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「FLIGHT RECORDER」&ムーンライダーズ、そして「ミュージック・ステディ」研究その5、もしくは「1984年の夏休み」。

 1984年7月はライヴが多かったムーンライダーズ周辺。
まずは14日に渋谷公会堂で『アマチュア・アカデミー』コンサート。この日の模様は「ビックリハウス 1984年9月号」に掲載されました。廃墟の中のステージ・セットに驚愕した記憶があります。

・「ビックリハウス 1984年9月号」(パルコ出版)鈴木慶一さんインタビュー掲載。写真は7月14日渋谷公会堂でのライヴが中心、一部はリハーサル時のものと思われます。


18~23日までは鈴木さえ子さん『科学と神秘』東名阪ツアーに鈴木慶一さんが参加しています(このツアー・スケジュールは「FLIGHT RECORDER」を参考にさせていただきました)。

 『アマチュア・アカデミー』は当初は7月21日発売予定でした(私が予約したお店で発売前日に入荷しなかった理由として、真偽はともかくの話ですが、それで発売日変更に対応できなかったと言われました)。
 
 確か31日には坂本龍一さんがパーソナリティーだったNHK FM「サウンド・ストリート」に慶一さんと白井良明さんが出演し、「Y・B・J」、「G.o.a.p.」、「M.I.J.」、「NO・OH」が放送されました(前2曲は記憶がちょっとあやふやです、すみません)。
放送されたのは岡田徹さんの曲が多かったので、坂本さんが「フィーチャーリング岡田くんだね」と言ったはずです。後にNHKでは放送できなくなったと伝えられる「NO・OH」がこの時点では放送できたのでした(歌詞カードを提出していなかったからか?)。
アップテンポの曲が多かったのもあってか聴きながらテンションが上がった記憶があります。
 『アマチュア・アカデミー』発売後にはNHK FM「ニュー・サウンズ・スペシャル」にも出演し、パーソナリティーの高橋基子さん(元モコ・ビーバー・オリーブのモコさん)とのやりとりが笑いを誘いました(博文さんの「一番風呂に入りたい」など)。

 ・「ミュージック・ステディ 1984年9月号」(ステディ出版)ムーンライダーズのMUSICIAN FILE・徹底研究(鈴木慶一さんロング・インタビュー)掲載。

その前後には「ミュージック・ステディ 1984年9月号」(ステディ出版)にミュージシャン・ファイル/徹底研究が掲載。
内容は慶一さんロング・インタビュー。『青空百景』以降『アマチュア・アカデミー』までの内容。基本的には「FLIGHT RECORDER」(JICC出版)の慶一さんムーンライダーズ第三期~第四期の途中までのパートに再録されてます。但し、雑誌掲載時にはパリでのムーンライダーズ全員とピエール・バルーのコンサートの模様の写真がありました。
他の写真はオリジナルの記事で紹介されたものを再録したものですね。

 8月21日には『アマチュア・アカデミー』が発売されました。
ちなみに前のアルバム『青空百景』ではメンバー全員が登場した「バラエティ 1984年10月号」(角川書店)の連載「K1の“胸キュン”シリーズ」には岡田さんのみの登場で、通常の2ページだけの掲載でした(9月号にはさえ子さんが登場)。
 アルバムのチャート・アクションは最高位がなんと19位(オリコン・ウィークリー)!
『青空百景』は最高位74位で翌週には消えてしまったはずなので、これはムーンライダーズ売れてしまったのか?と思ってしまった私でした。

 9月1日には渋谷公会堂で追加公演。廃墟の中のステージ・セットでケガをした人もいたらしいです。

 今、「Y・B・J」のデモ・ヴァージョンを聴いたことを思い出したのですが、あれは1988年の明治大学での博文さんのトーク・ライヴだったか?最初は One Round Jack おまえは隣の One Round Jackという歌詞で、次にはかしぶちさんのドラムスティックの音が入って、一気にリズムがよくなったというのを聴いたのでした。覚えている方は是非コメント残してください。完全に思い出せなくて、ちょっとモヤモヤしてます。

 9月21日には『アマチュア・アカデミー』のCD(RACD15)が発売されていて、帯は所謂巻き帯でした。この当時はLPとCDの発売日が違うことはよくあることなのです。

 9月25日には水族館レーベル第三弾オムニバスの『陽気な若き博物館員たち』(徳間ジャパン)が発売されました。
前回とは違い複数のプロデューサーが存在しています。
慶一さんがプロデュースしたのはCHILDREN。メンバーの根岸道郎さんは『緑の法則』ツアー時の東京マザーズに参加しています。
そして、PARIS。メンバーのラファエル・セバーグは後にUNITED FUTURE ORGANIZATIONに参加しました。
 鈴木博文さんがプロデュースしたのは元ハルメンズ~ヤプーズの比賀江隆男さん。比賀江さんは本来ギタリストですが、このアルバムにはシンセサイザーの演奏で参加しています。
もう一人はカーネーションの直枝政太郎さんがソロで参加しました(現在は本名の直枝政広で活動中)。その後、カーネーションはレコード・デビューし、直枝さんは博文さんとの政風会でも活動したりと、非常に長い付き合いとなっています。
 矢口博康さんがプロデュースしたのは近藤達郎さん。アルバム参加当時、ウニタ・ミニマを結成し、もう一人のメンバー、れいちさんも録音に参加しています。
 はちみつぱいの和田博巳さんがプロデュースしたのは自らが参加するクォーテーションズ。キーボードの井上大介さんは小西康陽さんとヤング・オデオンを結成し、数枚のオムニバスに参加しました。

 『陽気な若き博物館員たち』と同日、9月25日にはカセット・ブック、矢口博康さん『魅惑の観光地楽団』(冬樹社)が発売されました。
カセット・ブックは当時注目のメディアで、坂本龍一さん『Avec Piano』(思索社~「戦場のメリークリスマス」の曲をピアノ演奏した作品)やEP-4『制服・肉体・複製』(ペヨトル工房)などが注目されていました。
予算面などで製作しやすかったり、入手もレコードより簡単だったというのがあったのでしょうね。
リアル・フィッシュが参加したカセット・マガジン『TRA』や後の『東京1ダース』(B-SELLERS~慶一さんが寄稿)はフットワークの軽さに注目して発売されたと判断しています。
遠藤みちろうさん『ベトナム伝説』やP-MODEL『SCUBA』など、1980年代後半まで、かなり有効なメディアでした。

 観光地楽団に話を戻しますと、観光地をコンセプト(後に細野晴臣さんが『観光』を取り上げたのを考えると、非常に興味深い)に、リアル・フィッシュとは別のメンバーで作品を発表したというところですね。
メンバーはドラムスに鈴木さえ子さん、ベースにポータブル・ロック、ヤプーズの中原信雄さん、キーボードに当時メトロファルス、Chuya&Delaxの小滝満さん、ヴァイオリンにリアル・フィッシュ、Mio Fouの美尾洋乃さん。録音に参加したのはギターに白井良明さん、ヴォイスに泉谷しげるさんという顔ぶれでした(ムーンライダーズが共演した発売記念ライヴではポータブル・ロックの鈴木智文さんがギターを担当)。
CD化された際には省略されたブックレットがとにかく最高で、泉谷しげるさんのバンドで矢口さんと一緒だった吉田建さんのエピソードには爆笑したり、メンバー座談会などもかなり興味深く読みましたね。
ブックレット及びカセットを引っ越しの際、紛失してしまいました。すみません。

・『東京1ダース』(B-SELLERS)慶一さんが寄稿したブックレット。
観光地楽団(BRIDGE)。

 この前後に発売された「ミュージック・ステディ 1984年10月号」(ステディ出版)にはムーンライダーズのMUSICIAN FILE・徹底研究が掲載されました。『アマチュア・アカデミー』の自曲解説やこの時期、発売されたカセット・ブック『マニア・マニエラ』のブックケースの写真やアルバム未収録の「GYM」の自曲解説もあります。

・「ミュージック・ステディ 1984年10月号」(ステディ出版)。ムーンライダーズMUSICIAN FILE・徹底研究&『陽気な若き博物館員たち』(徳間ジャパン)参加アーティスト・インタビュー、慶一さんと博文さんのコメントも。

・「ミュージック・ステディ 1984年9月号&10月号」(ステディ出版)表紙は桑田佳祐さんとサザンオールスターズと2ヶ月続けてサザンオールスターズ関係でした。ちなみにこの時期、サザンのサポートをしていたのはサックスの矢口博康さん。


 えーと、カセット・ブックの『マニア・マニエラ』について、一気に書いて終わりとすることも考えました。
でも、ムーンライダーズ周辺の作品で重要な作品がまだいくつか残っているので、明日にその辺に触れて、今度こそ終わりとする予定です。すみません。

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 ではまたー。

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