filmlet

2階から声がした
たくさんの笑い声が聞こえる
僕もその中に入りたくて
入りたくて 入りたくて

恋をしていた
長い間恋をしていたので
恋をしたことも忘れていた

恋をしていたのかもしれない

走馬灯のように記憶は
果てしない
果てしない
星と星とを結んだ
デタラメな星座ができあがったあたりで
また声がした

今度は僕を呼んでいるような気がしたので
牛乳を飲み干し
よし
と重い腰を上げ
さよならした

来年の花火を見ながら

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