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きいろちゃんの短歌まとめ 03

君の住む街に今すぐ行けますか?ドロシーみたいな銀の靴買った

551の匂い微かにバスが揺れ豚まんたちはテロリストになる

人混みに 立つと自分が 消えたよう もしやほんとに? 「リュック開いてますよ」違った

裏路地の純喫茶を聖地とす君と巡った街に越します

そういえば別れ話の時買った芋けんぴそのまま喉に刺せばよかった

名だけ知るネモフィラという花を見に歌人の君をデートに誘う

死したのち起きあがらぬため君の四肢バラバラにして抱きしめている

限りある命なんだよ軽率に君の白髪の命をいただく

風邪の日に貴方が摺った林檎こそ完全食と思うコンビニ

「やめさせていただきますわくだらない『母』『妻』役のロールプレイは」

「完全な真空/レム」を読んでいるあなたの声を聞いてみたくて

別れましょその感性はありえないピューロランドにミッキー柄シャツ

監獄のような田舎を抜け出せど都会のビルに囚われている

ロリィタの「ィ」ちいさなイに込められた気高さめんどうくささを嫌いになれない

吾子のためユニクロにやつす君なれど我もゴスロリ、君もゴスロリ

しゅわしゅわす曹達ソーダで満ちたビンのなかHARIBOのくま穏やかにねむる

余命とか宣告されたらあの名高い 「ちょっとしたパーティー」開くから来てね

高貴なるゴスロリなりしわたくしは赤提灯でホッピーをいただく

差し出されしフリーズドライはシンプルで原材料は「カブトムシ、塩」

見渡せば滅亡しつつある人類ぼくたちは純潔のまま死にたい

完璧な夜であるのに もう2度と会えない人ばかり思い出す、夏

本日をタイムループすSFが嫌いな君とこもる図書室

もう味も分からないから5杯目はあの人の名前の日本酒にします

クラスには佐藤が6人いましたから、苗字で呼ばれてキュンとしたのです

僕たちは僕たちだけの形を作る例えば恋人(仮)カッコカリみたいな

積みあがる本に埋まり君、眠る。方舟よこのままあの月へ進め。

9時半に目覚めた今日は遅刻かな? 遅刻じゃないよ、リモート勤務

「く、から、く、かり、し、き、かる、けれ…かれ!」 べしの活用唱う可き君

強過ぎる 快楽といふ ドラッグで 蕩け出る自我 私は消え、ゆ

忍ぶれど SNSに出りけり 我が恋は 病み、闇、アピール ホントに恋なの?

「弱音とか我が儘とかを言ってくれ」 それが私の 我が儘なのです

こぼれ落つ 単位を追って 再履バス 一回生も 擦れだして、夏


面白い本の購入費用になります。