スクラムガイド（2020）の要約

試験対策のためにまとめました。
スクラムガイド（2020）に書かれている事だけを要約しています。

スクラムの定義

価値を生み出すための、軽量なフレームワークである。
意図的に不完全であり、必要な部分だけを定義している。

スクラムの理論「経験主義」と「リーン思考」

スクラムは「経験主義」と「リーン思考」に基づいている。
「経験主義」は、イテレーティブ（反復的）でインクリメンタル（漸進的）なアプローチで実現する。
「リーン思考」では、無駄を省き、本質に集中する。

スクラムの３つの柱（経験主義）

スクラムは「透明性」「検査」「適応」の３つの柱で経験主義を実現する。
「透明性」：経験主義の重要な意思決定のために、検査を可能にする透明性が必要だから。
「検査」：検査によって経験主義における適応が可能になるため、頻繁かつ熱心に検査を行って変化や問題を検知する。
「適応」：経験主義にもとづき、検査によって学んだ瞬間にできるだけ早く適応し逸脱を最小限にする。

スクラムの５つの価値基準

「確約」「集中」「公開」「尊敬」「勇気」であり、これはスクラムチームの作業、行動、振る舞いの方向性である。
スクラムチームはこの価値基準を強化することで３つの柱を実現する。

スクラムチーム

プロダクトオーナー(PO)、スクラムマスター(SM)、開発者で構成される。
通常は１０人以下である。
作業に必要なスキルを備えている人であり、スキルを共有又は習得できる人の集まりである。
一つの目的（プロダクトゴール）に集中している。

複数のスクラムチーム

同じプロダクトゴール、プロダクトバックログ、プロダクトオーナーを共有する
共通の完成の定義を作成し、それに準拠する。

開発者の責任

インクリメントを作成する
スプリントバックログを作る
完成の定義を守る
スプリントゴールに向けて計画を適応させる
専門家として責任を持つ

POの責任

一人の人間であること
プロダクトの価値を最大化する
プロダクトゴールを作り伝える
PBIを作り伝える
PBIを並び替える
PBIを透明化、見える化、説明する

スクラムマスターの責任

スクラムガイドで定義されたスクラムを確立する
スクラム理論とプラクティスを全員に理解してもらえるよう支援する
スクラムチームの有効性に責任を持つ
スクラムチームとPOと組織をさまざまな方法で支援する

スクラムイベント（スプリント）

全てのイベントは同じ時間と同じ場所で開催されることが望ましい。これは規則性を生み、複雑さを低減し、他の会議を減らす。
スプリントの期間は１か月以内
スプリントの中止はプロダクトオーナーだけが行える

スプリントプランニング

時間：８時間（１か月のスプリントの場合）
参加者：スクラムチーム、チームが招待した人は誰でも
目的：スプリントの作業の計画を立てる
誰が：スクラムチーム
インプット：プロダクトバックログ、プロダクトゴール
アウトプット：スプリントバックログ（選択したPBI＋スプリントゴール＋それらの計画）

デイリースクラム

時間：１５分（スプリントの長さに関わらず）
参加者：基本的に開発者（作業をしているならPO/SMも開発者として参加）
目的：スプリントゴールに対する進捗の検査と、それに伴うスプリントバックログの適応。他の会議を不要にする。
インプット：スプリントゴールに対する進捗
アウトプット：適応されたスプリントバックログ

スプリントレビュー

時間：４時間（１か月のスプリントの場合）
参加者：スクラムチーム、主要なステークホルダー
目的：スプリントの成果を検査し、今後の適応を決定する。ワーキングセッションを通じて主要なステークホルダーに作業の結果を提示し、プロダクトゴールに対する進捗について話し合う
誰が：スクラムチームと主要なステークホルダー
インプット：完成の定義を満たしたインクリメント、スプリントの成果と作業の結果。
アウトプット：（必要なら）調整されたプロダクトバックログ

スプリントレトロスペクティブ

時間：３時間（１か月のスプリントの場合）
参加者：スクラムチーム
目的：スプリントにおける個人、相互作用、プロセス、ツール、完成の定義について検査し、品質と効果を高める方法を計画する。
誰が：スクラムチーム
インプット：（スプリント結果）
アウトプット：改善のための変更

プロダクトバックログ（PBI）

何か：創発的かつ順番に並べられた、プロダクトの改善に必要なものの一覧。プロダクトゴールを含む。
誰が作るか：POまたはPOが委任した人（PBIの見積もりは開発者が責任を持つ）
いつ作るか：いつでも

スプリントバックログ

何か：スプリントゴール、スプリントで選択されたPBI、これらの計画
誰が作るか：スクラムチームの開発者
いつ作るか：スプリントプランニングと、スプリント中いつでも

インクリメント

何か：プロダクトゴールに向けたインクリメント（完成の定義を満たしたプロダクトバックログアイテムの成果物）
誰が作るか：スクラムチームの開発者（開発者としてのPO／SMを含む）
いつ作るか：スプリント中

完成の定義

何か：品質基準を満たすインクリメントの状態の定義
誰が作るか：組織の標準がある場合はそれに従うが、無い場合は（あるいは不足する場合は追加で）スクラムチーム。
いつ作るか：（論理的に考えてスプリントプランニング前）