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『ひゃくえむ。』を読んでみた 無力感・徒労感・絶望すらも超えるもの

知人から薦められ、魚豊(うおと)さんの漫画『ひゃくえむ。』を読んだ。

ひとことで言うと、すげー良かった。

『チ。』を初めて読んだ時にも感じたのだけど…
この作者さんは人生の有限感を理解して、一瞬のアツい感情の大事さを知っている人だなぁ。


と思ったら、最後のインタビューにも書いてあった。

高校の時に「皆いつか死ぬ」ということに気づき、めっちゃビビッて周りの人に「どう思う?」と聞いていたらしい。

それ、私と同じだなーと。

私は10歳頃に気づいて、どうしたらよいか母に聞いたのだが
「考えても仕方ないことは考えなくていい」
と言われてしまって…

でも自分は
「考えても仕方のないことかもしれないけど、それを考えるから人間なのではないか?」
と思い続けて、35を過ぎてもまだ同じようなことを考えている。

怖くて眠れないことはないけれど、時々とんでもない恐怖感や絶望感に襲われて、どうしようもなくなる瞬間がある。

考えても考えなくても(今のところ現代の技術では)死は必ず訪れるし、そんなことを意識しても正直特に意味はないのだろう。

だけど、その恐怖心や有限感があるからこそ、生の幸福感や充実感に意味が出てくる。

人生の意味なんて本当は多分ないのだけど、自分なりに意味を見出すことはできる。
たまーにだけど「この時のために生きてきたのかもしれない」というような、とんでもない幸せを感じられる瞬間があるかもしれない。

そんなアツい気持ちを忘れずに、みっともなくあがきながら、死ぬまで生きていきたいと思う。


『ひゃくえむ。』、めっちゃ良いので多くの方に読んでほしい!
小学生から読めて、スポーツに興味がなくても楽しめる。
気になる方は是非。


こんな記事が「子どもに残したい文章」でよいのか分からないが、きっといつの時代にも普遍的な話だと思うから。

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