは私だ。それを自己都合で反故することになる。

彼だって勇気を出して誘ってくれたのかもしれないのに、いや、ちょっとしたノリだとは思うけど...

「こんばんは🌙 明日なんだけどホストファミリー達がお別れ会をしてくれるみたいで行けないかも> <
お世話になってたから私もちゃんとお別れの挨拶したくて...行けるって言ってたのにほんとごめん🙇🏻‍♂️」

何回も書き直して送った。(上記は原文ママでは無いです)
これが一番角が立たないはずだ。


しばらくして返信が来た。
全然大丈夫だからホストファミリー優先して!最後だしいい時間を過ごして、とあった。


すごく罪悪感でいっぱいになった。
こんなクソ人間でごめんね、声をかけてくれてありがとう。


ここまでしたからにはもう引くことはできない。
明日は登校最終日。もう時間はない。

なんとかしなければ。後悔したまま終わるのは絶対に嫌だ。


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