短編:【明日から先輩ではない私】
「結局、何時までにあげるんでしたっけ?」
いかにも間に合いません!と言いたげな語尾の強さで、彼は私の顔も見ずに声を上げた。
「今日中…と言っても先方の営業時間は6時迄だから…遅くとも5時とか5時半迄に…」
返事はない。
キーボードに怒りぶつけるような力強い音をさせて打ち付けている。チッという舌打ちの代わりにマウスをカチカチと鳴らして、時たまケータイの時刻をチェックしている。
彼は何年後輩だったか、入社当時は照れたように頭をかきながら、何でも言ってください!なんて可愛らしい言