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国際比較 失敗への恐れ

失敗することへの恐れとモチベーションの関連についていくつか論文を紹介しましたが(アメリカと日本の教室から見た、間違いからの学び方)日本の生徒の「失敗への恐れ」は国際的に高いのでしょうか、低いのでしょうか?

結論

日本の学生はOECD諸国の中で最も失敗を恐れている
成績の良い国ほど「失敗への恐れ」の指数は高くなる傾向がある

失敗への恐れ

※OECDデータを元にグラフ筆者作成

失敗への恐れと国語のスコアの平均値

分析手法

15才の生徒に対するアンケートの国際比較(2018年のデータ)
下記の3つの質問に対して「まったくその通りだ」もしくは「その通りだ」と答えた生徒の割合
(1)失敗しそうなとき、他の人が自分のことをどう思うかが気になる 
(2)失敗しそうなとき、自分に十分な才能がないかもしれないと不安になる
(3)失敗しそうなとき、自分の将来への計画に疑問をもつ

編集後記

日本の生徒が最も失敗を恐れているというのは慎重な国民性を反映しているのかもしれません。成績の良い国ほど失敗への恐れのスコアが高いことを考えると一概に悪いことだとは言えないのかもしれませんが、正解のない問いへ立ち向かう力が求められている時代、成功や失敗などの結果よりも挑戦したというプロセスを讃える習慣がもっと広まるといいなと思います。

文責:識名由佳

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参考文献
https://www.oecd-ilibrary.org/sites/2f9d3124-en/index.html?itemId=/content/component/2f9d3124-en#fig82


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