「スピノザ」哲学散文11
はじめに今回の哲学散文では17世紀オランダの哲学者バルーフ・デ・スピノザ(1632-1677)について取り上げていきます。
スピノザは近代哲学者たちの中でも特異な存在です。
彼の思想は伝統的な宗教観を根底から覆し、新しい神の概念を提示しました。同時に人間の本質や自由、そして幸福について深い洞察を与えてくれます。
前回のジョン・ロックとは対照的に、スピノザは徹底した合理主義の立場をとります。
彼の哲学は数学的な厳密さで構築された体系であり、その思想の深さと独創性は現代にも大きな