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すべてはシン化する

さすがにビックリしました。
シンエヴァ余韻が吹っ飛ぶくらいの驚きですし、カラーからの短い予告みたときはあまりにもあまりだったので、何かのジョークとしか思えなかったです。エイプリルフールはもう2日前に終わったし!
東映としては満を持してということなんだろうけど、タイミングがあまりにも庵野渋滞しすぎで。

シンが意味するもの
シンが意味するものってなんだろうと思いました。
オリジナルのエヴァンゲリオンを除いて
シン・ゴジラ、シン・ウルトラマン、シン・仮面ライダーなど
庵野作品のシンが意味するものとは、
・偏愛があること
・敬意があること

この2点に集約されるのではないでしょうか。


まあ、シン・エヴァ除いて実際に経験しているのはまだシン・ゴジラしかないんだけれどww。。。ファンタジーとリアリティの狭間をなくす、もしくはそこを互いに行き来することで、新しい世界観を創り上げたのがシンの意味するところだと思いますし、発明でもあるのです。
それにしても、この言葉の異様な説得力と破壊力は凄まじい。でも作品至上主義の庵野さんがこの言葉に拘っているようには思えません。
もてはやしてるのはむしろ周りのほうで、シン・ゴジラでの成功、オリジナルのシン・エヴァの成功を世間がほっとくわけはありません。
シンは強烈なブランドになりました。作品にシンをつけるだけで神がかるムードを演出できる。誰もがあやかりたいわけです。ひょっとして登録商標などとっているのかな、、、とってるでしょうね。
でもシン=庵野監督作品という記号を獲得しているので、悪用したい人がいたとしても簡単には使えない(世間が許さない)のではと思います。

オリジナリティとはなんだろう
庵野さんの「シン」が一般的なリビルド作品と決定的に違うこと、
それはそこには強烈なオリジナリティと作家性がそこにあるにも関わらず、自分自身の作品をつくろうとあんまり思ってないことではないでしょうか。少なくともそう見える気がします。それなのに作られた作品は猛烈に面白いので、みんな舌を巻くわけです。
この表現方法は何か超簡単にいうと二次創作なわけです。遊ぶ場所が先に設定されている場所で、自分の好きな表現やメタファーやアングルなんかを好きなだけ詰め込んで、究極のファンタジー作品を作ること。そこには自分自身の哲学なんかよりもやりたいことが何よりも優先されるわけです。
たとえばの話、作品の中にミサイルが出てくるとしたら、それは爆発シーンや爆風が描きたいというものがまず先にあり、こういうものが優先されるわけです。何か自身の哲学を表現するためにミサイルを使う、爆風はその効果的な演出でしかない、、というような一般的な他の作家とはまるで逆な訳です。これはある意味で非常に分かりやすい。
シンゴジラの予算が15億しかなかったにもかかわらず、あんな面白い作品をつくることができたのは庵野さんにしかできないことですが、15億かけた二次創作ということもいえるのです(褒めています)。
考えてみればシン・エヴァもそういう視点でも見ることが出来ますよね。自分自身の作品を元にした二次創作というように。
日本海外問わず、過去のリメイク作品を作る時はオリジナルを超えられるか、という部分が必ずあるものですが、庵野作品においては、なんかそういうハードルがあまりないように思います。自分自身の表現よりも常に作品が上位にあり、(これはNHKプロフェッショナルで自身も語っていましたね)作品至上主義だと。ここを貫いているからこそ、設定や演出やアングルに集中できるのだと思うんです。そしてそれこそが強烈な作家性につながり、オリジナルを超えられるかという悩まされることなく、結果的に自身のオリジナリティになるわけではないでしょうか。


オタクの最終形態
このひとことに尽きるのですが、なんでも究極という境地に達すれば神がかった何かが宿ります。一般的にオタクの人が揶揄される要因のひとつは自分自身の生き方がないであるとか、世間とのバランスをとらずに偏っているとか、そういう部分が多いはずです。
ティム・バートンやタランティーノはじめ、世界にはオタク的な作家はたくさんいます。彼らが作った作品は庵野さんにも通づるものがありますが、日本では純然たるオタク表現を大衆が受け入れる体制はまだあまりなかったと思います。でも究極を極めれば世間も無視できないというか称賛するしかないようになります。
このときにふと頭に浮かんだのが「オタクの最終形態」というフレーズであり、たぶん大きくは間違っていないように思います(褒めています)。


それにしてもシン・エヴァの余韻浸るまもなく、シン・ウルトラマンが控えてると思っていたのに、50周年という節目で発表するというのはわかるのですが、仮面ライダーがくるとは本当にびっくりしました。
仕事しすぎ、、、大丈夫かなと体を心配してしまいます。でもこれで2023年までの楽しみができた!
こういうふうに楽しみが予約されるのは生きていく糧になりますね。


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