普通選挙運動

『NHKテレビ・ラジオ学校放送 小学校6年 平成12年度 2学期』
(「歴史たんけん」番組利用のポイント)2000年8月1日,日本放出版送協会
宮城県仙台市立南小泉小学校 教諭 菅原 弘一


 学習のきっかけとして米騒動を取り上げたい。富山の女房一揆に端を発した米騒動は,全国的な広がりを見せた。騒動の様子を伝える当時の新聞を手に入れることもできるので,資料として提示し,歴史のできごとの現実感を高めたい。
 また,主食である米の価格高騰が人々の生活にどのような影響を与えたのかを具体的に示し,時代背景を身近なところからつかませたい。
 番組では,貧しい農村から出てきた少年が暮らしをよくしたい一心で普通選挙運動に加わろうとする姿が描かれる。しかし,そんな少年も,女性の選挙権には無頓着だったりする。また,金持ちには金持ちの論理があり「税金を納めない者に政治への発言権はない」と言い切る。それぞれの立場に自分を置き換えて考えさせ,話し合いを進める中で,当時の社会状況や人々の思いが明確になってくる。
 学習のまとめとして,大正時代の人々に手紙を書かせたい。米騒動に参加した人,普通選挙運動に参加した人,婦人の参政権獲得のために努力した人。自分が共感できる人に宛て,現在の社会状況やこれから大人になり,やがて政治に参加する自分の気持ちを伝えられるように助言して書かせたい。
 普通選挙運動とその結末について学習を深めることは,その後の昭和の時代の学習や政治の学習にも効果的に関連してくるものと考える。

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