『雀魂バーチャルインターハイ』観ました
はい。タイトル通りです。
先日行われていた雀魂イベント『雀魂バーチャルインターハイ』みなさん観ましたか?正直、あんなに熱い試合になるなんて予想もしていなかったほど良い試合でした!
正直、当初発表があった時は、千羽さんや鴨神さん辺りの強豪も出ないし、ガチ寄りではないワイワイ系のイベントだと思っていて、それでもこういう麻雀の観戦は好きなので、とりあえず観てみるかーくらいの気持ちで観ていました。
優勝予想とかは正直興味がなかったです。なんとなく配信をそれぞれ見ていて雀力的には天開さんが有利くらいという判断でした。あとは横並びくらいの実力だと思っていたので、最近よく麻雀を打っていて伸びしろがありそうなルイスさんでも応援しようかと思っていたのですが、先日の長時間配信でもちょいちょい安牌見逃していたり、なんとなく手作りしていたりで、まあ最初はこんな感じよねーって感想を持っていたりしたのもあり、上にも書いた通り、本当にワイワイ大会だと思っていました。
実際1戦目が始まってからもその認識は変わっておらず、公式放送の裏で行われていた参加者同士の配信のやつを眺めていて、本当にコラボ配信のような和やかな雰囲気で進んでいたので、大会を見ているというよりも通常の配信を見ている感覚が近かったです。
これ、面白くなるかも?と思ったのは中堅戦です。周りの手が良すぎて、しっかり打っていたコーサカさんが中々運に恵まれず、しんどい局面を迎えている中でのドラ単騎。これが熱かった。
打ち方として正しいか正しくないかで言えば正しくない・・・んだと思います。ただそんなことは多分本人も分かっていて、どうにか流れを変えたいって藁にも縋る思いで仕掛け、西が出た時も凄く悩んでいるのが見て取れて、思わず心の中で応援してしまいました。そこからツモってくるんだからこれまた凄い!
この辺りで当初は全く気にしていなかった優勝予想が少し気になりました。正直、今回のルールでは途中でも言われていた通り、大将戦で簡単にひっくり返るので、ここまでの結果はあってないようなものです。(それでもライフ先生は強かったですが・・・)
さあどうなる!?と思いながら、始まった大将戦を観始めました。序盤は静かに進行する・・・と思っていましたが、早速見どころがきました。
天開さんが良配牌からの立直をして一人勝ちかと思っていたら、さらに因幡さんも七対でテンパっていく…でも個人的にはルイスさんのこの9pで「これ勝ちに行ってるな・・・」と感じました。
前順の7m切りダマの時点できちんと状況が見えているとは思ってましたが、この形からであればタンヤオにも行けるし、降りようと思えば8p切りで大丈夫なので、ここで冷静に最後まで粘ろうとする打9pはとても良い選択ですし、今日はなんか違うな・・・と思いました。
その次局、この苦しい局面に9p打ちですよ。どこまで考えていたかは正直分かりません。ただ、いくら大将戦2戦目で大きくひっくり返るとはいえ、これは条件戦で、一番厳しい局面にいるのがルイスさんであり、打点も意識したい中でしっかりと降りていく。これって意外と凄いことです。それもまだ麻雀を初めて1年程度の人が、教えてもらったことをしっかりと守ってこれをするというのに個人的には痺れました。
丁寧といえばこちらも丁寧でした。舞元さんの南止めです。結果的には天開さんにアンコで入っていますが、それは結果論なのでどうでもいいです!
思考を考えるなら恐らく、最終形を考えた時にペン3sのフリテンになるのを嫌うという意味と、この終盤まで出てない役風は切れないってところでしょうか。でも先ほども述べたようにこれは条件戦で、舞元さんとしても打点が少しでも欲しい所にこの完全な不要牌が来た時にそこまで思考を回すことができるでしょうか?麻雀は当たり前のことが当たり前にできる人が強いゲームなんですよね・・・。
そして最終の大将戦2戦目。
始まった瞬間のこの場面。何度でも言いますがこれは条件戦なんです。自分以外のチームの頑張りを自分の一打で無駄にしてしまうかもしれないという凄まじいプレッシャーを背負いながらこれですよ。
放縦率だけでいうなら8mの方が絶対に低いでしょう。点数もあるし因幡さんの河もさっぱりわからない。きっとこの時の天開さんは2pを打った浦部の気持ちがわかったかもしれませんね。でも天開さんはここで”逃げ”の8mではなく、”攻め”の3s打ちで見事このあとに因幡さんから出た6mを仕留めるわけです。本当に素晴らしいの一言に尽きる。
そしてまだまだ麻雀の神様がこれでもかと盛り上げてきます。因幡さんから白と発のポンが入り、役満の気配がかなり匂い経つ中で、強烈な切るクールを喰らってしまったルイスさん。いくら条件戦とはいえ、これを切れる人が一体どれくらいいるんでしょう?
それでもルイスさんはノータイムで切りました。これは本当に痺れました。ただただ”勝ちたい!”って真っすぐな気持ちが伝わってくる良い1打です!文句なし!!素晴らしい!!
(・・・仮に中を対子で持っているのであれば前順の中でポンが入っているはずなので、2枚目は普通に切れるというのは野暮です!)
そうして迎えた南1局。親の舞元さんに鬼のような手が入って堪らず音速立直をしたところ、2副露して張っていた因幡さんが8pをツモって来て放縦。状況だけ見ればこんなの交通事故みたいなものなんですよ。しょうがない。本当にしょうがないんです。でもただでさえ、ここまで順調に来たチームに迷惑をかけてしまったと思っていたであろう最中にこれを喰らってしまっては普通に心が音を立てて折れちゃいますよね…。
そして自局の南2局にまた舞元さんの丁寧な打牌です。ダントツのトップ目なので、とりあえず急いで局を回していきたい舞元さんはタンヤオ仕掛けで攻めていきますが、そこにツモってきた南を絞りました。個人的にはここが地味に勝負の分岐点①だったのではないかと思っています。
南家のルイスさんが1pを両面で鳴いていて、点数状況的にも100%染めであるこの状況で、ダブ南を鳴かれてしまってはそれだけで打点が高くなり、今回は更に赤5pは2枚入りだったので、満貫・跳満まで余裕で見える。点数を持っているので結構な確率で絞る牌ではありますが、何度も何度も言うように、この条件戦でこれが出来るのが凄いんです!
ただ凄く惜しいのは、この後に来た天開さんの立直に6mで3900の放縦をしてしまうのですが、結果6mを切るのは仕方ないにしても、降りるなら4mを天開さんから鳴いているので、7mから切った方がよかったですね。自分が鳴いている牌って意識から抜けがちなんですよね。
(見直したら7mなんてなかったですね…見間違えました…;;)
そしてルイスさんの意地という意地が垣間見えた南3局。勝負の分岐点②はこの打5sでしたかね。この牌姿で5sよりも8sが優位になる理由としては、7sを引いてきた時の3面張ですが、形的にはかなり良いですし最終系は25mでも構わないので、4556形で持っていた方が苦し紛れのタンヤオ移行もできて良かったですね。でもこれは推測ですが、ここまで8sを引っ張ったのは3面張を狙ってというよりも、天開さんと舞元さんに通りそう(天開さんは6s早いし、舞元さんは初手7s切りなので)という意味合いの方が高そうですかね?
結局、次順で最悪の赤5sを引いてきてしまったわけですが、正直難しいですよね…。ただこんなの喰らったらもう泣いちゃいますよね…つらい…!!
最終形はなんともしっくりこない単騎。5pか6pは選択できたわけですが、ここで枚数よりも打点を見て5pリーチ。場況的にはピンズ待ちは上がれる気がしませんね…。切り出し的には天開さんは河的にピンズがほぼない(実際はありますが・・・)ように見えますね。でも因幡さん、舞元さん共にがっつり使ってそうなので、感触は相当悪く感じていたでしょうね。
結局この後6pをツモって来て、バキッと心の折れる音が聞こえてくるかの如く厳しい麻雀の神様の悪戯もあり、流局で終了。
ちなみにコメントで5p切りなら上がれてたというのがありましたが、多井プロが言っていた通り、その場合は天開さんからポンが入り、6pは舞元さんに流れて、この点数状況なら押さないと思うので、9p>3m辺りを切って降りると思います。(天開さんの8pが早いので大体当たらないですしね)
そして次局はルイスさんがさくっと3000を上がって、運命の南3局3本場を迎えます・・・。
舞元さんからノリノリの立直が入り、引くに引けない天開さん。必死に手を進め、絶好の南縦引きを見せ、そこに運命の9mを引いてきます・・・。
状況的にルイスさんと因幡さんは神に祈りながら全ツ。しかもライバルの立直にドラを乗せたくはないですが、行くしかない・・・。ただここでカンをしてスカった時、相当首を絞めることになります。でも行くしかない・・・!!そして・・・。
ツモ。嶺上開花。2300、4300。
かっけえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!
いやーこんなことってあるんですね・・・。もうこんな大舞台で凄まじいプレッシャーを感じながらこんな事したら脳汁が体の穴という穴から出てしまうほどです!!凄すぎて思わず声が出てしまいました・・・。これがあるから麻雀ってクソゲーだと思っていてもやめられないんですよね…。天晴!!!
そして勝負はついたオーラス。先ほどの嶺上開花で脳みそまで失ってしまった天開さん。伏せれば勝ちなのですが、ここで必殺わかんないリーチ!が炸裂します!いや、しゃーないですよ・・・。お前が勝ちだ天開司!!!!!・・・と最後まで笑わせてくれたと思っていましたが、これで見どころは終わらないんです!!
誰かが放縦してあっさり終了かと思っていたところに因幡さんの渾身の立直が入ります。最後まで勝負を捨てないその姿勢、素晴らしいです!本当に素晴らしい!!結果、ルイスさんから9p出あがり12000をきっちり決めたので格好いいです。
ただ、勝利を最後まで諦めないっていうのは素晴らしいんです。場をよく見てください・・・。
ルイスさんが最後の最後まで役満を狙って手作りをしているんです・・・。
僕は先ほどの天開さんの嶺上よりも、この大将戦を通して、なんとしてでも勝とうとしているこのルイスさんの姿勢に一番感動しました。結果的には因幡さんに中が対子であるので、その夢は儚く散るわけですが、ここまでの半荘2回、押し引き、手作りどれをとってもミスというミスもなく、本当にしっかりと勝つ麻雀を打っていました。
一番最初に言ったように、直近ではまだ二向聴プッシュや、安牌の見逃しなどをして牛さんに怒られていたルイスさん。それが本当にこの大将戦だけはどれをとっても素晴らしい打ちまわしだったと思います。
麻雀を覚えてまだ一年程度の人がここまでしっかりとした麻雀を打てるようになるまでに一体どれくらい勉強したんでしょう。どれも麻雀をそれなりに打てる人であれば当たり前にこなせることかもしれません。もっと良い打ちまわしもあったでしょう。
でもそれは時間をかけた反復練習のようなものの果てに出来るようになったもので、突然できるようになったわけではありません。今回の大会を通して、きっとこの人は強くなるんだろうなと思いました。
そして感動という意味では、試合後のインタビューで大半の人が泣いているのがとても印象的でした。本当に何でもいいですが、泣くほど何かを本気で頑張るということが最近あるかな・・・?とつい考えさせられました。
考えさせられたという意味では、中堅戦の天宮さんが他人のあがりにも素直に「おめでとう!」と言って喜んでいて、こういった気持ちも忘れているなとふと思い知らされましたね。(コーサカさんが言っていた、他人に振り込め!!!と念じてしまうというのには死ぬほど共感してしまいましたが・・・)
初めはそこまで見る気が無かったこの企画でしたが、最終的にはこれだけ集中してみてしまった挙句、こんな分量の感想まで書いているのだから、どれほど面白い企画だったか伝わりましたかね…?
・・・思わず、数か月打ってなかった雀魂を打ち始めるくらいには面白かったですよ!
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