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平良一成俺様理論

平良一成は俺様だ。これは「美しい彼」の原作小説、ドラマ両方で明言されている事実である。しかし、彼は所謂「俺様キャラ」という枠組みに収まるキャラクターではないだろう。
では、一体彼のどこに「俺様」の要素があるのか、それについて語っていきたい。

⚠️このnoteは多分「美しい彼」のネタバレを含む
⚠️このnoteで綴っていくものは個人の解釈である


彼の俺様な部分を一言で言語化するならば「特に清居において自分の価値観を最優先する」というふうに言えるだろう。平良は無自覚だと思うのだが、キングの意向を軽々と無視して自分の価値観を優先するという場面が多く見られる。

例えば、映画版の誘拐された清居のもとに平良が助けに来るというシーンがある。平良と共に残ろうとする清居に彼は初めて怒鳴り無理やりにでも逃がそうとする。このシーンにおいて平良はキングの「残りたい」という意向よりも、自分の中の「キングを守る」というルールを優先している。この場合マイルールが世間一般の価値観と概ね一致している。
彼のマイルールが世間と著しく乖離している場合もある。例えばシーズン2にて露になった「キングの気持ちを勝手に推し量り理解した気になってはいけない」などがあるだろう。原作を読むと分かるのだが、過去の経験から清居の心の内を推し量るなど烏滸がましいと思っているようである。恋人の気持ちを少しも推し量らないというのは世間一般の価値観とは大きく乖離している。

彼は恐らく世間的な価値観や人の価値観でものを考えない、あくまで自分の価値観に従うタイプである。(もしくは自分の価値観にしか従えないのかもしれない。)その思考の善し悪しはとりあえず置いておいて、その部分こそ彼が「俺様」と呼ばれる所以だろう。

彼も自分のその気質に苦しめられている1人である。マイルールに自分の本心が従わないことがあるのだ。例えば劇場版で野口さんが清居を撮ることを知って嫉妬心を抱くというシーンがある。それは清居に対する独占欲の表れであるが、平良はそれを嫌悪しているように見える。自分は清居に相応しくないと思っているからである。(独占欲は確かに従者がキングに抱くのは恐れ多い感情だろう。)この場合平良の中の「キングは尊く自分は石ころである」というルールの前提と芽生えてしまった独占欲が相反しており、彼はその葛藤の中で苦しんでいるのだ。
彼の独占欲は意外なことに彼の俺様な部分に反している。


⚠️ここから先は妄想と独自の解釈が行くとこまで行ってるから気付けろ。


では彼の強固なマイルールはどのように形成されたのだろうか。その始まりは「世界への防衛本能」であると考えている。

平良一成は幼少期から少年期の間に吃音を原因としたネガティブな経験を沢山している。動転すると吃音の症状が酷くなるので、なるべく心を平らかにして生きようとしてきた。心に波風を起こさないために多くの自分の意思や欲を抑圧してきたことが予測される。彼がめざしていたのは汚れた川をされるがままに流される無機物のアヒルのおもちゃ、苦しみがない代わりに喜びもない世界。
「なるべく心を平らかにすること、汚れた川をくるんとしたまつげで流れて行ったアヒル隊長のようにあれ。」
これが彼の初めてのマイルールだろう。
彼は自分を守るために、自分の意思や欲を抑圧するマイルールを設ける癖がついていたのではないだろうか。苦しく残酷なピラミッド型の世界に本心を完全にすり潰される前に、自分自身で抑圧し見なかった振りをした方が幾分か楽なのである。

そんな中清居に出会い平良の中にはこれにまでにないほど大きく強い欲が生まれたと予測できる。その大きさに比例して清居への恋心に関する抑圧も大きくなる。真っ当に恋をして振られるよりも、これは信仰で付き合えるなんて恐れ多くて考えたことがありません、という顔をしていた方が楽だからである。予防線を張っているのだ。
また、清居と出会ったことで平良の中で最強のマイルールが「心を平らかに」から「清居は特別で尊くて自分を含めた誰にも汚させない」に塗り替えられたのではないだろうか。
かくして完璧な無意識俺様人間平良一成が生まれたのではないかと考えた。


こーんなにうだうだ書いてたらなんだか一周まわって分からなくなってきた~~凪良ゆう先生偉大すぎ~~~~さすが心の複雑骨折平良一成~~~~後で消すかも~~~~

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