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教育エビデンス:メタ認知と自己調整学習の効果

「魚よりも魚の釣り方を教えよう」という言葉がありますが、教師が科目の内容だけでなく「学び方」を生徒に教えた場合、どのような効果があるのでしょうか。今回はそういったメタ認知と自己調整学習アプローチ(Metacognition and self-regulation)を行うと成績向上にどのような効果があるのか、246個の先行研究を分析した調査を紹介します。

キーテーマ

メタ認知・自己調整学習・学び方の学び・実験

 
結論

メタ認知と自己調整学習とは、

・生徒が自分の学びの全体設計を自分で行うようサポートしすること。
・多くの場合、学習の計画、振り返り、評価の方法などを教える。
例:どんな学び方があるか知る、今勉強している内容に合わせて自分で学び方を考えるなど

メタ認知と自己調整学習は
・生徒の成績にポジティブな効果がある(+7ヶ月分の効果)。
・小学生(+8ヶ月分の効果)
・中学生(+7ヶ月分の効果)
・数学と科学で特に有効。
・グループ学習に導入、生徒が話し合いを通じて自分の考え方を明確にするとさらに有効。

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実験デザイン

イギリスのEEFがメタ認知と自己調整学習の効果に関する先行研究の246個の平均的な影響を分析した。
結果、多くの先行研究においてポジティブな効果があった。

留意点

246個の論文に独立機関以外が実施した研究も含まれています。
エビデンスレベル:複数の研究の平均

編集後記

人生100年時代の今、大人になってもずっと学び続ける必要があります。「学び方を学ぶ」ことには短期的な成績向上以上に人生の財産になるのではないでしょうか。

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過去記事のまとめはこちら

文責:識名 由佳 

Metacognition and self-regulation (2021)EEF. Retrieved May 20, 2022, from
https://educationendowmentfoundation.org.uk/education-evidence/teaching-learning-toolkit/metacognition-and-self-regulation


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