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「人形怖い」についての素人考察

怪談で「人形」に纏わる怪異の話はよく聞く、と言うかもはや定番の一つと言っても良いのではないかと思うほどである。
オカルト関係では「人形(ひとがた)は入りやすい(宿りやすい)」とかよく聞くが、それだけなのだろうか?
私は霊感の類の関しては全くの「0感」である為、オカルト的見解は良く分からない。なので、全く別のアプローチで考えたみたいと思う。

私は人形に感じる恐怖について「脳の機能」が関係するのではないかと思う。
前提として、ヒトは「群れ」で生活する種であるため、脳の機能も「群れとそれ以外のものの認識」「群れの中でのコミュニケーション」は重要な要素であり、コミュニケーションとして「視線・表情」は特に重要である。
(これ以上詳しい事は、脳科学に詳しい人に聞いてくれ。)

人間の脳の特徴の上で、最も敏感に反応するものの一つとして「人の顔」がある。これはオカルト関連に興味がある人間ならば一度は聞いたことのある「シュミラクラ現象」が一番分かりやすいのではないだろうか。
簡単に説明すると「…人間には3つの点が集まった図形を人の顔と見るようにプログラムされている、という脳の働き(ウィキペディア)」になる。よく心霊写真の解説とかで使われるヤツである。
つまり、第1段階として「人間は人形を見た時点で、そこに人間の顔を認識する」と考えられる。

人間が「顔」を認識した後、次に何を感じるかと言えば「表情」や「視線」の類であろう。大抵の人間はこういうものに非常に敏感に反応するものだ。
しかし、ほとんどの人形は「好意的」もしくは「無表情」と感じられるような表情で作られていて、「敵意・悪意」を感じるようなものはまず無いと言ってもよいだろう(ある種のキャラクターなど例外はあるが…)。

だが、ここでちょっと考えて欲しい。
人の表情というものは、本当にわずかな時間の中で様々に移り変わるものであり、人間の脳はそのわずかな変化を常に敏感に読み取りながら、瞬間に浮かんだ「笑顔」や「怒り」を読み取り一喜一憂したりするものである。
つまり「表情」とは、絶えず動くものである。
「張り付いたような表情」と表現されるように『動かない表情』というのは、たとえそれが笑顔であったとしても「わずかな変化を読み取ろうとする人間の脳」にとっては【不安感】を掻き立てるものなのではないのだろうか。
(余談ではあるが「不気味の谷」現象も、これと関係しているのではないかと私は考えている)

つまり、人は「人形」を見た時、脳の中で
【本能的(原始的)な部分で「人の顔」認識し、次に動くはずの「表情」が動かない事に不安を感じる。
しかし、その事に「これは人形だ」という理性的な思考で蓋をしている】
といった不安定な「ねじれ状態」なのではないか。
普段は、脳の理性を司る部分が「人形」と認識して理解しているが、
脳の本能的(原始的)な部分では常にわずかな【不安感】を抱えていて、
それが、何かの拍子に【恐怖】として浮かび上がってくる…
というのが、私の「脳の機能から考える素人考察」である。

オカルト的な「人形は霊的に…」という見解は私には全く分からないから、そちらは専門の方にお任せするとして、
現時点で、私は「人形怖い」の要因は「人形」そのものではなく、それを認識・処理する側の「人間の脳の働き」によるものではないか。
そんな風に考えている。


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