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Ticket T+が無くなる! 2020年からのパリ公共交通の乗り方

パリ市内交通の乗車券Ticket T+。現行のT+になったのは2007年、更に遡ると1900年に始まったこの紙の乗車券ですか、2020年に発売停止2021年には廃止になる予定です。

通勤通学で月極や年間のNavigoを使用している人には影響はありませんが、旅行者や在住者でも時々しか公共交通を使わない人には大きなこの変更。紙のTicket T+に代わって今後次のようなペーパーレス乗車券が用意されます。

Navigo Easy (旅行者・在住者向け)

まず従来のTicket T+を直接置き換えるのがこのNavigo Easy。2ユーロのカードにTicket T+等のチケットをチャージするプリペイド方式。チャージ可能なチケットは以下。

・Ticket T+
・Carnet (Ticket T+ x 10)
・OrlyBus, RoissyBus
・Forfait Navigo Jour (一日券・旧Mobilis)

カードは既に地下鉄の窓口などで販売開始していて、チャージは大型の券売機で可能です(紫色の小さなチャージ専用機はまだ非対応でした)。

旅行者向けを考えるとNavigoの一週間券をチャージ出来ないのは不便です。こちらは従来通りNavigo Découverte(5ユーロ)を使う必要があります(そしてNavigo Découverteは今のところTicket T+をチャージ出来ない)。

Navigo Liberté+ (在住者向け)

銀行引き落としのNavigo AnnuelのTicket T+版です。申込時に銀行口座を登録して、月末に乗車しただけ銀行引き落としされるポストペイ方式。運賃はCarnet相当の割引価格。

Navigo LAB (ベータ版・恐らく在住者向け)

はい、やっとでパリにも来ましたスマホ乗車券。Navigo Labは今年の夏までのテスト版アプリの名前で、夏以降に予定されている正式サービス開始時には別の名前になると思います。スマホに次の三種類のチケットをチャージして使う事が出来ます。支払いはカード。

・Carnet
・Forfait Navigo (Zone 1-5、一週間or一ヶ月)

ただし使用条件は現在結構厳しいです。

・Androidのみ対応。現在iPhoneは非対応。
OrangeのSIMまたはSamsungの対応機種のスマホが必要
・Forfait Navigo Annuel等には非対応

OrangeまたはSamsungというのが一見謎ですが、これは恐らくセキュアエレメント(SE)というIC乗車券や電子マネー機能に使われるチップの内蔵状況によるものだと思います。

日本の場合、iPhoneやガラパゴススマホには必ずFelica規格のSEが内蔵されているためこれを使ってモバイルSuica等を実現しています。

他方でパリの場合はそうした使える共通規格が無かったのでOrangeのSIMに内蔵されているSEとSamsungのスマホに内蔵されているSEを使ったテストから始めたのだと思います。

今後はフランスの他キャリアのSIMや他メーカーのスマホにも対応を広げるかも知れませんが、フランス国外からの旅行者も使用できるようになるかは解りません。

どれがお勧め

使用条件に合うのであればNavigo LAB(仮称)。実際に使ってみましたが反応も良く、自販機に並ばずともスマホでチャージ出来るのはお手軽。年間契約のForfait Annuelに対応したら現在のカードからこっちに乗り換えようかなと考えています。持ち歩く小物が一つ減りますし。

Navigo Liberté+は以前は料金キャップ制(一ヶ月何度乗っても月極Navigoの料金で打ち止め、など)が導入されると言われていたのですが、結局単なる後払いのTicket T+になったのは残念。でもあまり公共交通利用しない在住者だと申し込みは面倒ですがこれが一番楽かなと思います。

またカードもスマホもチャージ出来るのは乗車券だけで日本のSuicaの用に買い物には使えません。もっともsans contactでの支払いが既に日本以上に便利な状況なのでNavigoが買い物に対応する必要は全くないのですが。

理想を言えば・・・

Navigo等のカードを買ってチャージせずとも銀行のカードやApple Pay、Google Payで改札を通過できるロンドン方式が一番なのですが。旅行者の多いパリには最適な方法だと思うのですが。

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