見出し画像

デザインのことー2 モノの表面


noteで広報担当として、対談で出会った想い(=熱量)に溢れるヒトを私目線ででつづる、第5回はFEEL GOOD CREATION(FGC)の玉井美由紀社長です。玉井さんとも取材のこの日が初対面でした。この日、初の女性社長さんに登壇いただくといううれしさと緊張感がごちゃ混ぜになった状態でした。

「モノの表面を構成するColor(色)、Material(素材)、Finish(加工)の3要素の頭文字を取ったもので、この3つが合わさってこそ顧客の心に付加価値として届けられるという考え方。CMFという言葉を日本で商標登録もしています」。CMFという考え方を日本に初めて取り入れ、2007年にFGCを起業されました。

デザイナーだけでなく、ものづくりだけでもなく、何か違う大きなエネルギーを結集する場として、「CMF TOKYO SENSE」という展示会を2011年から開催されています。
「SENSEでは、加工メーカーの精密な部品を見て、最終製品のデザイナーが驚くことが多いんですね。「こんなに喜んでもらえるんだ」と自分たちの技術が持つ価値を体感してもらうことが大事ですね。CMFを意識してモノを作れば、すごく付加価値が上がり、高い値段で売れる可能性も出てくるはずです。日本がこれだけ生産性が低いと指摘されている中で、すべての産業に取り入れてもらいたいです」、と仰っていました。

「参加していただく企業に、技術の内容を聞いたり、工場を見学したり、サンプルを見せていただき、そのうえで、私たちの視点から見た価値や魅力をお互いに共有し、CMFの要素を取り入れた展示用のサンプルを新たに作っていただくという仕組みです。いわば価値起点に基づくサンプル発表の場ですね。もともと企業が持っている価値を引き出して、見せ方を変えるだけなんですが、全く違うモノができあがります」、このお話を聞いて、参加企業の方々はなんてしあわせなのだろう、とまず思いました。

CMFの価値を理解してもらうことには、とても時間がかかったといいます。説明するときに、事例をよく求めれた、と。CMFでは、ひとつづつ生み出されるものが異なるから、事例をだすことで、その技術の生み出す価値が限定されてしまう、ということかと思うんです。

えてして、自分もそうですが、事例を追い求めがちです。でも、それ以上に広がらないし深まらない。
だから、(こうしたい)のイメージがあるといい。過去の事例そのままで覚えることをしないで、事例をなるべく分解して、どんな要素から成り立っているか、抽象度をできるだけ高くしてたくさん用意しておくといい。その組み合わせから新しいものが生まれるんじゃないかー、これは、対談の聞き手の弊社の代表(当時)がいっていました。

この対談の半年後にSENSEに足を運びました。会場で見て感じたワクワク感、感性を揺り動かされた心地よさは今も思い返すことができます。
技術の魅力をCMFというデザインの力を使ってわかりやすく「伝える」。この取り組みは、いまの日本のものづくりを大きく世界に飛躍させるもので、いまこの状況でより大切、と信じてやみません。

プロが書かれた記事はこちら💁‍♀️











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?