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◇今月の隊員さん◇ 第82回:ピカデオンさん

【プロフィール】--------------------------
男性、30代、職業:会社員、福岡県在住
ツイッター●https://twitter.com/@pikadeon22
隊員歴●2015年6月から
主なアイドル遍歴●ももいろクローバーZ、私立恵比寿中学、転校少女*、SUPER GiRLS
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 ピカデオンさんは、福岡県在住、36歳の男性隊員。ばってん少女隊の現場に頻繁に通っていたのは、2015年のグループ結成時から2016年末ころまでで、推しは、2020年4月末にばってん少女隊を脱退された西垣有彩さんだったそうだ。
 「現場から間隔が空いているからこそ、お話しできることもあるかもしれません」と言う彼に、当時の出来事について振り返りながら、推しの卒業・別れや、現在のばってん少女隊の現場について思うことなど、さまざまに語ってもらった。


■ありっさとの出会い

 ばってん少女隊との出会いは、前身グループ:F-girls (仮) の最初で最後の単独イベント「だざエフ!!」(2015年 6.21@だざいふ遊園地) です。
 一応、新規さんのためにF-girls (仮) の歩みを、すごくざっくり説明すると、以下のような感じです。

・2014年9月:福岡営業所のレッスン生グループとして、F-girls (仮) 結成。
・2014年11月24日:F-girls (仮) お披露目 (ももいろクローバーZ「女祭り2014 ~Ristorante da MCZ~」のライブビューイング福岡会場@宗像ユリックスでのオープニングアクトとして) 。
・その後、月に1回程度の頻度で福岡でのイベントや、スターダスト関連のイベントに出演したり、物販のお手伝いをする。
・2015年6月21日:初の単独イベント「だざエフ!!」開催。
  このイベントの最後に、F-girls (仮) 活動終了が発表され、その帰り道で「ばってん少女隊 2015年 夏 始動!!」のフライヤーが配布された。当時の様子について詳しくお話しくださった記事はこちら (※) 。
 (※) ◇今月の隊員さん◇ 第10回:あさすさん

 もともと自分は、ももいろクローバーZ私立恵比寿中学のヲタクで、九州在住の現場仲間から「だざエフ!!」に誘われて、じゃあ行ってみようか、くらいのノリで行きました。ちなみに、自分の誕生日は6月22日で、「だざエフ!!」の日が、20代最後の日でした。。。っていうのは本当にどうでもイイっすね (笑) 。
 知り合いのヲタクがみんな会場にいたので、身内でわちゃわちゃしながら楽しく遊んだなって記憶があります。何の曲をやってたとかは、正直記憶が薄いんですけど。。。

 たしか二部制で、ミニライブ→特典会でした。特典会は全員握手、全員とのグループショットと、指定メンバーとの2sでしたけど、2sは中学生以上のメンバー (希山愛上田理子春乃きいな瀬田さくら西垣有彩) が対象。小学生メンバー (星野蒼良木下夏希) は横で見てるっていう。
 今だと、2sはメンバーごとに個別の列で並びますけど、その日は2レーンに並んで回してたと思います。で、自分の順番が来たらメンバーを指名する。
 なんとなく、直感でありっさ (西垣有彩) を指名しました。「西垣有彩さんでお願いします」とスタッフさんに伝えたら、ありっさは「わたしですかぁ?」みたいなリアクションでした。その年の4月に中学一年生になったばかりで、2sもやっと “解禁” されたころです (笑) 。当時は固定ファンみたいな存在もそこまでいなかったんじゃないかな?
 会話はシンプルに「はじめまして」みたいな、自己紹介的なやりとりだけだったと思います。ばってん少女隊になってからも、ずっとありっさを推し続けることになるんですけど、始まりはそんな感じでした。


■わたしは “西垣有彩” というキャラクターですよ

 自分は福岡生まれの福岡育ちですけど、野球はヤクルトスワローズのファンなんです。だから球団マスコットのつば九郎のパペットを使っての遊びを、ばってん少女隊の現場でよくやっていました。
 特典会のとき、腹話術みたいな感じでつば九郎の口をパクパクさせながら「こんにちはー!」って言うと、ありっさも「あはぁ~♪ こんにちわぁ~♪」みたいな感じで。
 ありっさの笑顔は、画面からあふれ出そうなくらいの可愛らしさがあって、無垢な感じで子どものような目をしていました。。。ていうか、自分が通っていた時期、彼女は中学生で、本当に子どもだったんですけど (笑) 。
 ありっさとの特典会のやりとりは「いぇ〜い♪」「楽しいね〜♪」みたいな感じで、いつも中身がない (笑) 。愛想はすごく良いけど、本心を探らせないような喋り方をちょいちょいしてるというか。
 「わたしは “西垣有彩” というキャラクターですよ。」みたいな。ありっさなりのアイドルとしての美学だったのかな。そういう彼女のキャラクターが好きでした。

 その一方で、彼女は自分を推してる人のことをよく見ていて、インディーズシングル「ばってん少女。」ツアーのファイナル (2015年 10.4@エルガーラ・パサージュ広場) のとき、特典会に行ったらありっさの方から「ヤクルト優勝おめでとうございます♪」って言われて、よく知ってんなぁってびっくりしたことがあります。
 つば九郎ヤクルトスワローズのマスコットで、僕がヤクルトのファンだってことも、ちゃんと分かってたんだなって。


 一度、からかうつもりで彼女を困らせたことがありました。
 自分はいつも「ニット帽」「メガネ」「片手につば九郎のパペット」を身に付けて現場にいたんですけど、それらを全部外してありっさの前に行ってみたんです。僕だと分かるかな?って。そしたら「はじめまして」と言われました。
 当たり前ですよね、いつも一緒にいるヲタク仲間からも「全然分からん!」と言われたくらいですから (笑) 。
 装備を整えてもう一回行き「実はさっき、帽子もメガネもなしで来たんだよ」と明かしたら、ありっさは「ええええ、気づかなくてすみませんでした」みたいな反応だったかな。
 自分としては「なんで気づかないんだよ」ってスタンスではなく、「そりゃ分かんないよね、当たり前だよね~」って感じだったんですけど。。。
 後に、元私立恵比寿中学廣田あいかさんが、そういうふうに常連さんから「認知」を試すようなまぎらわしい行動をされるのは、がんばってファンの顔と名前を覚えようとしているアイドルにとって、本当にストレスになると動画で語っていて。。。あぁ、そういうものなのか、と。
 あのときは軽い冗談のつもりだったけど。。。やっぱり、つば九郎を見ながら、彼女が笑ってくれていた2sが、今思うとベストショットでしたね。

 この写真は本当に好きです。後日プリントアウトして、写真たてに入れて飾りました。
 今となっては貴重な写真ていうか、ばってん少女隊の特典会は、公式グッズ以外持ち込み禁止が基本的なルールで、これはある程度の私物を持ち込めてた時代だから撮れた写真なんですよね。
 たしか「おっしょい!」までは、これで撮らせてもらってたけど、2016年の夏にリリースされた、2nd シングル「よかよかダンス」のころからは、自分からつば九郎を封印しました。


■毎週続く、福岡現場

 2017年からは、別のアイドル現場に行く回数が増えました。福岡の地下アイドルなんですけど、毎週福岡でイベントがあるんですよ。
 ばってん少女隊は、3rd シングル「すぺしゃるでぃ」から、関東でのリリースイベントの回数が増えました。
 毎週地元福岡でイベントをするグループがあれば、そっちの方が行きやすいし、現場のヲタクとの関係も濃くなっていくじゃないですか。
 だから、別にばってん少女隊の現場にストレスがあったとかじゃなく、福岡の地下現場の居心地の良さに住み着いたみたいな感じです。そこでは推しの生誕委員をやったりして。
 やっぱり、ばってん少女隊は、世間がどう思うか知らんですけど、「福岡の地下アイドル」ではないんですよ。「福岡発、全国区を目指すアイドル」だと思います。ばってん少女隊の現場にも知り合いはいるけど、だんだんと、遠征をたくさんしてる人たちとは熱量が違ってくる。

 時期的には、公式グッズ以外の特典会持ち込みがダメになったり、手紙以外のプレゼントが禁止になるなど、ちょっとずつばってん少女隊のルールが厳しくなっていったタイミングでもありましたけど。。。そのへんはあまり気にしてないです。
 ダメって言われたら素直にやめるし、つば九郎を持ち込めるのが良い現場とか、そんなことは考えたことないですよ (笑) 。

 ありっさと最後に接触したのは、2019年の10月 (10.26@天神コア屋上) です。
 あの日は、本当にふらっと行って、ふらっと2sを撮り、ふらっと帰りました。「久しぶりです」と言うと、ありっさは「ああ〜どうも〜♪」みたいな感じで、自分のことを覚えてくれてるかどうか、ギリギリみたいな印象でした。認知が欲しいわけではないんで、どちらでもかまわないんですけど (笑) 。2sを撮った後はありっさから「どうもありがとうございまぁ〜す♪」って、いつも通り。
 そのとき、なんとなくこれが最後なんだ、もう多分これから先、ありっさとの接触はしないんだろうなって。。。脱退とかそういう話はまだ全然ないころでしたけど。彼女とは進む道が違うから、自分は、遠くから見るくらいかなと。
 推しが。。。いや、推しだった人の背中が、自分とは全然無関係に小さく見えなくなっていくのを、眺めて、でも何か実感がない。
 別世界の出来事のような、他人事のような。


■「絶対」って言葉は苦手です

 強がりではなく、推しにかける最後の言葉は感謝の言葉って決めてるんですよ。
「俺の人生に潤いを与えてくれて (貯蓄は減ったけど) ありがとう」ってね。
 ばってん少女隊の現場から足が遠のいていた2017年から2018年は、他のグループで推しの卒業や、別れを何度か経験しました。
 転校少女歌撃団 (現:転校少女*) の松本香穂さん、そして、私立恵比寿中学松野莉奈さん
 そういう経験を何度かしていると、推しがいたときにやりたかったことの後悔よりも、自分的には感謝の気持ちの方が大きいことに気づきました。だから、推しにかける最後の言葉は「ありがとう」って、そういう風に決めてますね。
 ただ、その一方で「絶対に忘れないから」っていう言葉は苦手です。推しが卒業するとき、そういうツイートをしてる人を何度か見かけて、ちょっと気になったというか。「絶対に忘れないから」って。。。まぁ自分はひねくれた性格だから、気になるんだと思うんですけど。

 どうしても、記憶って曖昧になるじゃないですか。
 特典会が終わった後に「このやりとり楽しかったな」と思いながらツイートをするし、翌日の仕事中、ふと思い出すこともある。でもだんだんと時間が経つと、その出来事を思い出すこともなくなっていく。
 少し話が飛びますけど、昔、チームしゃちほこ (現:TEAM SHACHI) から安藤ゆずさん (現:日和ゆず) が卒業したときのコメントが好きで。

 <安藤ゆず卒業時コメント一部抜粋>
  だから最後のわがままを聞いてください。
  皆さんの人生の1ページのほんの片隅でもいい。
  安藤ゆずという存在を少しだけでも残してもらえると嬉しいな。

チームしゃちほこから安藤ゆずが卒業-音楽ナタリー

 特に好きなのが「自分の存在を覚えててくれたら嬉しいな」っていうニュアンスの部分です。「忘れないで」とは言い切ってないところ。
 忘れないように努力はしたい。でも「絶対」って言葉は苦手です。守れない約束はしない。ただ、感謝の言葉は伝える。そんな感じです。

 あー。。。そういえば、ありっさとの最後の接触のときは「ありがとう」って伝えたかな? 「ありがとうございまぁ〜す♪」ってありっさからは言われたと思うけど、自分からは言ったっけ? そもそも、別れた後にこれが最後だと思ったのか? だとしても流れで「ありがとう」って言ったかもしれないし、「またね」だったかもしれない。
 うーん。。。ほらやっぱり記憶って曖昧になるんすよ (苦笑) 。


■新しい誰かに出会ったりするんだよ

 2020年の3月31日にありっさの脱退が発表されます。
 誤解をおそれずに言うと、ありっさがやめる、ということより、ばってん少女隊からメンバーがいなくなる、ということの驚きの方が、正直上回ってました。
 あのころってほとんどのヲタクが1か0、つまり、万が一何かがあっても、解散するか続けるかだと考えていたと思うんですよ。一人だけ抜けるっていうのは、ヲタク側の頭にはなかったんじゃないかな。
 そして、ありっさが脱退について語る動画が公開されて。あの動画を観たときに「ああ、もう子どもじゃないもんな」って感じました。
 気づけば、いい歳になっているわけです。
 初めて会ったときは、中学一年生で、やっと2sを撮るのが解禁されたくらいの年齢だったのに、もう高校三年生。変わらないものがある一方で、やっぱり変わるものって絶対にあるわけじゃないですか。
 彼女のなかで変わったものが垣間見える瞬間が、あの動画にはあって。
 昔は無垢な子どもってイメージだったけど、自分の将来について、真剣に話す彼女の姿を観ていると、これから良い。。。美人さんになるんやろうな、みたいな。


 現在の体制になって、直近だと、去年の関ケ原唄姫合戦 (2021年 7.25@Aichi Sky Expo 愛知県国際展示場) のとき、ばってん少女隊のステージを観ました。
 知り合いの隊員さんとも久しぶりに話をしました。まぁ自分は性格がひねくれてるんで、あの日のセトリについて「フェスなんだから、1曲目はOiSaよりおっしょい! とかやった方がイイっすよ!」とか、憎まれ口叩いちゃったんですけど、相手は昔からの知り合いなので、そういう自分の性格も分かってくれて、受け止めてくれました。
 今年の博多どんたく (2022年 5.4@福岡市内) でも、隊員さんと話をしましたね。今のOiSa路線について「あの路線を九州・福岡に定着させていくのが大事だから」と説明され、そういう真面目な話をするのも楽しくて。

 やっぱり現場での人と人とのつながりは大事だなって感じます。一期一会じゃないですけど、何かのきっかけで知り合って、一緒にライブを観た後、ご飯を食べながら感想を語り合ったりとか。
 理想を言えば、二つ以上共通の趣味がある人と仲良くなりたいんですよ。例えば「アイドル」と「スポーツ」とか。そうすれば、もし一つの現場がなくなっても、もう一つのコンテンツでつながっていられるじゃないですか。仲良くなるんだったら、長く付き合いたいな、と。
 仲間と過ごす時間って、お金に換えられないし、アイドルへ最後に「ありがとう」って伝えるのは、そういう場所を作ってくれたことへの感謝の意味もあります。
 ばってん少女隊の現場も、タイミングさえあえば、また顔を出したいなって気持ちです。今の6人で気になるのは。。。ありっさからメンバーカラー:ピンクを受け継いだりるあちゃん (蒼井りるあ) かな。そういう縁を大事にしていると、人生が潤うというか、さくらが散るころ新しい誰かに、出会ったりするんですよ (笑) 。





【隊員さん募集】
 当ブログではお話を聞かせてくれる隊員の方 (18歳、高校卒業以上) を募集しています。
 特別なエピソードは必要ありません。「ありのまま」で大丈夫です。
 接触厨も楽曲派もOK。楽しみ方は人それぞれ。(でも周りの迷惑には気をつけてね)
 DDの方も“隊員の日”があるなら立派な隊員です。
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<「今月の隊員さん」について>
 この企画は、タワレコオンラインで連載されていた「アイドルのいる暮らし」へのリスペクトをこめたパクリ企画です。
 福岡県のローカルアイドル・ばってん少女隊のファン (通称:隊員) にはどんな人がいるのか?
 どんなきっかけで隊員になったか、普段はどんな生活をしているのか。
 「風変わりな人」として伝えられがちなアイドルファンの姿を、もっと真っ当に伝えたくて、隊員の方にガチでインタビューしています。


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