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「好き」をいっぱい持っておくこと

前回のこの記事や、過去に書いたこれにもちょっと通じるところがあると思いますので、この辺も読んでいただけると理解が深まるかもしれません。

好きは複数持ってて当たり前を目にし続けてきた

我ながら自分にゲームへのプレースタイルはマルチゲーマーだとは思います。格闘ゲームやってたかと思ったらシューティングゲームしたり、音ゲーをやってみたり。はたまた突然花札やポーカーや麻雀をしてみたり。
こういう事をしていると「よく器用にできますね」と言われますが、正直昔のゲームセンターならこういう人はゴマンといたはずです。

というのも、対戦格闘ゲームで連戦が始まったり、そもそも格闘ゲーム全盛期では対戦台が10セット以上同じタイトルで設置されていても人が捌けないというのはザラでした。とくに社会現象となったバーチャファイター2では全国どこでもそうだったと思います。今風に言えば行列のできる飲食店のゲームセンター版みたいな光景が当たり前でした。並ぶのは凄く時間がかかるのに、ご飯食べたら即退席。30分ぐらいならんで2分プレーして負けて終わり。こんなものでした。並び続けるのも結構ストレスです。
となると他の時間つぶしを考えたりします。今ならスマートフォンを開けば(通信費さえ考えなければ)いつまでも時間つぶしが出来るでしょう。ですがそんなものはない!
そこで出てくるのが同じ店舗にある他のゲームです。そしてこれは長時間潰せるほうが都合がいい。こっちで3分ぐらいでゲームオーバーになるのでは並ぶより金銭的損失が大きくなります。
なので、100円で長時間腕さえあれば長く遊べるゲームというのが求められます。例えばファイナルファイトやエイリアンVSプレデターのようなベルトスクロールアクションゲーム、ストライカーズ1945のようなシューティングゲームがそうでしょうか。
その結果、格闘ゲーマーなのに他のジャンルもできるようになるというのはある種当たり前の嗜みだったのです。そしてそれが「好き」を増やすことへのきっかけになりました。今思えば自分が興味あるならば学ぶ。ということへの負担を軽くしてくれたと思います。ちょっとゲスい言い方をすれば、100円で長時間遊べて、それでいて自分を肯定できれば格闘ゲームにかぎらず何でも打ち込んで良かったと思います。
またお金がなかったり、長時間ならばざるを得ない環境上、無料で長時間他者のプレーを見ることが出来ました。今と違い、対戦相手を同じ程度の腕前で機械が選んでくれることもないため、一方的な試合もよく目にしました。ですが、その結果このレベルの人にはこういう事をすれば一方的に勝てるなとか、格上相手ならこういう戦い方をする必要があるんだなとか、使ったことがないキャラだけどこういう戦い方が強そうだな、こういうキャラには相性が出るんだろうな、レバーやボタンはこういう風に持ってこういう風に叩けばいいんだなという小さな事も無料で目の前で学ぶことが出来ました。ハイレベルな対戦動画が見やすい今ですが、それだけで全てを学ぶことは出来ないなと今も感じています。

しかし、コラボという言葉が当たり前になった昨今、様々な分野でのコラボでの反応として、よくこういう言葉を耳にします。
「こんなの知らないしどうでもいいから」
自分からするとショックな言葉であります。自分から知る機会を失っている、楽しみを増やす機会を失っているのでは?と思います。
そこまで大事にしなくても、ツイッターとかのミーム、バズりが起きたときにも同じことを思います。自分のクセではあるのですが、大抵そういうのを見ると元ネタを知ろうとします。それによって音楽や流行り物の漫画などを触れる機会と出会えるわけです。そういう学習の機会、新しい引き出しを用意する機会を全否定するのはもったいないなと思います。

好きなことを浅く広く持つことは罪なのか?

昨今ではマルチゲーマーというジャンルがかなり悪く見られる風潮を感じます。何も出来ない半端者みたいな扱いを受ける、といった感じでしょうか。実際浅いと煽られたこともありましたしね。これはゲーマーが職業として認知されたことも相まって、「1つのタイトルを集中しなければならない」というイメージに染まってしまったこともあるのかなと私は考えます。以前にも記事に書いたように「ゲームセンターは100円遊園地である」「100円で当時の最新技術を体感できる場所」であったので、複数のものを楽しむというのは自分にとっては当たり前だと思っています。

世間的にも個性を伸ばせ=1芸特化みたいな風潮があるのかもしれませんね、大学入試にもAO入試という1芸に長けた人を合格させる方法もありますし。ただ、その1つに裏切られたときに立ち直ることが出来るのか?というデメリットもあります。
私の体験談ではありますが、アケコンや、ツイッターのアイコン、また配信中の画像などを描いてくれた方がいらっしゃいました。

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↑でも流石にこのアイコンは作ってくれなくってよかった↑
本当に絵を描くだけが全てだって方でした、ですが他の事に関しては正直生きづらい立ち回りをしていて、それでトラブルが起きた際にそのまま筆を折ってしまった、正確には絵を描こうとしてもそのトラブルを思い出してパニックを起こしてしまい今まで通りの絵を描くことが出来ないというぐらいの重症でした。1つしかないというのは、その1つが折れた時に生き方までを追い詰めてしまうぐらい危険だと思っています。

そういう時に救いになるのが複数の道を持っておくことだと思います。複数の道を持っていれば1つの道で嵐に飲み込まれそうなときでも他の道に避難して、天気が良くなれば(≒また、そっちをやってみようかなと意欲が向いてきたら)そっちの道に引き返していいと思います。こういう道を複数持っていることで「心のリスクヘッジ」を行えるものだと思っています。

それを痛感したのが四国でe-sports関連の事業などを手掛けているプリーズさん主催のポーカー最強決定戦#1でした。プレ戦にあたる#0では私はバッドビート(大幅に有利な状況から、数%程度しかない逆転手を食らって負けること)をくらい、決勝卓で3位となりました。正直この不運がなければ恐らく2位は確実に取れていた、優勝も狙えたと今でも思っています。

そのショックが大きく、立ち直るまでしばらくポーカーから離れ、エネルギーが戻ってきてから今まで以上にポーカーに打ち込みました。半年以上ガッツリ勉強したと思います。ですが大会直前期の7月初頭から、リアル生活での多忙さ、ゲーセンというか5ch(インターネット掲示板)で長年に渡り迷惑行為をしている人間にゲーム絡みであらぬ因縁をつけられ(これは尚現在進行中の問題ですが)、更にポーカーをやってもバッドビートを引く回数が増え・・・とリスクヘッジを行っていたにも関わらず、全てが上手く回らないという今まででもっとも危険な状態にありました。

そしてその不調のまま大会に臨みましたが、少なくとも今できることを曲げようとはしませんでした。格ゲーでも自分のポリシーにしている「凡事徹底」。これはギルティギアという格闘ゲームの猛者プレイヤーさんに付けられた異名だったと思います。それを自分なりにやっていこうというのが今のゲームへの打ち込み方です。奇をてらうようなことはしない、また不調だからといってフォームを変えようとはしない。野球選手であれば、ピッチャーが肩を壊せば投げ方を変えるよう奨めるが、今までそれで成功してしまっているがために頑なに拒む選手は多く、どんどん成績が落ち込み、結果球界を去ることとなってしまうというのは故・野村克也氏の著書にありましたが、少なくともポーカーでそのような心配をする必要はありません。なのでいつも通り自然体にプレーすることにしました。予選から決して楽な道では有りませんでした。不調を示すかのように強い手札は中々来ず、ギリギリで1位を取り予選突破。決勝卓では予選より遥かに厳しい手札を配られ続け、挙げ句AJでオールインしたらAQにコールされコインフロップ(所謂運ゲー、じゃんけん)を迫られ大幅不利。結果薄いところを引いてこっちが運ゲーで勝ち、そこからも不利な状況は続いたものの、何とか耐え凌ぎきり、逆転優勝を果たせました。

その結果ですが、1つが上手く回れば他が上手く回り始めた感覚が今はあります。正直複数のことをやっていて全てが危険だったというのは人生初の経験でしたし、この大会で負けていたら嵐に吹き飛ばされ何がどうなっていたか想像するだけでもゾッとはします。ですが幸い、1つが上手く回ったことで他にもエネルギーを分配することが出来、今は大分良くなりつつあります。

でも複数のことをやるってよくわかんない、怖い。と思う人へ。まず第一歩はこれだと思います、好きだと思ったらやってみよう、ダメだったら俺には合わんな!で済ませてその後で考えればいい。2日前に誕生日を迎えた自分は社会的にも「アラフォー」という単語から逃げられなくなりました。ですが、いい意味で「クソガキ」で有り続けたいなと思います、これは30歳になったときに自分に誓ったことでもあります。

若い人からエネルギーを貰う、興味に対して敏感に反応できる、過去に栄光にこだわらない、自分の自慢話、モラルに欠けたような武勇伝モドキを一生するような人間にはならない。

人間は正直スキルポイントシステムが振られてると思います。それは容姿だったり、社交性だったり、人を引き付ける魅力だったり、学力だったり。なので1本特化社会だとそれ1つへの極振り(ネトゲ用語・1つに特化させたような能力値の振り分けをすること)が流行っているようにありますが、全ての科目を70~90点以内でこなせる人間もまた、1つだけ満点の人間に負けないぐらい希少な人間なのではないでしょうか。そういう人も高く評価されてほしいなと思います。

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