お盆とは
■ はじめに
お盆は、日本の伝統的な行事であり、ご先祖様の霊が家に戻り、家族と共に過ごす大切な期間です。 本記事では、お盆の歴史や意味、過ごし方を記載しておりますので、お盆行事を進める上での一助となれば幸いです。
■ お盆とは
お盆とは、ご先祖様の霊が一年に一度、家に帰ってきて家族と共に過ごし、再びあの世に帰っていくという日本古来の伝統的な行事です。
ご先祖様の霊をお迎えた後は、安らかに成仏して欲しいというお祈り、生前のご恩に対する感謝の気持ちを込めて供養や儀式を行います。
お盆は、仏教における「盂蘭盆会(うらぼんえ)」、または「盂蘭盆(うらぼん)」を略した言葉と言われており、その期間は、8月13日〜16日までの4日間が一般的とされています。(※)地域によって期間が異なる場合が御座いますのでご留意ください
■ お盆の歴史
お盆が日本に伝わったのは7世紀頃と言われており、仏教形式でお盆の法要が最初に営まれたのは、斉明天皇の頃の657年と言われています。
当初は朝廷が営む供養として位置づけられており、実際に民間に普及し始めたのは鎌倉時代に入ってからとされています。
室町時代には送り火の風習が現れ、江戸時代に入ると完全に庶民に定着し、僧侶が家を回って棚経(お経)をあげるようになりました。
■ お盆の過ごし方
お盆の期間は、夏休みを利用して帰省されたり、ご自宅で過ごされたりと様々な過ごし方があると思いますが、ここでは一般的なお盆の過ごし方の一例をご紹介します。(8/13〜8/16)
< 8/13:迎え盆 >
迎え盆にあたる13日は、自宅にご先祖様の霊を迎え入れるために、位牌を仏壇から精霊棚に移し、お供え物を整えましょう。お墓参りは午前中に行い、夕方には玄関先や庭先、お墓などで迎え火を焚き、盆提灯に明かりを灯すのが好ましいとされています。
< 8/14,15:中日 >
14日と15日には、お盆の供養を行います。精霊棚には、お供え物を欠かさず供えましょう。また、法要や棚経もこのタイミングで行います。明確な決まりはありませんが、14日,15日に親族や親しい人で集まり、お食事、お参りするのが多い傾向にあります。
< 8/16:送り盆 >
送り盆にあたる16日の夕方には、ご先祖様をお見送りする送り火を焚きます。また、お見送りのため最終日に家族でお墓参りへ行く地域も御座います。全ての行事を終えたらお盆飾りなどの片付けを行い、片付けが済んだら、お盆の行事は終了となります。
■ お盆のお供え物
故人へのお供え物は、五供(ごく)と呼ばれる「香(お線香)・花・灯明(ローソク)・浄水(水)・飲食(食べ物)」の5つが基本となります。
普段のお参りでもお供えするものではありますが、お盆の時期には、精進料理やそうめん、果物といった普段より盛大に食べ物をお供えする場合が多くみられます。
料理をお供えする場合は、私たちの食事の前に差し上げ、私たちの食事が終わったタイミングで下げるようにしましょう。
(※)お盆期間中は毎日の朝昼晩にお供えしたいものですが、難しい場合には14・15日の中日だけでも問題は御座いません
■ お盆のお花
お盆のお花には、亡くなったご先祖様達に心穏やかに過ごして貰い、お花を楽しんで貰うといった意味があります。
お盆では「菊」をお供えすることが多いですが、他にもお供え可能なお花が御座いますので、一部ご紹介します。
■ おわり
お盆は、私たちがご先祖様との絆を再確認し、感謝の気持ちを表す大切な時間です。この期間を通じて、私たちはご先祖様に思いを馳せ、家族や親しい人々と共に過ごしながら、その教えや恩を心に刻む機会となります。
忙しい現代社会の中で、このような伝統的な行事を大切にすることで、心の安らぎと家族の絆を深めることに繋がりますので、今年のお盆を通じて、ご先祖様への感謝と共に心温まる時間をお過ごし頂けますと幸いです。
(※)本記事は筆者個人の見解となりますことご了承下さいませ