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炉前ハーモニー!? 

どうも~。終活日日是好日不動産のスエビバです!
本日は私が前職で執り行った火葬場でのお話になります。


私が前職で働いていた時の利用者様 Wさんのご葬儀の時のことです。


Wさんは生前に私が勤めていた法人と生前契約を結ばれており、亡くなった後のご葬儀についてすべて決められていました。


私たちは、Wさんがお決めになられた内容に沿って葬儀を執り行います。


Wさんはキリスト教徒でしたので、キリスト教の葬儀の流れで式を執り行い、区営の火葬場で荼毘に付すことになっていました。


火葬場に到着すると、事前に予約していた面会室で約10分ほどご家族・近親者で最期のお別れをすることができまして、Wさんの時はこのお時間を使い一人一人棺の中にお花入れをしていただきました。


そして、火葬の時間となり、炉前に棺が移動されます。
この後、炉前で火夫さんが故人様のお名前の確認をし、荼毘に付すことになります。


火葬炉に入る前に、一般的の5分ぐらいですが、キリスト教であれば牧師さんがお祈りをされ、仏式ではご住職がお経を唱えられて火葬炉に入っていくという流れになります。


これが、本当に故人様と最期のお別れになります。


基本的に、この一連の流れは葬儀を執り行う者の主導でご家族や近親者様をご案内していきます。この一連の流れを行っていたのが、私になります。


さてさてここで、少し時間を巻き戻させていただきます。


火葬場に到着した際に、Wさんの娘さんからお願いがありました。
実は、Wさんの娘さんは〇〇宗のご僧侶さんでした。
これは、前夜式の際に娘さんがご僧侶さんの姿で参列をされていたので、知っていたことではありますが。。


Wさんはキリスト教徒で、Wさんの娘さんは〇〇宗のご住職。


娘さんからのお願いとは・・・。。



なんと、炉前で牧師さんの祈りが終わった後に、ご自身の宗派でお父さんを見送りたいとのことでした。


う~ん。。娘様のお気持ちは十分にわかりますが、これまで炉前で2つに宗教儀礼を執り行った経験もなければ、実際に見たこともありません。


でも、これはやるしかない。だって、これが最期のお別れになるんだから!!


私は、すぐに娘さんと一緒に牧師さんにご相談をさせていただきました。
牧師さんも最初は驚かれていましたが、娘様のお気持ちを汲んでいただき、牧師さんのお祈りの後にご自身の宗派でのお経を唱えることの了承をいただきました。


後は、火葬場の職員さんにどのように伝えようか…。。。


火葬炉イメージ


火葬炉は横一線に確か8~10基ぐらい並んでいます。
他のご家族もすぐ隣で火葬されるのですから、かなり混雑します。
なので、先程も述べましたが炉前では5分ぐらいしか時間が取れないのがどこの火葬場でも一緒です。


う~ん。どうしようか。。普通に火夫さんに言っても嫌がられますし、断られるとどうしようもありません。


なので、私の決断としては何もなかったようにこちらから誘導してしまう作戦で行こうと決めました。心の中ではドキドキでしたが。。


そして、ついにその時に。


何も知らない顔をして、面会室から炉前にご家族・近親者をご案内します。
火夫さんから故人様のお名前の確認後に、Wさんは火葬炉に入っていきます。その時から牧師さんのお祈りが始まっています。
数分後、牧師さんのお祈りが終わった後、すぐに娘さんの合図を出して炉前経をしていただきました。


当然、火夫さん達からはジロッと目線は感じましたが、いつも通りの顔をしながら、娘さんの炉前経が終わるのを待ちました。


並列で行っている他のご家族の皆さんが、炉前ホールから姿が消えゆく頃に娘さんの炉前経が終わり、私は何事もなかったように控え室へとご家族たちをご案内しました。


控え室では、娘さんからお礼のお言葉をいただきました。


無事に式を終えれて本当の良かったと思います。
Wさんのご意向とは違ったカタチにはなってしまいましたが、お父さんも天国で喜ばれていることでしょう!


葬儀って何のためにあるんでしょうかね??
葬儀は亡くなった人は、自分では出来ません。


今は葬儀のカタチも変わってきてます。宗教儀礼を行わない直葬も多くなっています。


私たちの世代が亡くなる頃に葬儀のカタチは、変わっているのか。変わっていないのか。。


誰にどのように見送ってもらいたいのか。


誰の為の葬儀なのか。


そんなことを考えながら、今日はこれにて終わります。


ここまでお読みいただきましてありがとうございます!
また、お時間ありましたら立ち寄っていただければと思います。


ではでは~、失礼いたします。



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