文明開化

『NHKテレビ・ラジオ学校放送 小学校6年 平成12年度 2学期』
(「歴史たんけん」番組利用のポイント)2000年8月1日,日本放出版送協会
宮城県仙台市立南小泉小学校 教諭 菅原 弘一


 洋服,洋食,髪型など,明治の文明開化以来日本人の生活に定着したものはたくさんある。「明治はじめて物語」といったタイトルで,明治になってはじまったもの,それにまつわるエピソードを集めさせ,子供たちの関心を高めたい。発表させる時には劇化などの表現の工夫をさせてもおもしろいところである。 

 番組では,鉄道のはじまりを主に取り上げる。遠く海外に旅立って技術を習得した人々の姿やお雇い外国人の働きを視聴することで,西洋の進んだ文物を取り入れながら近代化を進めたことを理解することができる。
 しかし,新しいものを急激に取り入れるにあたっては,大きなとまどいを感じた人も多い。鉄道に関しても各地に様々なエピソードが伝わっている。鉄道敷設の賛成派,反対派がどのような考えをもっていたのかを知らせると,当時の状況の一端をうかがい知ることができるだろう。
 様々な対立もあったが,明治政府は,新橋・横浜間を皮切りに全国に鉄道網を広げていく。鉄道以外でも学校の設立などを文明開化の象徴として取り上げることができるだろう。

 新しいものをどんどん取り入れたということを知るだけではなく,文明開化とは,どのようなことだったのかを十分に考えさせたい。西洋に負けない国づくりを急いだ当時の雰囲気を感じ取らせ,富国強兵という観点での学習へつなげていきたい。

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