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Suguru Ohtaka - Liquidについて。

どうも。

僕のソロ名義の新曲、“Liquid”が配信開始されました。


今回もリファレンスや制作過程について書いていこうと思います。


曲調について

まず、この曲は2023年3月のPorter Robinsonの東京公演の影響を大きく受けています。

Porter自身がライブを楽しむ過程において、自己と向き合うこと、それをとても素直に表現していることが伝わってきてすごく感銘を受けました。特にEverything goes onの弾き語りでは、彼の音楽の原体験を見ているようで、ボロボロと涙が止まらなくなってしまうほどに印象的でした。

それ以降、音楽の技術的な範疇を超えた、姿勢みたいな部分について考えるようになり、きっとPorterのそれはハードコア・パンクの姿勢とも通ずるものがあり、それらを統合した時に僕自身が自己一致出来ている感覚が生まれ始めました。ある意味で“自由”を得ていく過程でもある気がします。

そうした感覚を得ていく過程を楽曲にも反映させたつもりです。

イントロのピアノで、この楽曲の始まりが日常の延長であることを意識できるかと思います。

そこからクリックが聴こえてきてコードシンセが聴こえてくる。制作活動が日常とひと続きでありながら、そこから分離した機能を持っていること、さながらカウンセリングルームで行われるセラピーのようなものであるということを意識しています。

かと思えばギターやドラムといったバンドサウンドも入ってきます。これらはある種の様式的な(バンドといえば必ずと言っていいほどいる)楽器ですが、そうした枠にとらわれてそれらを排することこそがとらわれであると感じ、本当の意味で“自由”であるために、自分の好きなことをできるだけそのままごちゃ混ぜにしたかったため、このようになっています。

サウンド面での驚くような派手さは少ないかもしれませんが、メロディアスなハードコアを主軸に、DnBやFuture Bass的なリズムを取り入れた、自分らしい楽曲になったと思っています。

最後にマイク録りのギターになるところは、再び日常に戻っていくことを表現したつもりです。

今まではあまり楽曲の中で“過程”を表現する意識がなかったため、今作は自分にとってかなり意味のあるものになったように感じます。

サウンド面に関して言及すると、特にBelmontのSTAYのカバーに影響を受けています。あとメロディはAvril LavigneのComplicated。モダンかつグッドメロディなポップパンク/ハードコアを目指しました。

あと、メロシャウトはEarthists.のYuiさんの影響が大きいです。録音では結構苦労しました…。

パッと聴いた感じはエモラップのニュアンスが強いかもですね。特定のアーティストの影響というよりは勝手に出てきた感じがします。

その他リファレンス元については以下のプレイリストをご覧下さい。


歌詞について

歌詞のテーマは他者と通じ合いたい気持ちと、それでも完全に理解し合いたいかと言われるとそうでは無い気持ちとの葛藤です。

喜びは二倍、悲しみは半分とは言いますが、倍になったり半分にならなくとも、それを一緒に体験することに意味はあると思っていて、その過程がその人たちの間に動きを生じさせることは明らかなわけです。

その動きが良いか悪いかは置いておいて、そうして一緒に体験していく過程でやはり根底から通じ合えない部分も出てくると思います。そういう時に「分かってよ」という気持ちも湧きますが、「やっぱり分からないものだな」と確認して境界を確認する(これは必ずしもネガティブな意味ではなく)意味合いもあると思うのです。

そういうことを考えているうちに、なんというか自分の中で他者と感情を分け合う過程において混ざりあったら混ざり合わなかったりする感情に“液体”のニュアンスを感じたのでこの曲名にしました。

そういう理解し合う過程で生まれる心の動きや自分なりの解釈を歌詞にしています。これは誰かに向けた曲と言うよりは、自分の中の内省によってフェルトセンスに言葉を当て嵌めていくような曲だと自分では認識しています。

ミックス・マスタリングについて

今回も自分でやりました。かなり時間を使いましたが、タカハシヒビキにアドバイスを貰ったりしていい感じにできたとおもいます。ありがとう。

アートワークについて

今回もIssei Moriuchiにお願いしました。本人曰く、「ハオなナオンを描いてしまった・・・」とのこと。すごくLiquid感があります。ありがとう。


といった感じの曲です。是非聴いてみて感想を教えてください。

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