目と鼻
もうすぐです。
あと少しです。
もうすぐです。
あと少しです。
すみません。なかなか終わりません。
なにぶん、初めてなもので。
もう少し、
もう少しだけ待ってください。
群像に群像を重ねるようなことだけはやめてください。
もう終わりますから。
どれくらいって?
そんなこと、わかるわけないでしょう。
だって、あるのはボンヤリとしたイメージだけ、
そのイメージですら、あるかないかはボンヤリとしたままなのだから。
すみません。取り乱しました。
結局、出てくるのは自分です。
少し前の自分です。
タバコの煙のように、世間に疎まれては消える、自分です。
あまり悲観的に思わないでください。
これも私の習作のひとつです。
自尊心に塗り立てられた、垢です。
もう少しです。
ほら、少しできてきました。
はじめは、水平線のように、なだらかにするつもりが、
今、眼前に見えるのは、とても大きな「目」。
…
少なく見積もって50分余り。
「これは何ですか?」とあなたは怒りますか?
私に向けられた銃口は、やがてあなたに向かって放たれるかもしれません。
あなたの「鼻」へと。
もうすぐです。
あと少しです。
もうすぐです。
あと、少しです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?