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大恩人

12年前の2009年7月。
楽天カンファレンス。
楽天市場出店の店舗さん向け、戦略会議。
年に2度、いわゆる決起会。
この年の夏のカンファレンスは
楽天社員の彼はイベント企画側で、裏方だった。
なので、会場でお会いすることは叶わなかった。
(担当のECコンサルは、売上が立たない店長であるワタシを相手にもしなかった。コンサルも無かったが。)
ただおかげ様で、楽天店長同士の知人はわんさか居てくれた。
しかも、ビッグな店舗さんばかりで。
幼少時より友達に縁が無かったワタシが、人生初と言っても過言では無いくらいに、この楽天市場の店長さん達と仲良くして頂いた。
なので、決起会はお祭り。

少し前の2009年6月。
高井戸からオシャレなバイク(ラビットに似てたな)に乗って、調布味スタ前の売上が立たない店長であるワタシのマンションへ、写真の彼は全くもってプライベートに来てくれた。
急に。多分、未だ売上悪くて見かねてだと思う。

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2002年離婚して、その年末に大國魂神社脇で産まれた姉妹猫を引取り、元からいた保護犬しろ君と保護猫みゅう君、娘1号高校生、娘2号中学生の、人間3人+犬+猫3の生活が始まった。
大所帯である。

頑張って働いて、4年後に3LDKの立派なマンションを購入することが出来た。娘達も運転するようになり、初めて新車も購入した。

頑張って働いて、失ったものも有る。
大好きな娘1号の成人式は、朝から仕事であった。
当然、その前の大学の入学式も仕事であった。
母親1人で応援して、娘1号が頑張って合格した大学。
会社を休める訳が無い。
入学式も成人式も、ひとり泣いた。
良かったという安堵と参加出来ない悔しさと。泣いた。

ワタシが泣いていたことは、娘達は知らないし、知らなくてイイ。

休んで良しとする会社であったが、休んで評価が下がるのでは?という脅迫観念があった。

だから、マンションを購入して、娘達の側に寄り添いたい気持ちが爆発して、在宅ワークのネットショップ運営の道を選んだ。

2007年9月
六本木ヒルズにワタシは居た。
楽天市場へ出店を決め、
店舗オープン前のスタートアップ講座の席に。
手取り足取り教えてくれた
楽天社員サポート担当が
この写真の彼であった。
2ヶ月間、基本のページ編集をこの彼に習い、オープンしたのであった。

手作り感満載のネットショップページ。
ブラッシュアップを重ねて
楽天で、1番写真が美しいとまで言われるようになった。
店舗メルマガも、気づけば有名店舗店長さんからもフォローされていた。
もちろん楽天社員さんからも。

そして、ネットショップ運営の傍ら、
タクシーの免許も取得した。
究極の接客と勘違いして。
ネットショップはアナログ。
だから、何か役にたつかもって。
楽天社員のこの彼は、タクシーも応援してくれた。
当時、日交の若社長も乗務したりで
本を書いていた。
本を薦めてくれたのも、この彼。
まあ、勘違いだったので、タクシーはすぐに辞めて、ネットショップ運営に専念したが。
おかげ様で、メルマガのネタは豊富だった。

娘1号は、大学生で初めて反抗期がきた。
ようやく、甘えるコトができる環境になったのだろうと思った。
家出した。
メルマガのネタになったし、家出しても、洗濯物抱えて戻ってくる。
全てが面白かった。

この家族の風景がネタになり、メルマガになっていった。

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2009年6月
この彼は、ワタシのオフィスもチェックしてくれた。
PC2台、プリンター、シュレッダー、梱包、発送手配、全てチェックして。
全てOKであった。
商品の消費税分を難民や地雷除去支援の団体へ寄付していた。
お客様はいつも歓んで頂けた。
店舗評価も非常に高かった。
こだわりの日用雑貨品の写真も楽天1キレイと言われた。

この年、ワタシは恋をして結婚を決めた。近い将来、娘たちに迷惑がかからないように、自分の道を選んだんだ。
結婚を決めたら、娘達は本気で家出した。

楽天社員のこの彼が家に来た時は、結婚相手のパートナーに、これから伸びる店舗である事を力説してくれていた。
そして、ワタシとパートナーと3人で、テラスで夕飯を食べた。
貴重な時間。

楽天カンファレンスでは
お会いできなかったが、
7月は楽天社員の彼の誕生日でも有る。
この社員の彼用にプレゼントページを編集して、プレゼントを持ってヒルズに行き、歓び上手なこの彼はやっぱりたいそう喜んでくれた。
そして、何故か私が奢ってもらった。

毎日が幸せであった、涙が出るくらいに。
いずれ娘たちも戻って来るだろうと。

この年の12月9日
再婚した夫が死んだ。
娘たちは戻って来た。
11月下旬、夫の具合悪く病院へ行き、そのまま亡くなった。
出逢って1年も経たぬまに、死んでしまった。

身内だけのお通夜の席に、
楽天社員のこの彼も来てくれた。
有難かった。
楽天社員は他にももうひとり、プライベートで来てくれた。
他、楽天市場でも有名な店長さん2人がわざわざお花を抱えて来てくれた。
遠い土地の店長さんも、御供えを贈って下さった。

悲しくて哀しくて、たまらなかったけど、この時に、どれだけワタシは応援されていたのだろうと知るコトが出来たし、勝手に大恩人と思っている。

だから、今のワタシは
みんなの応援をする。
旗を振り続けるコトが出来る。

有難い、有難い、有難い。
のである。

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