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包む文化

モノを包む文化。
日本は世界的に見てもモノを包む、という習慣は、そのおくゆきでは先進国なのかもしれない。

手土産、というのが日本には根付いていて、何かにつけちょっとしたギフトをする。わかりやすいのは、接待の手土産。秘書の必須科目みたいなものですね。最近ではコロナ禍でなくなってきているのかもしれないけれどそういうタイトルの雑誌が年何回は特集されていた。風呂敷は包む文化。お土産文化は世界的にあるなぁ。お悔やみのギフト、というのは海外にはないらしい。茶道では、茶筒にいくつものおつつみ袋(茶道の先生は「おべべ」と呼んでいた)がある。お年玉の袋にも季節になると実にさまざまな袋が登場する。

海外でラッピングしてもらうと、包装が多い。たぶん、角がピシっとした折り方はあまりないように思う。包装紙の色合いは美しくて、イタリアなんかだと手すきの紙そのものが美しい。そういえば紙も集めでしっかりめ。包むでなく飾るかもしれない。壁紙にしているかもしれない。

思いがけずのラッピングスクール。
気合いを入れたわけでもなんでもない。なので最初にいただいた講座の先生からのメールに、
「商材があればおもちいただいていいです」とあって「あれ?」と思ったのだ。
週末の朝、初めての駅に降り立ち住宅地の中をくねくねと、Googleマップに従い歩いていくと、窓からの採光が良さげなアトリエに到着。
コロナ禍以前には、コロコロとスーツケースを抱えて地方よりやってくる人も、日本の包みの文化を学びに来る外国人もいたという。

好きなリボンを選び、ラッピング紙を選ぶ。
選ぶというたのしみ。
リボンの基本の結び方を習う。小さい頃より結んできた癖。なんとこうだったのですね。
包装紙を切る。その前にカッターをどう使うのか。紙はどう折るのか。ひとつひとつの所作について、これまでのやり方とかれからのやり方を教えてもらう。

あぁ、これは、本ではわからないし、動画でもきびしいです。ある程度はわかるかもしれないけれど、お菓子づくりと同じ。
生地の具合のつやつや度合い、どのくらいなのかのちょっとした塩梅、道具の持ち方、手の置き方、本ではそこまで書かれていない。

帰り道、100均に寄り道してカッターを買いました。切る、結ぶ、折る。いくつもの工程がある。自宅で復習をしてみました。もう半分くらい朧げで、グスグスの折りになっている。

とはいえ、それよりも、
とても豊かな時でした。
集中して無心になれる時間でした。
ありがとうな気持ちとともに。
わたしたち日本人がDNAとしてもっているであろう包む文化に再会できたことに、ふつふつとうれしくなった。

#つつむ #ラッピング #時間


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