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9月2日深夜の放送分

 

(ラジオ日本 全米トップ40 the80’s Deluxe Edition を語る)
 

 この日は1987年8月22日のチャート紹介。
 
 この番組はオープニングで何年何月何日のチャートを取り上げるか言ったあと、定型句で「○○年前、果たしてどんなヒット、どんなスターがランキングを賑わせていたのか。そして栄光の、ナンバー1は」と矢口清治さんが伝える。でもぼくはナンバー1になる曲で好きなものがほとんどないので、正直なところあんまり栄光に感じない。矢口さんは全部好きなのだろうか。もし嫌いな曲があったら、その解説をするのはちょっとつらいだろうなと思う。
 
 ジャスト40位の『曲かけ』はナタリー・コール。39位からチャート紹介。25位で止まって『曲かけ』。グレイトフル・デッドです。ピーター・バラカンさんの番組みたい!
 39~21位でこの曲を選ぶとは。矢口さんも選曲に関わっているのかな。だといいけど……。
 この曲はトップ10に入ってデッドでいちばんのヒットとなったけど、大ヒットとまではならなかった。だから俗に言う「魂を売った曲」にならずに今でも昔の作品と同列に聴ける。ヒットしない利点ですね。なかなか『危機』や『こわれもの』と同列に『ロンリーハート』は聴けないですから。
 
 『曲かけ』のあとに、デッドのベーシスト(フィル・レッシュ)が11位に入っていたという関係から、ローリングストーン誌の選ぶ過去半世紀の偉大なるベーシストランキングを矢口さんが紹介。「客観的な演奏技術のランキングではない」とローリングストーン誌に書かれているようで、そこで矢口さんが読み上げながら笑う。矢口さんは、このクスッとした笑いを入れるのがとてもうまい。リスナーも誘発させられてしまう。この番組は車中か家で聴いてるが、電車の中では笑ってしまって聴けないです、ぼくに関しては。
 
 丁寧にそのトップ10を読み上げてくれるが、これが意外。ジャズやスタジオミュージシャンも入るので知らない名前も多かったが、9位ポール、6位ジャック・ブルース、3位ジョン・エントウィッスルは知っているところ。でもこの3人が入っているのなら、なぜジョン・ポール・ジョーンズが入っていないのだろう。12位かな?
 
 それから21位までチャート紹介。次に復刻版紹介。プリンスとプリテンダーズ。あとAORのコンピレーション。コンピレーションに関してはその分野にあまりに深すぎてぼくは分からなかったけど、でも面白かった。分からない内容を面白く聴かせてくれる技術が、矢口さんにはある。
 
 20~11位の『曲かけ』は11位のスターシップ。この解説も面白い。スターシップも名前や人を変えながら、60年代後半から続いていて、いろいろと人間関係が複雑化しているので。そういったところを解説では、チクリと衝く。
 
 初登場曲の紹介から、10~6位の紹介。そしてアルバムトップ10紹介。
 
 5~2位の紹介があって、最後にナンバー1の紹介。この頃チャート上位常連のマドンナだったため、『曲かけ』後のナンバー1ソング解説もお涙なしの、いつもよりあっさりした感じ。
 
 この番組はブログでチャートを載せているので、興味ある方は下記のブログをご覧ください。ぼくの記事では抜粋して記していますが、チャートの中に「なつかしい!」と思う曲があるかもしれません。曲って、過去の思い出を引き出しますから。
 ぼくは9位のトゥパウで、当時アルバイト先だったかどこか、ちょっと逃れられない場所でこの曲がしつこくかかっていたのを思い出した。だからこの曲は「聴いた」のではなく「聞かされた」印象が強い。なんとなくイヤな思い出も、でも時間が経つとなかなか懐かしい気分を味わえる。すっかり忘れてたこのアーティストと曲を、この番組があったから久しぶりに思い出せました。



書き物が好きな人間なので、リアクションはどれも捻ったお礼文ですが、本心は素直にうれしいです。具体的に頂き物がある「サポート」だけは真面目に書こうと思いましたが、すみません、やはり捻ってあります。でも本心は、心から感謝しています。