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タイトルまだ決まってないけど、途中経過です


※まだ未完成です。直すところいっぱいあります。
でもちょっと見て欲しいです。こんなん書いてます

【登場人物】

◇ケの国

(シュラ=アスラ)…主人公。ケの国の女副将軍。武人として尊敬していたヲサを殺され、国を滅ぼされたシュラは、アスラとして生きる。全てを失ったアスラに一目惚れしたのが、奇しくもケの国を滅ぼしたヤマの国の将軍、ヌシであった。
(ヲサ)…シュラの上司。ケの国の将軍で長い戦を終わらせる為、仲間を逃すために射殺される。シュラを娘のように可愛がっていた。
(バク)…ヲサの息子。戦から逃れ、反乱軍を秘密裏に指揮している。父の仇討ちと国の再興の為、シュラの力が必要だと考える。
(シン)…ヲサの部下であり昔からの友人。偵察隊を動かし、ヤマの国の内情を探る。シュラとヲサの事を知っているが為に、敵に寝返ったシュラを憎んでいる
(偵察1)…シンの部下。頭脳派
(偵察2)…シンの部下。肉体派

◆ヤマの国

(ヌシ)…ヤマの国をまとめる将軍。幼い頃から戦いに身を投じ、許嫁であったミコトにはケの国との戦で暗殺されてしまう。部下や兵士達を家族と呼ぶ。近しい境遇のアスラと(シュラと知っていながら)心を惹かれ合う。
(カイナ)…ヌシの腹心。身の回りの世話役も務める。一目見てアスラをシュラだと分かり、同情心と嫉妬に似た感情からアスラを擁護する名目で監視している。
(アギ)…ヌシの腹心。ヌシの懐刀である。ヌシには見せないが、アスラを裏で終始疑っている。忠誠心が人一倍強い。
(カガチ姉)…傭兵カガチ姉弟の姉。日和見主義で、ケの国を捨ててヤマの国で手柄を立てようと企む。
(カガチ弟)…傭兵カガチ姉弟の弟。飄々とした性格で、変装が得意。貝殻集めが趣味

【本文】


激しい戦闘の中でヲサが敵兵に囲まれている。


兵士達が銃口を構える

ヲサ「お前は、生きろ!」

銃声が戦場に響き渡る

シュラ「ヲサ!」

兵士達を掻き分けてヲサの元へ向かおうとするが部下達に拒まれる

シュラ「どけ!」
兵士「ヲサの命令です!退いてください!」
シュラ「何をする!」
兵士「退くんです!」

銃声が遠くで響く
数多の屍が砂利のように転がっている

敵兵1「やったか?」
敵兵2「いや、まだ残党がいるはずだ」
敵兵3「これでこのクニも終わったな」
敵兵1「終わった、終わった」

肉の斬れる音

敵兵3「ヲサの首を取ったぞ!」

ヲサの首を見てしまうシュラ

歓声と怒号が飛び交い、激しく呼応する

兵士「さぁ、早くこちらへ…」

F.E

___________________

(徐々に重なり合うように)
「お前は生きろ!」
「お前は生きろ!」
「お前は生きろ!」
「お前は生きろ!」
「お前は生きろ!」
「お前は生きろ!」
「お前は生きろ!」

「(全員)お前は」

C.I

ヲサ「生きろ、シュラ!」


微笑み、ゆっくり後ろに倒れていくヲサ
花が、人が、クニが、戦場だった場所を忘れるかのように活気に満ちていく

偵察1「おやまぁ、変わったこと変わったこと」
偵察2「戦が遥か昔のようだ」
偵察1「住めば都たぁこのことさね」
偵察2「おらの畑は残ってねーが」
偵察1「しみったれたこと言ってねぇで、行くぞ」
偵察2「おうとも」

去っていく男2人。
カガチ姉弟、登場

カガチ弟「姉上。これなんかいいんじゃないですか?」
カガチ姉「やめなよ。趣味が悪い」
カガチ弟「えぇ?これは姉上にお似合いでしょう」
カガチ姉「はぁ?あんたの方が似合ってらい」
カガチ弟「ま、冗談はさておき。これならあの人も喜ぶかと」
カガチ姉「あぁ、それならいいね。(店主に)それ一つ」
店主「あいよ」
カガチ弟「ところで、どうやって見つけ出したのさ?」
カガチ姉「さあ?なんでも都の品を献上するくらいだから余っ程身分の高い人なんだろうねぇ」
カガチ弟「姉上には縁のない話だね」
カガチ姉「はん。お前こそ縁のない話だろが」
カガチ弟「それはどうだろう?」
カガチ姉「あっ抜け駆けか?この!」
カガチ弟「姉さまには敵わん敵わん〜」
カガチ姉「おちょくりおって!」

弟を追いかけ回す姉

祭囃子が混ざり合うように通り過ぎる

カガチ弟とぶつかる少年

少年「あっ」
カガチ弟「おっと失礼」
少年「気をつけなぃ」
カガチ弟「かわいくねぇな」
カガチ姉「ほっほ。あんたの昔にそっくりだね」
カガチ弟「あ、待って…(腰に付けていた巾着が無い)やられた!あのガキ!」
カガチ姉「あーあ。罰が当たったな」
カガチ弟「せっかく集めてたのに…」
カガチ姉「さっ、行きましょ。主がお待ちよ」
カガチ弟「くぅ〜」

カガチ姉弟、退場。

少年、隠れながら盗んだ品を見る

少年「なんだい、しけてらぁ。ごみくずじゃんか」

盗品を捨てようとする手を掴む偵察2

偵察2「待ちな」
偵察1「買ってやろうか?」
少年「いくらだ?」
偵察1「これなら?(米の入った袋を渡す)」

少年は強引に手を伸ばそうとする。
偵察2がすかさずその手も掴む

少年「離せ!」
偵察2「いうこと聞くならもっと米を食わせてやる」
少年「なんだと?」
偵察2「乗らぬなら、何もやらぬ」
少年「あーあー!分かりましたよ!もう!何すりゃいいのさ!」
偵察1「大きい声を出すな」
偵察2「とりあえず今日は”祭り”を楽しむとしよう」

偵察隊と少年、退場。

F.O
___________________

祝い事の踊りや歌が近くなっていく。

F.I

中央奥にヌシ、上手にカイナ、下手にアギが座っている。その周りに兵たちが酒を酌み交わし、囲う

歌が終わると笑い声や拍手がこだまする。

ヌシ「いや、見事であった。下がってよいぞ」
カイナ「下がりなさい」
ヌシ「我が新しき妻を迎える宴、これほど嬉しき事とは、恐れ入った。さぁ、これが新しき我が家族だ」

シュラ(以下、アスラ)登場

アスラ「アスラと申します。以後お見知りおきを…」
アギ「あらまぁ、べっぴんさんだこと。素朴な感じがとてもいいですね」
ヌシ「アギ、お前にはやらんぞ」
アギ「ははは貰うわけにはいきませんからなぁ(アスラに)どこからきたんです?」
アスラ「あの山のふもとに実家があります」
ヌシ「私から声をかけた。一人で暮らしていたのだ。」
兵士達「ヒューッ」
ヌシ「アスラ。これが私の家族だ。皆、お前に尽くすことを約束しよう」
アスラ「嬉しいですわ、我が君…」
ヌシ「改めなくて良い。ヌシでいいのだぞ?」
アスラ「恥ずかしいですわ…」

笑い声。

ヌシ「ふふ、可愛いやつよ。カイナ!」
カイナ「なんでしょう」
ヌシ「アスラの為にめかしてやってくれ」
カイナ「ええ。さぁ支度しましょう」

アスラとカイナ、退場。

ヌシ「さ、今日は祭りだ。たんと飲んでくれ」
アギ「よっ!大将、気前がいいねぇ!」

アスラとカイナ、屋敷の中へ
祭りの礼服に着替えるアスラ

カイナ「あなたが来てくれて本当によかった」
アスラ「…そう。それは、よかった」
カイナ「ヌシ様は前の大戦で奥方を亡くしてしまってるの。ミコト様といって、ちょうどあなたぐらいの歳の時に…」
アスラ「私も大切な人を亡くしました」
カイナ「ああ…悲しいことを思い出させちゃったわね」
アスラ「いいんです。私だけじゃありませんから…」
カイナ「ふふ…強い子は好きよ。よし、もっと綺麗になったわね」
アスラ「ありがとう、カイナ」
カイナ「どういたしまして。いきましょう、アスラ」

一方、ヌシ達の宴会の影で偵察隊と少年が隠れている

偵察1「何を呑気に酒を飲んでんだ?」
偵察2「はぁ…酒が飲みてぇ」
偵察1「任務が終わったら、たんと飲めばいいさ」
偵察2「ぐう…」
少年「お酒って美味しいの?」
偵察1「子供にはまだ早いな」
少年「どいつもこいつも…」

再び、アスラとカイナが登場

カイナ「皆さま、お待たせしました」

歓声が湧き上がる。アスラの姿に驚く偵察隊

ヌシ「おお…アスラ、また一段と美しく…」
アスラ「ヌシ様とカイナのおかげです」
ヌシ「さて、今夜はアスラとこのクニの永劫なる繁栄に乾杯!」

兵士達「乾杯!」

宴がより一層盛り上がる

偵察1「見たか?」
偵察2「見たとも!」
少年「何が?」
偵察1「報告だ」
偵察2「こりゃまずいことになったぞ!」
少年「だから何が?」

急いで帰る偵察隊

宴が続きながらF.O

___________________

反乱軍、本陣。
上手にバク、シンが座り会議をしている。
反乱軍の兵士達が武器の調達や手入れをしている

偵察隊登場

偵察1「ただいま戻りました」
シン「ご苦労だった。報告を」
偵察1「はっ。ヤマの国は祭りで浮かれている様子。ケの国を完全に滅ぼしたとお思いのようです。」
シン「なるほど」
偵察2「それと…」
シン「それと?なんだ、勿体ぶらずに言え」
偵察2「シュラ様が…」
バク「シュラが?!生きていたのか!!」
偵察2「しかし…」
バク「しかしどうしたのだ?」
偵察1「…ケの国を捨て、あの憎きヌシの妃になっておりました」
シン「なんだって?!」
バク「そんな…」
偵察2「もしかしたら、シュラ様は何かお考えで…」
バク「シュラに限ってそんな…」
シン「バク様、お気を確かに。シュラが生きていたのは嬉しい事だが、よもや敵国に身を捧げるとは…何たる屈辱か!」
偵察1「ええ、私もそう思います」
バク「シン殿…内通者を立ててどうにかシュラと口合わせ出来ないだろうか」
シン「分かりました。やってみましょう」
バク「今少し時間をくれ…シュラと協力して、内側から崩していけないだろうか」
シン「それは…シュラ次第になりますが。万が一何かあれば切り捨てなければいけません。バク様、お覚悟を」
バク「それは承知している…こんなとき父上がいれば」

カガチ姉「その話、ちょっと面白そうじゃないかい?」
カガチ弟「面白そうだね、姉上」
シン「誰だ!」

カガチ姉弟登場

カガチ姉「流浪の傭兵姉弟ってとこかしら?」
カガチ弟「まあ、そんなところだね」
バク「君たちは…この前の」
カガチ姉「あら、将軍のご子息様は覚えていらっしゃったのね〜」
カガチ弟「関心関心」
シン「自重せよ、無礼者め」
カガチ姉「ごめんなさいね、おじさま。でも、あの国には私も恨みがあるの。だから素性の知らない私が潜入すれば、成功しようが失敗しようがあなたたちの損にはならない…違うかしら?」
偵察2「一理あるかも」
カガチ弟「決まりだ」
シン「バク様、いかが致しましょう?…私はいささか不安ですが」
バク「仕方ない。使えるものは使おう」
カガチ姉「では、契約書にサインを」

無言でサインをするバク

カガチ弟「契約完了〜!」
カガチ姉「では、嬉しいご報告をお待ちくださいまし」

嬉しそうに去っていくカガチ姉弟

シン「あの者らに監視をつけろ。下手な動きをしたら、すぐに斬り捨てよ」
偵察1「はっ」
バク「…」
シン「疲れましたな。今日はもうお開きにしませんかな?」
バク「…そうだな。解散!」

F.O
___________________

回想。
敗戦後、独りアテもなく彷徨うシュラ。
腕に傷を負っており、だらんと垂れている。
そこへヌシが現れる

ヌシ「お前は__!」
シュラ「…斬りたくば、斬れ」

跪き、目を閉じるシュラ

シュラ「生きろと言われたが、どう生きたらいいのか分からぬ。これで全てが終わりなのだ」
ヌシ「なら、なぜ生きようとしない?命を簡単に差し出すなどと…」
シュラ「全てを失ったのだ。生きるすべてを…」
ヌシ「私もこの戦で愛する者を失った」
シュラ「ならば!なぜ!」
ヌシ「戦は終わった。誰が敵で誰か味方だと騒ぐことはもうない。皆が平和で暮らせる世が始まるのだ。その始まりに人殺しをして何になるのだ?…共に生きることは出来ないのか?」
シュラ「…」
ヌシ「…名はなんという?」
シュラ「アスラ…」
ヌシ「アスラ、我が妻になれ。私がお前に生きる意味を与えてやる。…まだ歩けるか?」

立ち上がろとした瞬間、ヌシの前に崩れ落ちるシュラ

ヌシ「可哀想に。必死で逃げてきたのか…」

回想終了。

ヌシ「覚えているか?あの時のこと…」
アスラ「まさか、一国の将軍が…」
ヌシ「あの時は辛かった。寂しかったのかもしれん」
アスラ「私もやっと吹っ切れそうな気がします」
ヌシ「…そうか。でもいつか別れの時が来る、その時は…」
アスラ「いやですわ。そんなこと…」
ヌシ「そうだな…共にいたい。今はそれだけだ」

無言になる2人

アスラ「ああ、明日の支度をしないと!ではまた…日が登る頃に」
ヌシ「では、また…」

去っていくアスラ。

影から現れるカイナとアギ

ヌシ「怪しい者は?」
カイナ「いえ、まだ目立った動きは…」
アギ「…見つけしだい、速やかに捕まえましょう」
ヌシ「必ず報復が来るはずだ。ケの国の残党と見られる者は一人残らず捕らえよ」
カイナ・アギ「はっ」
ヌシ「下がってよい」

ヌシ、退場

アギ「…怪しいとは思わんか?」
カイナ「アスラが?」
アギ「どうも納得いかん」
カイナ「納得いかないでしょうねぇ。アギが嫉妬するくらいには」
アギ「そういうことでは…!」
カイナ「だってミコト様の時もそうだったじゃないですか」
アギ「違うのだ。なぜ、ヌシ様がムラの女などと…」
カイナ「だから、焼いてるじゃないですか」
アギ「そうではなく!ああもう!貴様に話した私が馬鹿だった!」

怒りながら去ろうとするアギ

カイナ「強ち、間違いではないと思いますよ」
アギ「なに?」
カイナ「私も探ってみます」
アギ「…もし、残党ならその時は?」
カイナ「芋ずる式で根絶やしにしましょうか」
アギ「そうか、その方がいい」
カイナ「では」
アギ「では」

お互いに去っていくアギとカイナ
F.O
___________________

寝室。変装したカガチ弟は扉の門番をしており、変装したカガチ姉が入ってくる

アスラ「入れ」
カガチ姉「失礼致します。カイナ様の命でお水を持って参りましたわ」
アスラ「ご苦労」

水瓶からケの国の紋章を取り出す

カガチ姉「恐れ入りますが、これに見覚えは…?」
アスラ「間者か…何用だ」
カガチ姉「『草の音、地の声、水の歌』…」
アスラ「『運ぶは風の調べ』…」
カガチ姉「よく御存知で」
アスラ「私はこのクニと共に生きると決めた。加担はせぬ」
カガチ姉「まあ。それを聞いたヲサ様のご子息、バク様はなんとお嘆きか…」
アスラ「戦は終わったのだ…これ以上、血を流したくない。伝えておけ、シュラはもう死んだと」
カガチ姉「承りましたわ。シュラ様…」

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