SNSにおける「隣の芝生が青く見えすぎる問題」の構造と対策
ポジティブ・シフトという本がかなり良かったので紹介します。
この本を書いたキャサリン・A・サンダーソンさんは、スタンフォード大学にて、心理学の学士を取ったのちに、プリンストン大学の心理学の修士&博士を取得されています。
いわゆる「心理学」におけるエリート。
本作品中では、キャサリン教授のこれまでの研究結果から見えた「幸せになるためのマインドセット」について語られています。
特にいいな―と思った部分は、キャサリン教授が提示する「SNS」との向き合い方について。
日々SNSを見ていると、
・明らかに高級そうなホテルで食事をする風景
・高級車に囲まれて幸せそうにしている風景
・大きな家で、非常にていねいな暮らしをされている風景
など、「こんな人生を送れたらいいなあ」と思う、嫉妬に近いどろどろした感情が湧き出すことがあります。
その状態はあまり健全ではないと思っており、対策せねばなあと考えていたところ、本作品によって解決のヒントを得ることができました。
問題の構造
そもそも、なぜSNSを見ていることによってどろどろした感情が沸き起こるのか、その理由は「他人の人生と自身の人生のギャップが生まれること」だそう。
SNSにおいて、ポストの中心は「ポジティブな出来事」という人生におけるある特定な一面を切り取られることが多い特性があります。
そのポジティブな出来事と、自身の生活を「比較j」することによって他人と自身の生活における「落差」を感じられること、それが自身のネガティブな感情を引き起こす要因となっているのです。
では、どう対策をしていけばいいのか。以下2パターンのアプローチを紹介します。どちらも自身で実験済みで、効果が得られた方法です。
問題を解決する方法①:SNSを利用する習慣を改める
至極シンプル、かつ「そうだよね」と思われる内容ですが、
他人の人生と自分の人生を切り離すために、SNSとの付き合い方を考えることが問題を解決する一助となりそうです。
一度、3週間SNSを完全に断ち切ったことがあるのですが、
かなり肉体面/精神面に効果がありました。
肉体面の効果
SNSに使う時間を運動や自炊にあてられた
SNSを使わなくなったことで、寝る時間が早くなった
ブルーライトを浴びる時間が減ったからか、寝起きが良くなった
精神面の効果
焦り、不安のような感情が生まれる機会が減った
時間を有効的に使えている実感から、自己肯定感が上がった
→結果、日々を穏やかに過ごすことができた。
これだけ見ると、「いいじゃん!」となると思うのですが、自分にとっては大きなサイドエフェクトがありました。それは「孤独」を強く感じるようになったということです。
SNSを断ったことにより、得られる情報量が激減したこと=世間と断絶された、と脳が認識してしまっていることが孤独感を助長した要因かなーとみています。
そのため、完全にSNSを断つのではなく「SNSを使う時間を制限する」形を現在は取っています。
わたしはiPhoneを使っているため、iPhoneの純正機能である「スクリーンタイム」を利用することで、意識的にSNSを利用する時間を制限できています。
問題を解決する方法②SNSの特性である「人生においてポジティブな側面が切り取られやすい」ということを理解する
これも効果があった問題解決方法です。
誰かのポジティブな出来事の背後には、数多のネガティブな出来事(場合によっては、自分では耐えられないくらいの)が隠れており、そのネガティブな出来事を乗り越えた結果として、「ポジティブな出来事」が起きた、という発想です。
これは割と真理だと思っていて、自分がポストするような出来事、例えば
「仕事がうまくいった」「こんなところに旅行にいった」「こんなものが買えた」という背景には、ポストができないようなダサいことや失敗が集積されています。
この考え方を知ったことで、他人のポジティブな情報に触れても「ここに至るまでにネガティブなことも多々あったのだろう」「自分も頑張ろう」と他人の芝生の青さを羨むのではなく、自身が努力するための適切な燃料に変えることができるようになってきました。
幸福になるために、SNSを断ち切るというアプローチがシンプルかつ有効なものの、そうは言っても自身の生活とはなかなか切り離せないもの。
そのため、SNSにおける「特性」を理解して、隣の芝生ではなく自分の芝生を育てていけるようにしていきましょう~(わたしも頑張ります!)
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