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種苗メーカー、百年企業の挑戦

1.トキタ種苗(株)(さいたま市見沼区)

2020/05/14(木)には、1917年創業の老舗種苗メーカー、トキタ種苗(株)を紹介しました。

創業から100年以上経つ老舗企業ですが、現社長の父は我が国で初めてミニトマトを開発するなど、創業以来ずっと新品種開発に積極的な企業です。現社長の時田巌氏が将来を見据えて力を入れているのはイタリア野菜。種苗カタログにはカリフローレ(スティック状のカリフラワー)やラディッキオ(チコリの一種で抗酸化成分が豊富)など20種類以上のイタリア野菜の種が並びます。人口が減少する国内では事業拡大が難しいとみているので、海外事業にも力を入れています。1990年に中国、99年にインド、2008年にイタリア、11年には米国、15年にチリにも現地法人や事務所を置き、各地で販売を強化し、農場で種の生産にも乗り出しています。

2.種苗メーカーの挑戦

種苗メーカーとして有名なのは、サカタのタネ、タキイ種苗、カネコ種苗の大手3社ですが、他にも特色を生かして差別化を図る企業はたくさんあります。

これまでご紹介した【すごい会社】のなかですと、種苗市場国内最大手で世界シェア10%ほどを占める(株)サカタのタネ(2015/05/04)の欧州・アフリカ市場を視野に入れた戦略や、現在、種苗・栽培から加工・販売まで手掛ける全国唯一のコケ緑化企業である(株)モス山形(2016/05/10)、などが挙げられます。

大手企業といえどもけっして安泰ではなく、絶えざる新品種開発や新市場開拓への努力を怠っていません。また種苗といっても食用の農産物だけではなく、さまざまなニーズに対応していることもわかります。国内市場の成熟化とともに、種苗メーカーの国際化戦略にも注目していきたいと思います。

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3.今週の【すごい会社】

★No.2021☆瀬戸製材(株)(大分県日田市)。米国で大分県産の日田杉を売り込む。大分では古くから建築資材として使われてきた。米国が中国からの輸入木材の関税を引き上げたことを商機と考え、米国進出を決定。
★No.2022☆e-Janネットワークス(株)(東京都千代田区)。金融機関やメーカーなど1100社50万人以上が利用し、国内トップシェアを誇るテレワークプラットフォーム「CACHATTO」を手掛ける。
★No.2023☆(株)シンカ(東京都新宿区)。電話でのトラブルをなくし、業務をスムーズに進めるためのクラウドサービス「カイクラ」を提供している。電話の着信があると、顧客情報や対応履歴が自動で表示される。
★No.2024☆トキタ種苗(株)(さいたま市見沼区)。1917年創業の老舗種苗メーカー。祖父や父の代で開発したネギやトマトが同社の主力商品だが、現社長が将来を見据えて力を入れているのはイタリア野菜。
★No.2025☆島田工業(株)(群馬県伊勢崎市)。天井照明の機能を持ち、特殊なフィルターでウイルスなどを吸着して分解する空気清浄機「L&Air(エルアンドエアー)」を開発した。LEDライトを使う。

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次回もまた、【すごい会社】の数々をお伝えしていきます。どうぞお楽しみに。

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