あなたにも書ける研究助成申請書:研究計画書に関するドミノ理論
研究助成には目的があります。まず、目的を「しっかりと」確認してください。
その目的に合った研究計画書を書く必要があります。
あなたがしたい研究を書くのではありません。研究助成の目的に合った研究計画書を書くのです。
審査をするのは、あくまでも専門家です。分野は少しずれるかもしれませんが、それなりの研究経歴のある専門家が読みます。少しくらい専門分野がずれていても、研究計画として実行可能かどうか、研究として専門分野に対する貢献が見込めるかどうか、など判断はできます。
研究計画書は、計画を書きます。研究目標を達成するために、道筋をはっきりさせ、到達点までのステップを順に書きます。ステップから次のステップへのつながりが合理的に結びついている必要があります。研究機関が決まっているのであれば、その期間の年月を目印にして、各ステップを時系列に並べてください。大枠を並べ、それぞれの枠の中に、さらに細かいステップを書きます。
予算もまじめに細かいところまで詰めて考えてください。具体的に書いてください。未来のことは決まっていないこともありますが、それは「予定」として、わかる範囲でできるだけ具体的に書いてください。例えば、旅費については、開催地がどこ(と予想される)か、そこまでの交通費はいくらかかるか、実際に計算してください。計画ですから遠慮はいりませんが、逆にさばを読んでもいけません。まじめに、無理なく、合理的に考えていくらかかるか、具体的に金額を調べてください。見積もる時に大切なのは「算出根拠」です。一ついくらのものがいくついるから、合計いくら必要になる、と計算してください。根拠なしで、大雑把に50万円とか書かないてください。それだけで、あなたの計画が大雑把なものだと判断されてしまいます。どこまでまじめに具体的に計画を考えているか、が予算を見ればわかります。
申請書には、どこに何を書くか、指示が書いてあります。指示を書く人は、そこで指示をしたことを書いてほしいので、指示を書きます。そして、審査する人は、その指示を判断基準として、そこに書かれた内容を判断します。ですから、指示文をよく読んで、何を書くことが期待されているかを読み取ってください。そして指示に従って、内容を書いてください。
では、まとめとして、こんなふうに書いたら落ちますよ、という例をあげておきます。
1)研究助成の目的を気にせず書くこと。
2)素人向けに入門書のような説明を書くこと。
3)いつ何をどんな順で行うかがわからない説明。
4)大雑把で具体性のない予算。
5)指示を読まずに書きたいことを書きたいように書くこと。
研究助成の申請書はいわば、事業計画書です。提案された企画に予算を付けたら、その事業はうまくいくかが判断されます。ビジネスとして成功し利益が出ることが見込めるならお金(予算)を出しますよね。その見込みがない企画にはお金はつけられませんよ。
たとえるなら、ドミノ倒しです。ドミノのコマを隙間なく並べて、最初のコマをたおしたら、パタパタパタッと最後までドミノが倒れていくのが目に見えるようになっているかどうかです。途中で流れが途切れるような並べ方の人にはお金は出せませんよ。