Vol.2 Weekly Letter(11/1-11/7)

こんにちは、Suiです。

この記事はニュースレター「Suiの企業分析通信」で毎週更新しているWeekly Letterを2週間遅れで公開しています。

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Weekly Letterは毎週月曜日の夜に更新予定です。

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こんにちは、Suiです。

このWeekly Letterでは1週間で気になったニュースや記事などを読者の皆さんに紹介していきたいと思います。重要なニュースや役立つ記事などを私Suiがピックアップして、解説などを交えながらお届けする内容になっています。

今後、変更する可能性はありますが、トピックは以下の通りです。

注目ニュース
特集(企業分析のノウハウなど)
気になる決算、企業
参考になったツイート、記事
おすすめ本紹介
アイデア、雑談、その他

1.注目ニュース

先週(11/1-11/7)の注目ニュースを取り上げて、その記事の解説や自分の感想、今後の見通しや予想などを書いていきます。できるだけマーケットでの重要ニュースを取り上げたいと思うので、皆さんの振り返りにも役立つと思います。

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気候変動関連、COP26

まずは気候変動関連で重要なCOPについて。地球温暖化対策の国際的な枠組みを決める会議の中でCOPは最高決定機関とされています。今回のCOP含め、日経の記事が分かりやすくまとまっています。

COP26の主なテーマは①2030年までの温暖化ガスの削減目標の引き上げ②国際排出枠取引制度の詳細なルール決定③環境対策のための途上国への資金支援――などだ。各国はCOP26に向けて排出削減目標を引き上げてきたが、現時点では取り組みが不十分とされている。温暖化ガスのいっそうの削減に向け、石炭火力の早期廃止や電気自動車(EV)の普及、温暖化ガスを吸収する森林の保全といった具体策を議論する。
COP26で議長国を務める英国のジョンソン首相は、石炭火力発電所について先進国は30年まで、途上国も40年までの廃止を要求している。石炭火力発電に頼る中国やインド、米国、日本などは対応を迫られるが、合意は難しい状況だ。
G7各国は日本を除き、石炭火力の廃止や、排出量を実質ゼロにする目標年限を定めている。フランスは22年、英国は24年、イタリアは25年を掲げている。カナダは30年の原則廃止をめざしている。ドイツは石炭火力の廃止を38年までとしてきたが、9月の連邦議会選(総選挙)の結果、30年への前倒しをめざす動きが出てきている。日本は古くて効率の悪い石炭火力を減らすが、廃止時期は明示しておらず、世界からは消極的にも映る。

今回、特に石炭火力の廃止が取り上げられており、やはり世界的に石炭需要にとってはネガティブな状況は変わらないと思われます。各国の規制に先駆けて、欧米のアセマネでは石炭を使用した火力発電を行う企業への投資を行わないダイベストメントを既に表明している運用機関もあります。
電力不足などによる需要増加への期待から上昇していた石炭価格もこれを受けてか先物価格が下落しています。(もちろんこれまでの上昇の反動もありますが、長期的には需要は減っていくと思います)

再エネの需要が高まっているのは事実で不可逆ですが、それによって資源価格の高騰、電力不足、インフレなどの影響が出ているんだと思います。 カーボンニュートラルへの過渡期なので、需要と供給のバランスが崩れて、短期的な価格変動が大きくなるのはこれからも頻発するのではないかと考えています。
脱炭素、気候変動関連のニュースについては、EnergyShiftというメディアが分かりやすい記事を発信しているので、いくつか紹介したいと思います。


セコイアのモデル転換

VCのSequoia Capitalが投資先の株式を上場後も保有できる新しいストラクチャーを発表し、話題になっています。
こちらの記事では、VCのビジネスモデルやこの新ストラクチャーが与える影響について分かりやすく解説されています。

つまり今回の話は、そもそも10年で償還しないといけないファンドサイクルって時代遅れだよねということを、業界を牽引してきた名門VCであるセコイア自らが宣言しているわけですね。新しいストラクチャーに変えることによって、創業者やLPとのインセンティブ構造を合致させることができるんじゃないかというわけです。

「融けていく未上場株市場と上場株市場の垣根」のパートはかなり自分も気になる部分で、アセマネへの影響が強まったり、アセマネとの競合化が進むのではないか?と考えています。従来の未上場銘柄=VC、上場銘柄=アセマネという棲み分けがどんどん無くなっていると思います。

今後の影響として、VCがIPOの時に売らず保有し続ける場合には、IPO直後の需給が変化する可能性が考えられます。

米国株 最高値を更新

今週は米国株(S&P500,NASDAQ)が最高値を更新し、続伸しています。要因として挙げられるのは、米金利の低下や好調な企業決算、インフレ懸念のピークアウトなどがあります。



振り返りについては、下記のnoteが参考になります。毎週更新されているので、振り返りにとてもおすすめです。

また、少し長期的な話ではありますが、過去の米国株の上昇要因として大きいのは自社株買いとのデータもあるみたいです。
米国では役員報酬が株価連動報酬になっているケースが多く、自社株買いによって株価を上げるインセンティブが働きやすいと聞いたことがあります。この自社株買いが続くかどうか、つまりは米国企業の利益創出が続くかどうかにも少し注目した方が良いかもしれません。

2.特集、ノウハウ

特定のテーマについて深堀りした解説をしたり、企業分析に役立つ自分のノウハウなどを紹介したいと思います。経済誌のダイヤモンドや東洋経済でいう表紙にあたる特集記事みたいなイメージです。Twitterでは書ききれなかった内容や反応が良かったテーマについて取り上げたりしたいと思います。
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今回の特集は、次の気になる決算の部分でユーザベースと任天堂の決算を深堀りしたいと思います。自分が決算を見る時にどこに注目しているかをこの2社の決算で解説します。

3.気になる決算、企業

ここでは1週間で自分が気になった決算や企業を紹介します。決算がない場合は最近見つけた企業や、今後調べてみたいと思っている企業を紹介したいと思います。
※あくまで気になる企業で、推奨銘柄でもなければ調査もしていない段階で完全にアイデアベースです。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
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ユーザベース3Q決算

ユーザベース(3966)の3Q決算について、簡単に確認したいと思います。基礎的な部分はこちらのnoteで解説をしています。

決算を見る時のポイントとしては、上のnoteでも書いてますが、業績は累計の売上・利益を見るだけでなく、四半期(3ヶ月間)での業績を確認するのが重要です。
全体としては、売上+18%、EBITDAは約3.5倍です。ただ、この決算短信の数字は3Qまでの累計なので、3Qのみ3ヶ月間の数字を見ないといけません。ユーザベースの場合は丁寧に決算資料に3ヶ月の数字が開示されています。

売上は3ヶ月でも+18%と安定的に伸びているものの、利益の方は1Qが大きく伸びているので、3Q単体で見ると前年から▲58%になっています。
細かい点までは確認できていないのですが、ここまでを見て自分が気になるポイントをいくつか挙げたいと思います。

1Qの利益は+30%の成長(837÷640)になっていますが、2Qは+26%(597÷471)とやや低下、3Qではマイナスになっています。資料では成長投資と書かれていますが、それが一時的費用でもしその金額がわかれば、それを足し戻して本来の利益を計算して、30%以上成長できているのか?を確認します。

業績の推移を確認する際には、一時的な増益要因や減益要因がないかを確認するとともに、その影響を除いた正常値を予想して比較してあげると、より深い分析ができるかと思います。


任天堂 2Q決算

それでは次に任天堂の2Q決算を深堀りしてみたいと思います。

ユーザベースと同様に累計や四半期での業績を見るのに加えて、任天堂のケースでは通期の業績予想、コンセンサスとの比較について説明したいと思います。

任天堂は2Q決算発表と同時に上方修正を発表しました。上方修正と聞くと業績好調でポジティブなイメージですが、少し注意が必要です。会社が上方修正した修正後の通期の業績予想と、証券会社のアナリストが予想している通期の業績予想を比較しなければいけません。

よくあるのが、会社が期初に発表する予想が保守的な数字で、いつも上方修正をする場合があります。こういう企業はアナリストも保守的に出すと予想しているので、会社計画よりも高めに予想した数字を出しています。そうすると、会社が上方修正しても既に株価には織り込まれていて、反応しないというケースがよくあります。

アナリストが出している予想はいくつか確認できるところがありますが、自分はマネックスの銘柄スカウターを利用しています。

今回、上方修正によって営業利益が5200億円(会社予想)に引き上げられましたが、コンセンサスを見ると、それよりも高い5575億円とアナリストは予想しています。従って、上方修正をしても少し物足りないという評価をされてしまう可能性が高いです。

また、一概には言えないですが、画像のチャートにある緑線はコンセンサスの推移を示しています。これが上昇基調か下落基調にあるかも確認しておきたいところです。

証券会社のアナリストは、決算の内容や会社への取材を踏まえて、業績予想を修正します。コンセンサスの上昇が続いていた場合、アナリストたちが強気の業績予想をしており、悪い決算が出た場合には決算後にアナリスト予想が下がる(=コンセンサスが下がる)可能性が高いです。そうすると、決算後は株価が特に反応していなくても、アナリスト予想の変更で少し遅れて株価が下がります。

もちろん、証券会社のアナリスト予想が価格決定の全てではありません。会社の規模やカバーしているアナリストの数、その銘柄を見ている機関投資家の有無によって変わりますが、経験上、株価に与える影響は大きいので、ここも確認する必要があります。

米国株の場合、このアナリスト予想(業績予想というよりは予想株価、ターゲットプライス)がTwitterでも見ることができて、イメージしやすいというか普及している印象があります。

不明な点あれば、質問箱やツイートから気軽に質問してください!もちろん感想もお待ちしています。

任天堂の決算自体について、あまり解説できませんでしたが、こちらのツイートで簡単に印象を書いています。

半導体不足の影響はありますが、ハードの予想引き下げはネガティブです。基本的にはハード(Switchシリーズ)が売れないと、ソフトも売れないというのがゲームプラットフォームの特性です。アナリストもここにはとても注目しています。
そのため、今後コンセンサスが下がる可能性はありますが、あらかじめ半導体不足で懸念されていたこともあり、株価は調整していました。決算までに(コンセンサスは変わらない状態で)株価だけが期待先行で上昇していると失望売りというのもよくありますが、そのリスクは小さいかと思います。

決算翌日の株価は▲2.7%の下落になっていて、少しネガティブな評価がされているかと思います。今後は取材後のコンセンサスがどう変化するかに注目したいところです。

4.参考になったツイート、記事

こちらでは自分が参考になったツイートや記事、ブログ等を紹介します。読者の皆さんに役立つツイートなどを紹介したいと考えています。
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web3.0について

メタバースやNFTと関連して最近よく見るようになったweb3.0に関する分かりやすい記事をここで紹介したいと思います。かなり抽象的かつ感想的になってしまうんですが、ブロックチェーン、BTC、ETH、NFTなどがすべて繋がっていて、大きくかつゆっくりとしたweb2.0→3.0への変化が生じている過渡期なんだなと痛感します。

BTCの価格のように短期的な急騰や急落はありますが、この2.0→3.0への変化は不可逆なものであり、長期的にはビジネスにおいて前提となることを意識して、企業がそれに対応できるかどうかを見ていかなければいけないのかなと思います。

この不可逆で大きな波に対して、アーリー層として投資しているのがVCなので、そのVCが発信している情報はしっかりチェックしたいと考えています。


株価の予想よりも観察

「相場は予想するな観察しろ」これは個別銘柄も同じで、自分も意識している部分です。株価は(短期的には)間違っているかもしれないですが紛れもない事実です。感情的になって、この株価はおかしい!あり得ない!バブルだ!と思ってはいけないというか、何も前に進みません。もちろん短期的には適正ではないかもですが、その株価は実際に起きている事実であり、その事実がなぜ起きているかを考えることが重要だと思います。
つまり、自分の予想が当たる外れるよりも事実を観察して考えることが大事だと考えています。もちろん自分も予想はしてしまいますが。。

何を観察するかというと、その銘柄の参加者がどう判断しているかを考えるということです。先週取り上げたテクニカル分析の注意点でも同じ点が言えると思います。

事例で考えてみましょう。例えばよくあるのが、決算が良かった銘柄が翌日売られるケース。自分が見る限り、四半期の業績めちゃくちゃ良いし、明日の株価は絶対上がるでしょ!と予想していても、翌日蓋を開けてみたら株価下がっている…みたいな。

こんな時は、自分が見落としている点はないか?どこかネガティブにみられたポイントがないかを追求します。すると、業績は良いけど来期業績の見通しが悪かったり、受注やKPIが悪かったり、コンセンサスに対して低かったり、など自分の視野では見えていない部分で何かがあるはずです。

もちろん市場の方が見落としている場合もあるので、その時は安く買える絶好のチャンスです。例えば一時的要因で減益になっていて、それを除けば増益で好調なのに株価が下がっているケースなどがあります。

例えば先週取り上げたサイバーエージェントの決算もゲームはめちゃくちゃ良かったけど、来期の見通しを開示しなかったことがネガティブに捉えられた?のかもしれません。

BTCラウンジ

お時間ある方はぜひこの動画見てください。正直あんまり教えたくないくらいで過去の動画もおすすめです。とにかくお二人の知識量、アイデア、発想がすごいんですわ。

前半のHiroさんの話(コカコーラやテスラの話)もめっちゃ面白いんですが、後半にある佐々木さんのインフレ解説がとても興味深い内容でした。メモ程度ですが、いくつか紹介したいと思います。

・USスチールのカンファレンスで半導体不足のピークアウトが言及され、期待インフレ率が低下→BTCも下落すると予想したが、半導体銘柄が好調でBTC下がらなかった。

・オーストラリアの銀行が仮想通貨の取引開始。背景には10/29にオーストラリアの中銀がYCCをあきらめた、つまりは 低金利維持(=債券の買い支え)が無理と判断。 通貨の優等生であるオーストラリアがインフレのヘッジ資産として暗号通貨を認めた。

佐々木さんの解釈→2020年は企業がBTC導入、21年は小さな国が導入。(半導体はピークアウトするが) インフレを抑えることができない国はBTCを認めるしかない→仮想通貨に資金が流入する→ 自国や企業が人々を守るために仮想通貨が受け皿、ツールになる可能性

自分の解釈としては、国は規制などで躊躇しているが、仮想通貨の必要性が高くなれば浸透せざるを得ない(徐々に規制は作られていく)と思っているので、仮想通貨の必要性を促進するものがインフレになるのでは?という点でもインフレは注目しなければいけないかなと。

5.おすすめ本紹介

最近読んだ本や過去読んできた本でおすすめの本を紹介していきます。特集や他のトピックを優先的にお届けしたいと思っているので、毎週というよりは少し不定期かもしれません。ただ、紹介したいおすすめ本はたくさんありますので、少しずつこちらで紹介していきたいと思います。
過去のおすすめ本についてはライブラリー(まだ作成中のため、完成したらこちらで紹介します)にまとめているので、こちらもぜひご覧ください。
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エナフンさんの本を読んでいます。EPS×PER=株価をよく理解したい人にはおすすめです。ポイント還元の対象になっているみたいなので興味ある方はぜひ。

EPS×PERの考え方については、苦瓜さんの本も参考になりますね。EPS×PERについては自分の考えも整理したいと思います。グロースや米国株だとEPSが使えない点が少し歯痒い部分ではありますが、参考になる部分はたくさんあると思います。

6.アイデア、コラム、その他

企業分析や投資以外の話や雑談、その他ざっくり考えていることなどについてです。特にテーマを決めずに思っていることを書きたいと思うので、興味のある方はご覧いただければありがたいです。

もし読者さんからの質問があれば、ここで回答もしたいと思いますので、どんどん質問してください!お待ちしております!いただいた感想もこちらで紹介できたらいいなと思いますので、ぜひTwitter等でシェアしてもらえると嬉しいです。
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前回のweekly letterで取り上げたメタバースに関する自分の考えをここで書きたいと思います。今週は面白い記事がたくさん話題になっていました。

自分の考えとしては、メタバースの最終系はソードアートオンライン(SAO)の世界だと思っています。(フルダイブは相当先だと思いますが。)

それぞれの技術、パーツが少しずつ実現し始めていて、多人数同時接続はファイナルファンタジーとかフォートナイトとかゲームで既にあるし、デバイスもオキュラスがあり、ゲームとしては確立していると思います。あとはこれがビジネス、インフラ部分にどう侵食してくるか。これも仮想通貨と同じで必要性がどう出てくるかを考えていきたいと思っています。まずはバーチャル会議やバーチャルオフィスあたりでしょうかね?

書きかけのところもあったり、アップデートできてなくてお恥ずかしいんですが、だいぶ前のnoteにこの辺りを書いていますのでよかったらご覧ください。

SAO劇場版(プログレッシブ)を見に行きたいです…

最後に

最後までニュースレターをお読みいただきありがとうございます!今週のWeekly Letterはいかがだったでしょうか?

このニュースレターをより良いものにしたいと思いますので、感想や質問をぜひお願いします。1番下のTwitterのボタンからシェアできるので、ぜひ感想と一緒にツイートしてもらえると大変嬉しいです。(いいね機能がないため、いいねの代わりにシェアしてもらえると読者の皆さんの反応が知れるのでとても助かります)

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また、特集で取り上げて欲しいテーマや質問などありましたら、Twitterでコメントしてもらえればと思います。匿名で質問したい方は質問箱からでもお待ちしております!(質問箱に感想でも嬉しいです!)

それではまた次回のニュースレターでお会いしましょう!

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