ビジネスモデル図解制作委員会の活動と図解プロセスについて

はじめまして、Suiといいます。note初投稿になります。

今日は僕が所属しているコミュニティ、ビジネスモデル図解制作委員会(以下ビジモ委員会)について書きたいとおもいます。
委員会名の通り、国内海外様々な企業のビジネスモデルを図解しようという集まりです。

この記事では主に2つの内容をお伝えしたいと考えています。
①ビジモ委員会では普段どんな活動をしているのか、そして、②委員会でどのようにビジネスモデルを図解しているのかをお伝えしたいと思います。

また、後半では僕が実際に作成した図解をケーススタディにして、どんなプロセスで作成するのか、また、図解を作成する際のポイントやコツについてもお伝えしたいと考えています。

※この記事は僕の個人ブログで7月6日に公開した記事を加筆・修正したものです(2018年8月15日現在)

こんな人に読んでほしい

・図解に興味がある人・ビジネスモデルに興味がある人・勉強会などのコミュニティに興味がある人

目次

1.ビジネスモデル図解制作委員会とは?
 1-1.チャーリーさんと委員会について
2.どのように図解するのか?
 2-1.ツールの紹介と作業プロセス
 2-2.参考記事
 2-3.図解の作成で意識していること
3.ケーススタディ(アンドビズ)
 3-1.ネットでHPや記事を調べる
 3-2.メモ書き
 3-3.図解
 3-4.チーム内レビュー
 3-5.修正
 3-6.チャーリーさんレビュー
 3-7.完成記事の作成
 3-8.公開
4.まとめ

1.ビジネスモデル図解制作委員会とは?

1-1.チャーリーさんと委員会について

まずはじめに、ビジネスモデル図解制作委員会とは何か?から説明したいと思います。

きっかけはこのnoteの記事から。
NewsPicksで見たときに、なにこれすご、わかりやすっ!!と感動。
で、チャーリーさんのこの記事に感動してビジネスモデルを図解したい!と集まった人たちです。
それにしてもこの反響、半端ないって。

画像1

委員会の基本活動は隔週で集まって会議をしてます。会議の間の2週間で、各自図解の作業をします。

会議はオフラインで集まって話し合いますが、基本はslackでのやり取りが多いです。

なお、自分が担当した図解は現時点(ブログ作成時点)でこの2つです。

DUFL(ダフル)

**

&Biz(アンドビズ)**


後半ではこれらをどのように図解したのか具体的に説明していきたいと思います。  

さて、委員会の活動内容に関してはチャーリーさんや委員会メンバーがまとめてくれていますので、気になる方はこちらもどうぞ。

まずは、委員会の広報的なレポーターをしている我空くんの記事。これからのレポーター活動がとても楽しみです。

こちらもレポーターのきゃんべさんの記事。先日の会議の様子が書かれています。マンガもあって読みやすいです。

最後に、チャーリーさんが先日DMMで、ビジネスモデル図解の基本から委員会の活動まで講演した資料です。なんとスライド91枚…半端ないって。

また、こちらのnoteには、ビジモ委員会に関する記事がまとまっているので、こちらもぜひぜひ。

2.どのように図解するのか?

2-1.ツールの紹介と作業プロセス
 ここからは実際にどうやって図解をしているのかお伝えしたいと思います。大まかな作成フローはこちら。
(画像はDMMビジモの記事から引用)

画像2

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各自で図解の作業をする際には、チャーリーさんが作成したフォーマットを使い図解していきます。

そのフォーマットはチャーリーさんがなんと無料で公開しているので、みなさんどんどん使ってみてください。 

フォーマットのリンクhttps://docs.google.com/presentation/d/183DSeFUmEWogdMAm1RKXq41kkWwAbyACy-jh4v--4ws/edit#slide=id.p

フォーマット公開に関するチャーリーさんの記事 

なお、委員会ではGoogleスライドやkeynoteを使っていますが、個人でやるならパワポでダウンロードして使っても全然大丈夫です。
(スライドの注意事項をよく読んだ上でのご利用をお願いします)

基本的にはこのフォーマットに沿って調査・図解を進めます。
詳しくは3.ケーススタディで説明したいと思います。

余談ですが、
前に会議でも話題になったかな?
調査してから、いきなりスライドで図解する派(スライド派)と、
紙でメモを書いてある程度固めてからスライドで図解する派(メモ書き派)
に分かれる気がしますが、僕はメモ書き派です。 
チャーリーさんはスライド派だった気がします。(委員会でアンケート取ってみたいw)
このあたりは自分の好きな方法でいいと思います。
メモ書きに関してはケーススタディで。

2-2.参考記事
また、図解の具体的な方法は、先ほどのDMMの記事(#DMMビジモ)にも詳しく書いてあります。

他にも、なぜ図解をするのか、そして図解のキーポイントになる逆説については一番最初の記事で詳しく書いてあります。
(逆説については今度、別記事でまとめてみたいなー) 

もうひとつ、参考記事として。
ビジモ委員会のエース、きょんさんのnoteも秀逸です。

こういう資料を作りたい…!!

図解に限らず、こういったフレームワークを使うのって、やはり実際にやってみる、手を動かして考えるのが大事なんだなぁーとすごく感じるので、みなさんもぜひ図解にチャレンジしてみてください!
twitterで#ビジネスモデル図解シリーズのハッシュタグをつけて発信すれば、チャーリーさんが光の速さで反応してくれます!

2-3.図解の作成で意識していること

次にここでは自分が図解する中で特に意識している事を改めて文章に書いていきたいと思います。
(このあたりはビジモ委員会のみんなと共有したり議論してみたいな) 

①情報を削ってシンプルにする

1番意識してるのはこれ。
とにかく情報の取捨選択が多いし難しいです。
DMMビジモの記事にもあったけど、とにかくシンプルにする事が求められます。 

削る際には「ここで1番伝えたいのは何か?」「1つだけ情報を残すとしたら何を残すか?」と考えて情報を選んでいくことが多い気がします。

委員会メンバーのツイートから引用

ほんとこれ。自分も図解する中で情報を選択する力がついた気がするなー。
具体的には3.ケーススタディで説明したいと思います。 

実際に図解をしてみると、図解の情報量の何倍もの情報を調査時に調べているので、本当は伝えたい事がたくさんあるし、創業者の想いとか業績や、業界の話とか補足はいくらでも説明できるんですが、その辺りの説明はブログで編集後記じゃないけどまとめて補足していきたいですね。

②とにかく分かりやすく説明する

これも同じくらい重要だけど難しいっす。
図解が自分の得意分野だと気付かないうちに専門用語を使っていたりします。
チーム内レビューでは初見の人から意見を貰えるので、そこで修正することが多いですね。 
逆に自分がレビューする立場の時は敢えて何も調べずに図解だけを見て、理解できない部分は質問するようにしています。
説明を考える時には、初見の人はもちろん、中高生が見て補足説明無しでも理解できるか?を意識して説明を考えてます。 

細かい点だとまだまだたくさんありますが、とりあえずはこの2つですかね。 

意識していることや注意していることは、ビジモ委員会のみんなと共有したり議論してみたいです(2回目)

委員会でもこのノウハウを体系化しようとチェックリストを作成しているので、それもいずれ紹介できたらいいな。

3.ケーススタディ(アンドビズ)

それでは実際に自分が担当した事例、アンドビズを使って作業フローを見ていきたいと思います。

アンドビズとは

国内No.1のM&A仲介実績を持つ日本M&Aセンターの子会社。ネット上で売りたい企業と買いたい企業をマッチングさせるプラットフォーム。

アンドビズを選んだ理由

チャーリーさんがWBSで見て事例候補にあげていたのですが、元々自分がM&Aに興味あったり、M&A業界へ転職しようとしていたこともあり、なんとなくおおまかな図解がイメージできていたからです。
(実際には当初イメージしてた図解とは全然違う配置になりました)

**3-1.ネットでHPや記事を調べる
**
まずは調査です。

2-1で紹介したフォーマットに沿って調べて行きます。公式サイトから個人のブログやyoutube動画までひたすら調べます。

 

<個人的なポイント>
ビジネスの全体像をどれだけ明確にイメージできるか?

全体像や流れを理解できるように情報を集めて行きます。
それはお金の流れだったり、利用者視点でサービスを利用した時の流れとか。
それを具体的にイメージする中で、ここってどういうことなんだろ?って疑問が出てくるので、それを一つ一つ潰していきます。

もっと言ってしまうと、サービスを利用してから完結するまでの一連のフローを、きちんと説明できるか。だと思っています。それが理解できれば3×3のスクエアに落とし込んでいくことができます。(配置でめっちゃくちゃ試行錯誤するけど。。)

調査する企業にもよりますが、分かりやすい記事を探せるかで理解度も違ってくるので、とにかくわかりやすい、詳細まで書いてある記事を探します。意外とYoutubeに説明会とかの動画があって理解が進んだりします。 

例えば、アンドビズの場合は、まずサービス利用のフロー(流れ)を把握しようと考えました。
アンドビズのサービスの大まかな流れに関しては、以下の記事をじっくり読み込むことで大まかなイメージができるかと思います。 

個人的な調査方法としては、上の参考記事を探しながらメモ(詳しくは次のパートで説明します)を書いていきます。
特に注目するポイントとしては、全体の流れを説明するうえで主体になりそうなプレイヤー(人、団体、事業、モノなど)が何かを洗い出していきます。
例えばこんな感じで洗い出しをしていきます。

サービスの利用者は誰か?サービスの提供者は誰か?お金は誰から誰に払われるのか?

主体の洗い出しができたら、まず基本としてスクエアの真ん中上には利用者を置き、3×3のフォーマットで構成を考えていきます。

後ほど出てきますが、スクエアの中でどの位置に置くかは最後まで流動的になる場合もあるので、あくまで仮説ベースで考えますし、左上や右上に置くとどうなるか試行錯誤していくケースも多いです。
試行錯誤しながら以下のポイントに矛盾なく説明ができる図になるかを考えていきます。(あくまで個人的かつ必要最低限なポイントです)

<構成を考える際のポイント>①各主体どうしの関係性(矢印)が成立するのかどうか②全体としてサービスやお金の流れが説明できているか③逆説がきちんと説明できているか

利用者=M&Aをしたい人、&Bizに掲載されている売り案件を買いたいと探しに来た人と仮定して(利用者の定義が変わる場合もあります)、図解を進めていきます。
次に、利用者の立場になってサービスの流れを考えていきたいと思います。

 サービスの流れを考える

まず利用者はサイトに登録します。登録して欲しいと思う会社(売り案件)を探して、いいなと思った会社があれば交渉に入ります。

利用者が欲しいと思った売り案件を見つけた状態をマッチングといいます。(マッチングアプリと同じですね)

ここで、じゃあマッチングした後は実際の交渉ってどうやるんだろう?直接売り手にメールするのかな?という疑問が出てきたので、ネットやホームページを探して、これに関する記載がないか探します。

なかなか記事がなかったので、実際にアンドビズに登録してみました。(周りのチームを見ても、実際にサービスを利用すると理解が深まるケースが多い印象です。)

すると、案件を探すページ内に直接の連絡ではなく&Bizを通して買いたいという意思を伝えるという事が分かりました。

(補足)
公開後に公式tw/FBでここに関する詳細な説明がされていました。

このように買い手と売り手がマッチングすると両者の社名や詳細情報が当事者へ開示され、買い手はさらに検討を進めていきます。

そして、実際に交渉段階に進むと、希望に応じてアドバイザーによるサポートを受けるかどうかが選択できます。(参考記事の記載を参照)

あとはサポートを受けながら売り手と交渉し、成約したらアドバイザーに手数料を支払い、成約金を売り手企業に支払います。
(このあたりは通常のM&Aと同じなのでM&Aの仕組み、手数料体系についても調べました。)

ここまで整理できるとサービスの流れ、お金の流れ等がひと通り把握できるので、次のメモ書きで図解に落とし込んでいきます。

(調査→メモ書きというよりは同時平行かも)

3-2.メモ書き
調査が終わったら(調査しながら)メモに情報をまとめ、図解のアイデアを書いていきます。

実際に書いたメモはこんな感じです

画像4

書き直してないので、汚くてすみません…w

 

調査をしながらメモを並行して書いていくのですが、起点、定説、逆説を考え(なんとなくで良い)、主体となるものを書き出していきます。
主体を3×3のスクエアに配置してそれぞれの関係性や、流れを考えながら、色々なパターンで置いていきます。

個人的には古いverを残しておくことで、コメントを入れた際に古い方がやっぱり良かったケースでも修正がききますし、新しい配置のアイデアも出てくるような印象です。

 

3-3.図解
ある程度しっくりくる図解のアイデアができたら、スライドに落とし込みます。
メモ書きの段階で上手く行ってても、主体を置き、主体と主体の関係性を1つずつ見ていくと、意外と想定外の疑問や矛盾が出てくる事もあります。 

(仮)スライド画像

(今後修正して実際のスライド画像で古いverからの推移とか載せたいと思います。)

図解のポイントとしては、お金の流れやサービスの流れがスムーズか、途中で途切れてないかなどを確認して主体を配置、主体間の関係性を考えます。

さらに、ポイントにもあった情報の取捨選択、例えば何を主体として使うのか、この説明は補足(吹き出し)でいいんじゃないか?など様々なパターンを考えて図解を作成していきます。

例えばアンドビズでは、最初のverだと、M&Aエキスパートという資格保有者のアドバイザーを主体としては考えていませんでした。

しかし、記事を読み込む中で、わざわざ資格を作って人材を増やすことで、地域性をカバーしたりアドバイザリー手数料を下げたりすることができるので、このビジネスモデルには欠かせない存在と気づき、主体に入れました。

3-4.チーム内レビュー
図解の作成が完了したら、まずはチームのメンバーにレビューをしてもらいます。
初見の人から見て分からない部分がないか、おかしい点がないかチェックしてもらいます。

自分一人だと見落としている点や疑問にならなかった点がたくさん出てきますね。
あとは、定説や逆説はこうなんじゃないか?とかを実際の読者目線で議論していく感じです。

3-5.修正
チーム内レビューで指摘された点を修正。

3-6.チャーリーさんレビュー
チーム内レビューが完了したらチャーリーさんにレビューをしてもらいます。

公開する図解は口頭での説明はもちろん、基本的に追加の説明ができないので、本当に図解だけを見て理解できるのか、ビジネスがイメージできるのかを最終チェックしてもらいます。

3-7.完成記事の作成
チャーリーさんからOKが出たらkeynoteで完成資料の作成に入ります。

完成用資料のフォーマットに調整して公開用資料を作成していきます。

3-8.公開
公開用資料が完成して最終確認を経て、ついに公開です!

 

4.まとめ

かなり長文になりましたが、このような流れで図解をしています。
ちょうど説明会が1月で、委員会が動き始めたのは2月なので約半年活動をしてきました。
半年の活動成果として実感するのは、簡単に思いつくだけでもこんなものがありますが、また別の記事でまとめていきたいです。

・部活みたいな活動で同じ興味を持つ仲間が増えた・多様性のあるコミュニティは素晴らしい・ビジネスモデルの理解、情報の取捨選択などのスキルアップ・ビジネスワード図解や企業分析への転用などやりたい事たくさん

図解の補足はので、今後もぜひお楽しみに。

Twitterでも図解やビジネス関係の事をつぶやいてますので良かったらフォローしてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後もビジネスモデル図解制作委員会をよろしくお願い致します。

金額に関わらず、サポートはめちゃくちゃ嬉しいです。サポートしていただいた方の事は一生忘れません。