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『印象に残った怪談イベント』2024 上半期

さて、今回も「よろしくお願いします」と言われて「分かりました」と安請け合いはしたものの、はてさて…
ただの「よくいいる人」である私がこんなの書いていいのか?と毎度思うんだが、まぁしょうが無い…諦めて書こう。
外食でも「色んなものを食べてみたい」って性分で、イベントも特定の「推し」を追っかけるより、色んな所をフラフラするタイプ。そんな調子で色々行って上半期に行ったのは60くらい…ほとんど中毒患者である。
私が実際に行ったイベントの中で『印象に残った怪談イベント』をここで紹介する訳だが、満足度ランキングと必ずしも一致するものではない事だけは、一応言っておく。
前置きはこれくらいで本題、今回は5件のイベントについて書いてみる。

まずは、4/21「上野 奇々怪々」
イベントの大きさからいって上半期では最大規模と言えるだろう、
クラウドファンディングを使ってのイベントで、来場者数約600名、総支援者214人、総支援額100万円以上という結果。
イベントの方は第1部は田中俊行、ハニトラ梅木、ヤースーといった人気怪談師によるバラエティ色強めの内容、
第2部は夜馬裕・川奈まり子のお二方によるズッシリ来るような怪談語り。
1部から2部の流れは初めて怪談イベントに来るという方に対してはちょうどいい感じの入り口になるイベントだと思ったし、野外でのステージで昼から夜にかけての徐々に暗くなる外の様子を感じながら怪談を聞くというのは、とても良いものであった。


次に、3/30「こわイソ 〜春の怪〜」
神奈川県大磯で開催されたイベント。3部に分かれていて、1部と3部は有料怪談ライブで、2部は1部か3部の参加者で事前予約した人だけが参加出来る無料イベント(怪談は無し)。
1部3部共に楽しいイベントであったが、特に面白い試みだなと思ったのが2部。
2部の会場は1部3部の会場から、歩いて10分ちょっとの海岸。
参加者はそこに集合し、海岸で石拾いしたり雑談したり、やがて時間になるとミニ音楽ライブ開始、深津さんギターの弾き語りとチビルさん田中さんの歌、この辺りはYouTubeでも公開されているでの興味のある方は「こわイソ」で検索を…
演奏終了後は出演者と一緒に近くにある「大磯コネクト」へ移動。
この施設では、お土産物などを買ったり、アイスやジュース、軽食などを楽しんだりが出来る。それぞれ思い思いに過ごしてそのまま現地解散。
3部参加者は会場までの帰り道、歩きながら出演者さんと話したり、街を見て回ったり、お店に立ち寄ったり、と色々…(私は小さい神社を見て回った)。ちょっとした観光と街歩きの時間。
怪談と「町の魅力紹介」が合わさったようなイベントで、「また大磯来てみようかな」と思わせる内容。


次に、1/14「木根緋郷の傀」
『両国コミューンX』東京近辺で怪談イベントに行く人なら聞いたことある場所だと思う。現在ここで、多い時には月に数回怪談イベントが開催されていて、私も何度足を運んだか分からない。
そんな会場で開催されたイベント。私が見たものの中では演出面で一番の拘りを感じられた。
会場の照明・音・衣装など様々な拘りで生み出された独自の世界観の中での怪談。「怪談語りのショー」という趣き。
また(これは個人的な印象であるが)演出が単に「驚かせる・怖がらせる」と言った「ホラー」的なものというより、あくまで「【怪談語り】の世界に引き込む」という方向に向いている感があり、
木根緋郷の「怪談語り」への【愛(と言っていいのかな?)】を感じるイベントだった。


次に、4/29「怨泉大宴会2024」
蒲田温泉2階宴会場で開催された13時~19時という長丁場のイベント。
イベントの時間は長いが、休憩時間も多くあり15時からの休憩は1時間。参加者は1階のお風呂に入ったりもできるし、宴会場なので料理やアルコールを含むドリンク、名物の釜めしなども楽しめる。
イベントの感想としては、何と言うか…「居心地が良い」。思い返すと、この感覚は「おばけ座」のイベントで感じたものと似ている。
中々表現するのが難しいが…
まずイベント特有の緊張感みたいなものがほとんど感じられない。ある参加者が「学園祭みたい」と笑ってたが、正にそんな感じ。
「お客様に怪談を聞いていただきましょう」とか「オレの怪談で客を怖がらせてやろう」みたな、気負いやてらいといったものが見受けられず、
(この言い方は出演者に失礼かもしれないが)
気の置けない関係の出演者達が「互いの怪談を聞くこと」「怪談を話すこと・人に聞いてもらう事」「イベントをやる事」を心底楽しんでいて、その『楽しい』空気感が会場全体に満ちて、見ていて自然と「笑顔になる」ような感覚。
その上で話される怪談も面白いものばかりなのだから、6時間もあったのに「もう終わりなの?」と思ってしまうイベントだった。


最後に、3/24「煙鳥独演会 予想検索 妄執」
通常は怪談は扱わない「凪の夜」だが、時々特別公演として怪談の回があり、これもその中の一つ。
告知を見た時「面白い事やるな」と思った。
というのも「独演会」「約1時間で怪談1話だけ」と、ここまではなんとかありそうな感じだが「話す怪談の事前告知」があり、さらにこの怪談「音声だけならYouTubeで誰でも視聴可能」というものなのだ。
売行きはどうなるかと思ったが、そこはチケット入手困難で有名な凪の夜である。ものの数分で予約満席。
実際のイベントも圧巻であった。「長い調査期間と体験者との関係。体験者はもちろん仲間やリスナーや本人までも巻き込む怪異、様々な怪異の先に少し見えそうになりながらも闇に消える何か…」
個人的に煙鳥怪談の特色・良さと思えるものをしっかりと堪能できる内容だった。

考えると「1人の怪談師の話、それも無料でも聞ける話を1話だけ」
それを生で見るために、これだけの人が時間とお金をかけて集まった。
この日、別の場所では「怪談師全員集合のフェス」みたなイベントもあったにもかかわらずである。
今回の成功は、煙鳥という人間の魅力、凪の夜というブランド力が相まった結果だとは思うが、こういうイベントが成立したというのは一つ大きい事ではなかったのかと思う。

長々と書いてみたが、上半期はこんな感じ。
ゲスト多数の大規模イベントがあり、その反動か小規模の座談会も各地で開催され、様々な企画を打ち出す主催者も出て来たり、とイベントも色々である。
今や全国各地で曜日を問わずイベントが開催されている。行けるイベントは限られているから、どこに行くか悩ましいが、悩んでるうちにソールドアウトになったりもするから、中々選択が難しい。
まあ、私も無理の無い範囲の中で追いかけてみようとは思っているが、はてさてどうなる事やら…


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