小説同人誌作ったので使ったソフトやら備忘録
二次創作同人誌を作った。小説同人誌である。しかも、珍しい新書サイズの小説同人誌である。2段構成だ。
小説同人誌作りたい、あるいは興味を持った人に。使ったソフトやフォント、委託先諸々をここに書き記しておこうという物です。
【はじめに】
〇小説同人誌に使ったソフトわけわからん。
けどノンブル凝ったのにできるよすごいね。
〇印刷所? 委託? こわい! いがいとこわくないよ。
こわいのは電話とメールだけだよ。
〇“本”はつくれる!印刷所ってすげー!
完成品すげー自慢しよ!
人間はじめの一歩、未知の物にその足を踏み入れ、動かす事にどれだけのエネルギーが費やされるか。
そして私はナメクジのようなメンタルであるため
「入稿と脱稿ってなによ!先に委託しちゃったわよ!」「なんで文章画面頑張りたいだけなのにプログラミングっぽい雰囲気になるのよ! こちとら英語は赤点取らないようにしか勉強してきてないわよ!」「電話かかってきたこわ! 漏れたわ」
みたいな感じであった。今もこわい。
どんな物を……って中身はこの記事では重要ではないです。作った、ということが重要であることをご留意ください。
なんでこんな前置きをするのか?
解説のために自作品を使用するからですね。
【中身作成】
今まで書いてきたやつに加筆や修正をけっこう施しました。覚えてるの覚えてないのまちまちで沢山です。すごいね14万字越え。
挿絵や表紙やらも必要になる場合は作りましょう。
【今回使用したもの一覧表】
『ソフト』
〇iPhoneのメモ帳(執筆に。別にこれじゃなくてもいいです理由は後述)
〇TATEediter(文章出力、途中まではこれ)
〇威沙(文章画面レイアウトはこれ。最終的に。)
〇メディバンペイント(表紙挿絵系諸々)
『フォント』
〇メディバンペイントに入ってるやつ(あなどれない)
〇F910新コミック体
〇しねきゃぷしょん
〇瀞ノグリッチ黒体
〇廻想体 ネクストユーピー(B)
〇チョーク体
〇源暎(げんえい)こぶり明朝
『お世話になったとこ』
〇印刷所:ねこのしっぽ 様
〇委託先:メロンブックス/フロマージュ 様
〇作品やサンプル投げ所:pixiv 様
どれもこれも滅茶苦茶お世話になりました。
いろんな人の力で成り立ってます。本当にありがとうございます……。
Q.なんでiPhoneのメモ帳なの?
A.動作軽いし単純なので使いやすい(PCブラウザ版は動作重い)
思いついたら開けばぱっと書ける。
紙とペンがあればできるのと一緒です。
何がいいってiPhoneで書いたのとデータ同期してるという事。
つまり、文章出力するソフトにそのままコピペもできます。
どこかへ投稿とかしていなくても直接本にできます、書いたものが。
刷りたいやつのデータが引っ張ってこれるという事が一番重要なので、そこらへん融通利くものならなんでも大丈夫です。
Q.キャンバスサイズ、紙面サイズはどうなってんの?
A.印刷所(この記事はねこのしっぽ様)さんがとっても便利なテンプレートの配布してくれていたり、大きさを数値にして記述してくれているので作りたい本の仕様に合わせて調整してください。
『文章』
はい、まずこちら完成品です。
こちらは威沙(いずな)というソフトさんを使ってPDF出力し、印刷所さんに頼んで完成したお品になります。
〇ノンブルが凝ったものにできる
〇ノンブルの位置の調整が利く
ので印刷時にぶったぎられないかも(TATEediterで実際に印刷頼んだ事ないのでわからないです。)
という理由でTATEediterから本文を移しこちらで作業・出力しました。
Q.じゃ最初から威沙でよくないですか?
A.威沙はPDF出力しないと文章の具合が確認できないです。
プレビュー機能が無いので、いちいち出力をしなければいけなくて時間がちょいちょい食われるのが気になる事から、設定整えたらひとまずその状態で表示されつつ文章が書けるTATEediterが最初はいいなと私は判断しました。
Q.ところでなんで新書サイズなの? 文章二段構えなの?
A.新書サイズは原作リスペクトまねっこがしたかったから。
そして文字数もやべーやべーので、文庫サイズ1ページ1段で確認したらとんでもねえ厚さになった→ページ数が増えるって事情なんです。ほんと申し訳ない。
TATEediterで私が使用していたらしい設定はこちらです。
威沙。
〇各印刷所さん(この記事は『ねこのしっぽ』様基準)で規格されている紙面サイズにします。
〇ptとかいう見慣れない単位ですが、単位変換ツールが威沙に同封されているのでぜひぜひ利用しましょう(一敗)
〇このフォントサイズは最近のラノベの標準的な大きさらしいです。
〇すみっこにある「染め」とかいう項目は私よくわかんない。触らなくていい
のど側にもうちょい余裕持たせれば読みやすさが上がったなあと完成品見てすこし思いました。気にする人はするかも……? なので、こちらの値は参考までに。
調整が終わったら、威沙の方でPDFを出力してルビの確認や本文の空白や行送りを確認していきます。ソフトを変えた後はかみ合わなくなったりする……こともあるので。
しっかり目を通さないと大変なことになります(いっ敗)
で、TATEediterには無かった機能で、#(指定された文字)#(以下タグ呼び)これを使えばページ送りしてくれたりします。
Enterいっぱい押して次のページへとかしなくて済みます。
このTEXTを威沙の中にあるTEXT→TNF機能で変換して、さらに作成されたTNFを威沙に放り込んでPDF出力すると。
正直威沙は詳しくやりだすとこの一記事のほぼすべてが威沙解説になってしまうのでこれ以上は割愛します。もうノンブルどうやったのかすらもう覚えてない。一日中格闘した記憶と結果しか残ってないです。頼まれたら記事書くかもしれないですけどほんともう、ごめんね。
『挿絵や表紙諸々』
深刻な内容は白黒反転させたりとか。
TATEediterではできないし、威沙でも私はできんかった。実はできたりするんですかね? さっき見本にだした「You smile like sunflower friendly」のやつも普通にやっちゃできないので、お絵かきソフトの出番です。
メディバンペイントです。
Q.なんで有名どころのクリップスタジオじゃないの?
A.別に私は絵を描くことを主軸にしてないので要らなかったんです……
大層なソフト使わんでも時間と工夫、腕でどうにかなります。
でも、ちゃんとした人がちゃんとした道具つかうのはそれなりの理由があるはずなので色々触ってみるのがいちばんです。
白黒文章のやり方は、私はテンプレダウンロードしたのにPDF出力したやつをスクリーンショット&ペースト、キャンバスに文章画面大きさ合わせ……るだけでは文字潰れて読めなくなるので、それの位置を基に文字を打ち込んで、保存して挿絵挿入を印刷所さんに頼みました。
表紙カバー下も自分で作らなきゃいけないです。
シンプルにやるなら四角でかこってなんかいい具合に文字置いたらそれっぽくなります。
手近な本を見本にするのが一番です。私もそうしました。
Q.どのあたり苦労した?
A.ルビを振れないところ
クリスタにはあるらしいですがメディバンには無いです。力技しました。
めっちゃ時間かかるので気を付けてください。楽しくてクセになってしまいますが。
【外部おせわになったとこ】
『pixiv』
Q.なんでpixiv
A.今も昔もある大手なのでどんなもんかという調べもしやすい。
見本たくさんある。宝の山。
とりあえずサンプル作ったらここにあげるとか、Twitterに投稿するなりして宣伝というか、投稿できるとこにはしましょう。元から投稿してあってそこに誘導すると読んでくれる人が増えて創作者冥利につきる感じになります。
あと(もう逃げられねえ…………)って愉快になります。
感想までついちゃったらもう最高ですね。そういうのを送ってくれる人は大変貴重な方なので大切になさってください。
『印刷所』
『ねこのしっぽ』様に今回お願いしました。
「印刷メニュー&料金表」から今回は「文庫と新書(フルセット)」を選びました。
先ほどから何回か触れているキャンバスの規格がどうのこうのはHPにある「各種テンプレート」ってとこを確認してください。
ちなみにこのパック、製作過程都合上搬入先が1つのみ! 1つのみです!!
自分の手元でにやにやするだけなら問題無いですが、これを委託する際は委託先に基本全部送り付けるしかないです。
余部(印刷所さんの製作の過程でなんかできちゃった余り。詳しい意味理由は印刷所さんのHPを確認しよう)もです。手元に置く分欲しかったんだけど……って人は多分、委託先さんに連絡すれば送ってくれるかも。わかりません。
私は自分の分と人に渡す分買いました。これはこれで、売り上げ0表記から逃げられるのでオススメかもしれない。
『委託先』
Q.なんでメロンブックス/フロマージュ?
A.ずっと買ってる大好きなサークルさんがそこで専売してるから。
なのでとらさんとかは知らないですごめんなさい。
好きなところに頼めばいいと思います。あと自家通販って手段もありますね。委託先にお金とられないで純粋に本代金+送料とかくらいになるのかな? 委託期間終わったら考えてみたい。そっちの方がいいのかなあ。
委託利点(個人の感想です)
〇どんだけ売れたかとか管理しやすい。
明細書みたいなのあっちでやってくれる。楽。
〇いろんな人に見て買って貰える確率が上がる、かも。
〇なんかHPに載ってるのを見てテンションが上がるけどはずかしいきもちも抱ける。たのしい。
ただ、委託先は色々やってくれるようで、こちらから聞いてみないとって事多いと思うので、なんでもお問い合わせとかで聞いてみればいいと思います(仕事増やすんじゃねえって怒られそうな事書いてる)
ちなみに選んだ新書サイズパックの特典のしおり。
『ネタバレ風味あるんで本の最後に挟んでほしいんですが……』(超絶雑な要約)
と頼んだら
『メロンの仕様上無理です』(非常に要約)
って言われました。まあしょうがないね。そういう融通利かせたい場合も印刷所さんに自宅に届けてもらって自家通販が一番かもしれないです。
あとホームページでのスタッフのオススメ文掲載みたいなやつはおそらく、こちらからお願いしないと書いて貰えないと思います。知らないですけど。
でもあれどこまで効果あるんですかね? データとか無いんでしょうか店頭手書きPOPと同じくらい気になります。
【おわりに】
本ってこんな簡単……簡単か…………?
でも、個人でも作れる時代なんですね、頑張れば。
ネット各所にある「いっぱい刷ったけど売れなかったぜ!」っていう話は……ほんと委託ってのは〝お金を払ってもらって自分の作品を読んでもらう〟なんだなあと。
自分の軌跡を形にしたいから作ったんやで! で済むならいいですが、委託するならまあ、自分のいるジャンルの規模、自分の作品はどれくらい需要があるのか? というのを考えて刷りましょう。
つらいけどフォロワー数いいね数=売れる数ではない。
そこらへんは私よりもっとプロの方がお話してる事多い……と思うので探してみてください。
湿っぽい終わり方で終わってしまった。
でも手元に届いたとき、きっと、苦労が報われるくらいのうれしさも訪れると思うので、苦しく楽しく締め切りを守って作ってほしいです。
大丈夫ですって。ここまで読んでくれた貴方ならきっと、紙の本ってものになにかを求めている人だろうから。
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