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なぜミツバチは離職(離巣?)しないのか?~よい組織に共通する3つの条件

なぜミツバチのコミュニティでは、何のトラブルもなく何万匹ものミツバチが規律ある行動をとれるのか。

そんなミツバチたちの不思議な生態から、よい組織、すなわちそれに属する人全員が幸せを実感できる組織に共通している3つの条件を導き出したいと思います。

普通に書いたのでは面白くないので、今回は僕なりに「ミツバチの気持ちになってみる」というちょっとした工夫をしてみました。

ウザイかもしれませんが、今回かぎりになるはずなのでご了承を。

それではいってみましょう。

ブンブン。


ミツバチの生態

それなりに有名な話だと思うブンが、僕らミツバチの仲間はある種のダンス(8の字ダンス)でコミュニケーションをとっているブン。

僕らはこのダンスを主に2通りの目的のために使うブン。

1つは餌の豊富な場所を仲間に知らせるため、もう1つは新しい巣の候補を仲間に知らせるためだブン。

ダンスの仕方はどっちも同じで、8の字ダンスの角度で方角を、ダンスをする時間でその場所までの距離を仲間に知らせるんだブン。

賢いだろ?ブンブン。

僕らはそれ以外に余計なお喋りはしないし、花の蜜を採りに行った帰りに寄り道だってしない。

いつだって僕らは自分がやるべきことだけをしてるんだブン。

新しい巣を見つけるときは、100から200匹ほどの探索バチと呼ばれるベテランの働きバチが候補となる場所を探しに行くブン。

お前たち人間は新しい住居を探すとき、いちいち他の部屋と比較しないと、どこがいいか決められないだろ?

でも僕たちは違うブン。

僕たちは自分の中にすでに具体的かつ絶対的な理想の部屋があって、他の候補地と比べるまでもなく、自分の見つけた場所がどれぐらい理想的な場所かを判断できるんだブン。

探索バチは自分の見つけた候補地を巣に帰ってから宣伝するブン。

その際、彼らは自分の見つけた候補地がどれぐらい理想的かを知っているから、その理想度合いに応じてダンスの力強さを調節するんだブン。

素晴らしい候補地を見つけた探索バチは熱烈にダンスを踊り、まずまずの候補地を見つけた探索バチは弱々しくダンスを踊る。

僕らはお前たちみたいに自分をよく見せしようとしたり、自分の意見に固執したりしないんだブン。

宣伝された候補地は当然、他の探索バチも見に行くブン。

さっきも言ったように僕らはみんな具体的かつ理想的な巣のイメージを共有しているブンから、誰が見に行っても同じ評価になるブン

その結果、やがて多くの探索バチが一番評価の高い候補地を宣伝するようになり、その数が一定数を超えると新しい巣の場所がそこに決まるんだブン。

こうして僕らは僕ら全員のために働くブン。

僕らの中には一匹だけ蜜をガッポリ食べちゃったり、仕事をサボったりする奴なんていないんだブン。

それと、女王様だって別に偉いワケじゃないんだブン。

女王様は子を産むという「役割」があるだけで、僕たちにアレコレ命令なんてしないブン。

僕たちはみんな、自分のやるべきことを知っているブン。

そして、そのやるべきことをやることが自分のためにも仲間のためにもなることを知っているブン。

僕らはただ懸命に生きているだけなんだブン。

さて、余計なお喋りはここまでブン。

僕らは冬を越すためにたくさん蜜を集めないといけないんだブン。

お前たちも自分のやるべきことをやったらどうだブン。

じゃあなブン。

【参考】トーマス・D・シーリー著『ミツバチの会議』

・・・キモイとか言わないでね(苦笑)


よい組織になるための3つの条件

さて、話を戻しまして、僕らがミツバチに見習うべきことをまとめておくと以下のようになります。

1.個々が自分のやるべきことだけをやっている(自分の役割をまっとうするべく行動している)
2.コミュニティにおける個々の判断基準(理想)が同じである
3.みんなが個々の意見を信頼・尊重し合っている

この3つの条件をきっちり満たせばよい組織のできあがりです。

これらを組織論的な言葉に置き換えると以下のようになります。

1.個人の役割や強みを明確にする
2.共通のビジョンを作る
3.コミュニケーションをとって関係を深める

うまくいっていない会社、例えば離職率が年々上がっている会社の大半は、3のコミュニケーションにばかり目を奪われる傾向にあります。

とにかくコミュニケーションをとって信頼関係を築いていけば辞める人は減っていくはずだ。

そんなことを盲目的に思っているわけですが、どれだけコミュニケーションがとれていても、経営者や上司の判断基準が気分によってコロコロ変わったり、自分の強みが活かせないような会社では人はやる気を失います。

仲のいい組織がよい組織ではないということです。

そうではなく、

1.自分がその会社にいることの意義(強みや役割)を実感でき、
2.仕事の方針や努力の方向が明確で、
3.上下関係のとらわれずフラットに意見を言い合える

これらを満たす組織がよい組織であり、これらが満たされたときに僕らは幸せを感じることができるのです。


哲学者であれ

今挙げた3つの条件を満たす会社に就職することも大事なことかもしれませんが、僕らにとってより重要なのは

自身の人生において3つの条件を満たし続けること

です。

1.自分の強みや役割、つまりこの世界における使命を見つけようと努力し続けること
2.自分の生きる方針となる理想(ビジョン)を描き続けること
3.自分の価値観や信念に合った関係を広げ、深め続けること

この3つに終わりはありません。

ですが、これを続けることが、結果として3つの条件を満たす会社に出合う方法になっています。

自分にとって「よい」とは何なのか。

それが明確になったときに、よい組織、よい会社は現れるのです。

今度ミツバチに会ったらよろしく言っといてね。

ありがとうございました。


※この記事は過去に配信していたメルマガ記事を再編集したものです。


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