天下統一と日本の城

『NHKテレビ・ラジオ学校放送 小学校6年 平成10年度1期』
(「歴史たんけん」番組利用ガイド)1998年4月1日 -44,日本放送出版協会
宮城県仙台市立南小泉小学校 教諭 菅原 弘一


全国各地に数多く残されている城跡。市や町のシンボルとなっているものも少なくない。そのお城をたんけんしてみるとどんなことが見えてくるのか。それを教えてくれるのが「日本の城」である。

平成8年度にこの番組を利用したときの児童の感想を紹介する。
姫路城には敵の侵入を防ぐためのいろいろな工夫がしてあってすごい。
権力を見せつけるために「天守閣」をつくった信長はアイディアマンだ。
お城も古墳も大仏も同じ。農民は石垣づくりで苦労している。
 お城の構造的な特色に強く興味をかき立てられながらも,権力の象徴としての城,それをつくるために働いた農民たちの姿にも気づいていることがわかる。

 番組の終わりに,仙人が「近くの城の歴史を調べてみてはどうかな」と呼びかける。そこで私は,次のように投げかけ,姫路城と同時期につくられた仙台城について調べさせる。

---伊達政宗はどんな考えをもって城づくりや城下町づくりを行ったのだろう。 

 番組視聴で城に対する興味が高まっている子供たちは,仙台築城に至るまでの政宗の動き,城や城下町の規模,構造,あえて天守閣をつくらなかったわけなどを意欲的に調べていく。戦国時代が終わりを告げ,天下が統一されていった時代の様子を「城」を通して地域に密着した形で学んでいくことができるのである。

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