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2023 年間ベスト

音楽についての文章を依頼される際にいつも言われることがある。その音楽のどこが好きで、何が特別なのかを書くこと。いたってシンプルな注文だけれど、これがなかなか難しい。最終的には自己を見つめ直し、掘り下げていく作業になる。年間ベストはすなわちその年の気分であり、その記録である。誰もが同じレコードを買い求める時代でもなく、まったく同じ景色を見ている人など誰一人としていないから、個人的なセレクトであるのが当然。いい音楽が常に生まれ続ける日々の中で自分は何に心を動かされたか、どんな1年だったのかを年末年始にじっくりと考える作業に没頭できる大切な時間でもある。

『Me Chama de Gato que Eu Sou Sua』Ana Flango Eletrico
『Mercy』Jokn Cale
『&The Charm』Avalon Emerson
『Milk For Flowers』H.hawkline
『Fuse』Everything But The Girl
『I Play My Bass Loud』Gina Birch
『Optical Delusion』Orbital
『 e o』cero
『Happy Hour in Dub』Hollie Cook
『夢中夢』Cornelius

2023年は高橋幸宏の訃報からはじまった。日本のみならず世界中の音楽好きが悲しみに暮れた1月。そんな中で2020年に参加したケリー・リー・オーウェンズの「Corner of My Sky」の延長線上に位置するようにローレル・ヘイローやアクトレス、ワイズ・ブラッドやアニマル・コレクティヴなどかなり歳の離れた新鋭アーティスト達とタッグを組み、10年ぶりに新作をリリースした80歳のジョン・ケイルの『Marcy』は、暗闇を照らす唯一の希望の光のようだった。美しく気高く力強い歌声と、現実と空想の世界を彷徨うような幻想的な音は、冬の夜の厳しい寒さを和らげるように胸に響いた。

まるで高橋幸宏の後を追うかのように3月には坂本龍一が亡くなり、他にも国内外の様々なミュージシャン達の訃報を目にする機会が何度もあった。自分や同世代の友人達の青春時代を彩った音楽家が次々といなくなることで死がより身近なものになり、大袈裟ではなく生きることの重みを強く感じた2023年。それ故に結婚、出産、子育て期を経て24年ぶりに再始動したエヴリシング・バット・ザ・ガールのアルバム『Fuse』の1曲目が低音の効いた現役感バリバリのダンスミュージックだったことには、なんてモダンな夫婦なんだ!と痺れまくったし、2021年に発売された『ザ・レインコーツ──普通の女たちの静かなポスト・パンク革命 (ele-king books)』を熟読してからというものより一層レインコーツの音楽を好きになった者としては、まさかここにきてベーシストのジーナ・バーチのファーストアルバム『I Play My Bass Loud』がリリースされる瞬間に立ち会えたことにも心底感激した。他にもベテラン勢の活動がいつも以上に心強く感じた2023年。UKレイヴミュージックの伝統を守りつつ、旬の魅力的なボーカリスト達を起用したオービタルの『Optical Delusion』は、数あるエレクトロニックミュージックの中でも久々にアルバム1枚を通して繰り返し何度も聴きたくなる作品だった。

2022年の年間ベストに選んだオリエルズやワーキング・メンズ・クラブなど今も勢いのある若手を輩出し続ける老舗レーベル〈Heavenly Recordings〉のSSW、H.ホークラインの5rdアルバムは、ケイト・ル・ボンのプロデュースによる風変わりな音と独特な世界観が印象的な作品。〈Heavenly Recordings〉はレーベル単位でリリースをチェックする楽しさを現在もなお教えてくれている。DJでトラックメーカーのアヴァロン・エマーソンは、売れっ子プロデューサーのブリオンの手を借りてダンスミュージックの上にポップな才能を開花させることに成功した。現在のブラジルのポップミュージックを牽引するアナ・フランゴ・エレトリコの3rdアルバムはディスコ、ブギー、ボッサ、ミニマル、チルなど様々な要素を取り入れることで、クラブやカフェなどどこで流しても機能する万能な楽曲が揃った外せない1枚。今年の干支は寅年だったかも?と間違えるほどインパクトのあるジャケも素敵。


ここ数年は海外の音楽にますます夢中になっているせいかなかなか日本の音楽に手が回らなくなるばかりだったが、ceroの『 e o』にはリリースされてから半年以上経った今もなお魅了され続けている。音楽に対する真摯な姿勢と柔軟な探究心をもって丁寧に編み込まれた統一感のある楽曲は、既存のジャンルや方法論から解放されたようにのびのびと自由で洗練されていて、何度聴いても新しい発見がある。
そしてなんと言ってもコーネリアスの復帰作『夢中夢』が素晴らしかった。『Fantasma』や『Point』の頃のような刺激的なアプローチを手放し、活動休止期間を経たことで、人の心にゆっくりと沁み入るような飽きのこない楽曲で新境地を開いてみせ、これから先も長く支持される名盤になるであろう予感に満ち溢れた味わい深い作品に仕上がっている。2021年夏のオリンピック騒動の顛末を見届けることなく亡くなっていった人々のことを思うと、コーネリアスの復帰作のリリースは本当に感慨深い出来事でもあった。この2枚はコロナ禍を経て生まれた日本の音楽という観点からも特に重要な作品ではないかと思う。

2023年は友人が開催している新宿OPENのパーティー「SKA ROCK STEADY REGGAE NITE」に誘われて3月に20数年ぶりのDJをしたことがきっかけで、何故かレゲエのパーティーでDJを依頼されることが何度かあり、夏はダブやラヴァーズロックに触れる機会が多かった。そのタイミングで出会った『Happy Hour in Dub』は、セックス・ピストルズのポール・クックの娘でスリッツの再結成時のメンバーでもあるホリー・クックの2022年のアルバム『Happy Hour』を再構築した作品で、ボーカル要素を減らしつつも原曲のハッピーな雰囲気を壊さずにいい塩梅の重すぎないダブに仕上がっていた。シアターイメージフォーラムで上映された『ルードボーイ トロージャン・レコーズの物語』や、VIVA STRANGE BOUTIQUE裏で上映されたドン・レッツ撮影のドキュメンタリー『REBEL DREAD HARDWARE presents Acme Attractions Era 』の映像を観たことなども、近年のインディーロックやテクノを聴き漁るばかりの自分の視野をさらに広げる手助けとなった。

5月からは四谷ドクターヘッドにて毎回テーマを決めて選曲するパーティー「CROSS THE BORDER」を始めたり、ありがたいことに周りの皆様に次々とお声をかけていただいて、2023年は思いがけずたくさんDJをする機会に恵まれた。その数なんと13本。いや、まさに恵まれるとはこのことで、何がきっかけで変化していくのかわからないものだと自分でも思う。長いことクラブミュージックやパーティーに魅了され続けてきた経緯を思えば必然だったかもしれない。DJをやってみることで音楽との向き合い方が変わり、いわゆる「使える」レコードを買うどころか、寧ろ流行りや衝動になるべく囚われず本当に自分が聴きたいレコードだけを買おうと思うようになった。何気なく聴いていた曲の構成や世界観をより理解するために音楽と向き合う時間がもっと増えた。でもそれは文章を書くうえで意識することと何ら変わりがないような気もする。2年前に友人が亡くなって、取り残されたレコード部屋を目にしてかなりショックを受けた。そこから自分の残りの人生や生き方について真剣に考えたうえで、なるべく好きな人や好きな物に囲まれて居心地のいい場所で過ごそうと決めたので、夢中になれることにひたすら時間を費すことや、年齢や性別を問わず音楽好きの人達と出会える今の環境を今年も引き続き大切にしたい。


1.The Morning Sun/Eddie Chacon
2020年の1stから引き続きジョン・キャロル・カービーがプロデュースした2ndアルバムがよかったエディー・チャコン。メロウな最後の曲に特に痺れた。


2.that sit is on you/Walker
インターネットを漁っていてたまたま見つけてかなり気に入ったSSWのウォーカー・ランドグラフによるプロジェクト。ベニー・シングスを彷彿とさせる、期待のネオ・ソウル・ミュージック。

3.Pyjamas feat.Remi Wolf/Benny Sings
そしてベニー・シングスのアルバムも相変わらず、いや今まで以上にポップな曲を詰め込んでいて、この曲を聴くとおのずと気分が上がった。

4.Hard To Be Happy/Jones
Lissの楽曲などにも参加していたロンドンのSSW、ジョーンズのEP『Magic In My Head』は甲乙つけがたくどれも秀逸。アルバムリリースに期待したい。


5.Milk For Flowers/H.Hawkline
ヘヴンリー・レコーディングス発、オルダス・ハーディングのパートナーで、ケイト・ル・ボンがプロデュースときたらもう、聴かない理由がないわけで。


6.Days Go By/Jana Horn
テキサスのフォークシンガー、ジャナ・ホーンの2ndアルバムの1曲。年間ベストに選ぶか迷ったほど魅力的な歌声の持ち主。


7.Night Crawling/John Cale
大御所ジョン・ケイルが70年代にニューヨークでデヴィッド・ボウイと過ごした時期を思い出しながら書いたという曲。MVも面白い。


8.Nothing Left To Lose/Everything But The Girl
24年ぶりの復活作はてっきり全編アコースティックだと思い込んでいたところにクールなダンスチューンを用意してくるそのセンス。タイトルも最高。


9.oni(they)/Kate NW
ロシアを拠点に活動するケイトNVのエクスペリメンタルポップなアルバムから抜粋。食品まつりが日本語で作詞のみを担当するという摩訶不思議な曲。


10.Hot Evening/Avalon Emerson
アメリカでDJとして活動しながらポップフィールドに足を踏み入れ、さらに歌までうたってしまうという信頼のおける女性アーティストがまた一人ここに。いくつかの年間ベスト記事でも名前が挙がっていたのも納得の注目作。プロデューサーのブリオンの功績も素晴らしい。

11.Hip  Waders/Cobblestone Jazz&The Mole
コブラストーン・ジャズ・トリオがDJテニスのレーベルからリリースした新曲。長さを感じさせない、ジャジーでミニマルで有機的な13分。

12.Carpenter/Vagabon
カメルーン出身のヴァガボンは相変わらず音の質感が非常に良い。アルバムはロスタムが共同プロデュースしていて、クレイロやアーロ・パークスくらい売れてもいいはず。


13.Higher Elevation/Chaos In The CBD
ニュージーランド出身の兄弟デュオによる、こんなの嫌いな人いないんじゃないかと思う美しいディープハウストラック。


14.Anthem-Fumiya Tanaka Remin/D.A.N.
2022年から続いた『NO MOON』のリミックスシリーズの最終リリース。D.A.N.の歌声を生かしながらじわじわと高揚していく極上リミックス。

15.Home(feat.Anna B Savage)/Orbital
スリーフォード・モッズ参加曲もよかったが、アルバムの中盤に位置するスリリングなこの曲に何より惹かれた。異彩を放つ楽曲を揃えたアンナ・B・サヴェージのアルバムも面白かった。


16.I Like to Prentend/7ebra
スウェーデン出身の双子で、これでゼブラと読むらしい。トーレ・ヨハンソンが本人たっての希望でプロデュースしたという期待の新人のデビュー作。


17.Do You Feel Like a Ghost/Michael Seyer
2018年にアプレミディ・レコーズから国内盤をリリースしていたカリフォルニア拠点のフィリピン系SSWマイケル・セイヤ―の新作EPの1曲目。メロウやドリーミーを通り越して陽だまりでまどろむような優美なサウンドが心地よい。

18.1980 Dream(Or:la Remix)/Primrose
ロンドンのプロデューサーの曲らしく、たまたま聴いてキックの力強さに心を掴まれた。家の中にいてもこういう曲に出会える現代の音楽システムに感謝。

19.Escalation/Eyes of Others
エジンバラ拠点のジョン・ブライデンのプロジェクトのセルフタイトル作。ダンスミュージックの仮面を被ってゆらゆらと揺れるようなサイケで怪しい音。こういうアーティストを随時見つけてくるあたりがヘヴンリー・レコーディングスは本当に信用できる。

20.Cupola キューポラ( e o)/cero
セロの『 e o』はこれまでセロの音楽に縁がなかった人にこそ聴いてほしいと願う。1曲選ぶのは難しいけれど、この曲のメロディには特に心を奪われた。

21.Not Ideal/Afternoon Bike Ride
モントリオールの3人組バンドの2ndアルバムより。アンビエントフォークにエレクトロニカを掛け合わせたような優しい質感の音が堪らない。

22.A day in the water/Christine and the Queens
フランスのSSW、クリスティーヌ・アンド・ザ・クイーンズ。マドンナも参加した3部構成の大作アルバムの1曲。音数の少ないシンプルなトラックに美しい歌声が引き立つ。

23.The Sea/Romy
個々の活躍も目覚ましいエックス・エックスのギタリスト、ロミーの1stアルバムからの非常にポップな王道ダンスチューン。

24.OK/Oyubi
ネットレーベル〈TREKKIE TRAX〉からリリースされたEP『^fuun^』の最後の曲。めちゃくちゃ立体感のあるベースミュージックで調べるまで日本人だとまったく気づかなかった!


25.Return to Jupiter/DMX Krew
怪しげなエレクトロのイメージが強いDMXクルーが、タイトルから何までデトロイトテクノ愛に満ち溢れたど直球EPをリリース。「I Love Juan」って!


26.Haffmilch Holiday/Decisive Pink
「CROSS THE BORDER」のストレンジポップがテーマの回の時に教えてもらってかなり気に入った2人ユニット。片割れが先述のKate NWだと知ってさらに驚いた。


27.家の外/Ogre You Asshole
近年のライブでも顕著に現れる電子音と人力のリズムを掛け合わせたミニマルなグルーヴをうまく落とし込んだオウガらしいEPの1曲。


28.Nurse!/Bar Italia
ロンドンの男女3人組。1年のうちに〈Matador Records〉から2枚もアルバムをリリースしてしまう超注目バンド。陰鬱なインディーロックが好きな人のハートを片っ端から狙い撃ち。

29.Accra Electronica/African Head Charge&King Ayisoba
UKダブの老舗レーベル〈ON-U SOUND〉のエイドリアン・シャーウッドとアフリカン・パーカッションのボンジョのプロジェクト、アフリカン・ヘッド・チャージの12年ぶりのアルバム。激シブ。

30.Breakdown(Nightmarns on  Wax Remix)/Jack Johnson
ジャック・ジョンソンのこれまでのヒット曲の数々をダブリミックスしたアルバムはうだるような暑い夏に聴くと本当に心地よく、その中でも特にナイトメアズ・オン・ワックスのミックスが秀逸だった。

31.Praying Dub/Hollie Cook
アレンジされる前の前年リリースの素晴らしいオリジナルを聴いたうえで、でもやはりわたしは軽やかに再構築されたダブバージョンに心惹かれた。

32.It Must Change/Anohni
アノーニの久々のアルバムのオープニングを飾る曲。強いメッセージを込めたソウルフルな歌声に震える。

33.Let Me Go/Daniel Caesar
フジロックでの来日ステージの、夕暮れ時の景色をバックにこの曲を歌ったダニエル・シーザーの姿が今でも脳裏に焼き付いている。

34.In Your Own Home/Cleo Sol
UKのソウルシンガー、クレオ・ソルの艶のあるあの歌声さえあればどんな曲も華やかなムードを纏う。水中ジャケに名盤多し。

35.I'm The President/Knower
ロサンゼルスの売れっ子ミュージシャン、ルイス・コールがシンガーのジェネヴィーヴ・アルターディと組んだユニット。アルバムのどこを取ってもポップで楽しくて、新しい。

36.Whirlpool Dub(Adrian Sherwood Reset in Dub Remix)/Panda Bear,Sonic Boom&Adrian Sherwood
前年にリリースされたパンダ・ベアとソニック・ブームの良盤をエイドリアン・シャーウッドが魔法をかけてダブワイズ!オリジナルをさらに夢見心地に進化させた。

37.Dirt/Claud
フィービー・ブリジャーズのレーベル〈Saddest Factory Records〉からリリースされたブルックリンのSSWのクロードの2ndアルバムもなかなか聴き応えがあった。クレイロやスネイル・メイル好きにオススメ。

38.Passed Over/Art Feynman
ルーク・テンプルの別名義、アート・ファインマンの新作は80年代のディスコ、ファンク、ポストパンクを現代風に解釈したような変な曲ばかりで楽しい。

39.Baby Doll/Juniper
たまたま聴いていいなと思って調べたらカバー曲らしく、しかもTFCのフランシスと一緒にチーキー・モンキーというユニットで活動していたマイケル・シェリーの娘さんだとか!他にもカバー多めのどれもポップな曲ばかり。

40.街灯/ケイチ&ココナッツ・グルーヴ
フリッパーズギターやその周辺のエッセンスを感じる楽曲が軽快に続くアルバムの後半で、アコースティックなこの曲が印象的に際立っていた。音楽の中で好きな時代を生きられる若者の眩しさにグッときた。

41.Suchlike Horses/Blake Mills
11月に観た来日公演は文句なしの年間ベストライブだった。ギターの「音」の可能性を追求する職人技をポップスの中にしっかり落とし込む天才の姿に打ちのめされる。

42.The Turning Ground/Tara Clerkin Trio
ブリストルの3人組のEPはどの曲も素晴らしかったけれど、トリップポップとインディーフォークを重ね合わせたようなこの曲が堪らない。レコードが全然手に入らない!

43.I Play My Bass loud/Gina Birch
ジーナ・バーチのソロアルバムのタイトル曲。後期レインコーツを彷彿とさせるベースラインも、まるでUKの新人バンドのようなノリの楽しいMVも最高。

44.Spirit 2.0/Sampha
サウスロンドンのSSW、サンファのアルバムは彼の歌声の力に加えてリズムが有機的で美しい。リリースされた瞬間、メディアやネットで絶賛されてたのも納得。

45.Electric Fish/Ana Frango Eletrico
2年前に初めて四谷ドクターヘッドに遊びに行った時にお店で流れていて好きになり、次のアルバムが出たら絶対レコードを買うぞと決めていたブラジルのSSW、アナ・フランゴ・エレトリコ。アルバムの1曲目を飾る強烈なポップチューンをはじめ、全曲まだまだヘビロテ中。

46.Si Te Portas Bonito/Sofia Kourtesis
2021年リリースのEP『Fresia Mangdalena』がかなり良かったペルー出身でベルリンを拠点に活動するDJ/プロデューサーのソフィア・クルテシスの1stアルバムの曲。ラテンのフレーヴァーを効かせた開放的なダンスミュージック。

47.Goodbye/The Chemical Brothers
先行曲がかなりよかっただけに期待しすぎてアルバムは若干肩透かしな感じでしたが、この曲は初期のケミカルと最近の音を掛け合わせたようなハイブリッドな音で非常によかった。

48.Borrow Trouble/Feist
敬愛するカナダのSSW、ファイストの6年ぶりのアルバム。モッキーやブレイク・ミルズの力を借り、彼女の声を引き立てるような綿密なサウンドの数々が連なる中で、いちばんの盛り上がりを見せる終盤のこの曲に鳥肌が立つ。

49.無常の世界/Cornelius
アルバムの最後を飾るこれまでにない叙情的なこの歌を2023年に何度も聴いて、助けられた。自らを顧みながら時代とともに変化を重ねていくコーネリアスの姿に胸を打たれる。

50.Receiver/Liss
2021年にボーカルのセーレンを亡くし、翌年2022年に悲願の1stアルバムをリリースしたデンマークのバンド、リス。彼らの新曲が発表されたことも、セーレンの美しい歌声を活かすアレンジにも感激した。





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