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「お楽しみはこれなのかよ!」芸人の名セリフ

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芸人のパフォーマンス(漫才、コント、ピン芸などなど)における名台詞を取り上げる。
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#言葉

ラーメンズ「アトム」(2003)

“芸術知能犯”との異名を持つコントユニット・ラーメンズが2003年に発表したコント『アトム』は、未来が輝かしいものになっていると信じていた男(片桐仁)がコールドスリープから目覚め、三十年後の世界(=現代)に生きている息子(小林賢太郎)の頬に触れるシーンから始まる。そう、男には息子がいる。男が眠っている間、その姿をじっと見守り続けてきた息子である。

男は彼から情報を得ようとする。かつて、自分が想像

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イッセー尾形「医者の新築」(1982)

「餅は餅屋」の言葉の通り、専門的なことは専門家に任せるべきである。中途半端に身に付けた生兵法は大怪我の基になりかねない。とはいえ、この広い世間においては、頼りにならない専門家というのも少なくない。事実、近年においては、胡散臭い医療法を喧伝する医者や、何処で得たのかも分からぬ怪しげな情報を広めるジャーナリストなどの横行が、随分と話題になった。こういった類いの人間ははっきり詐欺師と断ずるべきなのだろう

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シティボーイズ「灰色の男」(1993)

「サカキバラさんはね、まだ灰色なんですよ」

シティボーイズによる1993年の公演「愚者の代弁者、西へ」で演じられたコント『灰色の男』における、ツジ(きたろう)の台詞である。幼女誘拐殺人の容疑者として逮捕されたサカキバラ(斉木しげる)に団地から出て行ってもらうため、住民の代表として彼の家を訪れたニシオカ(大竹まこと)とツジ。しかし、サカキバラは買い物に出かけていて不在だったため、二人は彼の奥さんに

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