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卒論・修論の研究テーマ決め:受け身で決めない思考が重要

みなさん、こんにちは。
もうすぐ冬が終わり、3月には卒業式、4月に入ると入学式、そして新学期が始まります。

研究室も卒論、修論の発表が終わると、息つく暇もなく新しい学部生や大学院生をお迎えする準備に入ります。

そして、研究室を決めた学生さんが、最初に行うイベントが、卒論・修論のテーマを決めることでしょう。

さて、今日はそんな卒論・修論のテーマ決め、研究を主体的に進める上でとても大事なエッセンスをお話します。


研究テーマはどのように決まる?

研究テーマの決め方は研究室によってバラバラだと思います。

ただ、ほとんどのケースでは、教授の先生、いわゆる指導教官から「君はこのテーマをやってね!」と言われることでしょう。卒業した先輩の研究を引き継ぐ人もいるかもしれませんね。

さあ、ここです。先生からこのテーマやって!と言われた時に、その研究テーマなぜ必要?を絶対に考えてください。

研究室に配属するまで、ほとんどの学生さんは情報を与えられ、受け身の姿勢で教育を受けてきたと思います。
実は、研究室における研究が、「自分が主体的に学びを始める」最初の段階なのです!


教員から言われたからその研究をやっているはダメ!

徐々に考えていく

もちろん、いきなり主体的に研究を始めることができる人は少ないです。
むしろ、研究を始めた段階で、そのことを真剣に考え始めると何も手がつかなくなる恐れもあります。
そのため、最初はまず研究を進めつつ、教員や先輩と相談していきながら、頭で考えていくといいでしょう。

そして段々と、そのテーマをする必要があるのか、世界の情勢や流れを汲みつつ、本当にその研究をする意義があるのか、考えてみてください。

自分でその研究の意味(背景や問題点、何がその研究のエッセンスか)をしっかり調べ、多くの本を読み、しっかり考えてみましょう。


あなたはこの研究どのように感じますか?

近年、再生可能エネルギーの需要が高まってきています。再生可能エネルギーは、風力、太陽光など自然の力を使って電気を生み出すため、環境にやさしいと考えられています。ただし、風力発電はエネルギー効率が悪いという問題点があるため、風力発電のエネルギー効率を上げる研究に取り組み、日本の電力問題の解決を目指します。

なるほど!納得しそうな研究ですよね。
ただし、この段階で納得してはいけません。もっと深く考えましょう。

そもそも風力発電の問題って、エネルギー効率なんでしょうか?
風力発電のエネルギー効率が上がれば、世界中で採用され、電力問題は解消されるでしょうか?

考えてみましょう。
そもそも、風力発電は遠浅でないと建設のコストもランニングコストもかかります。そこは無視していいんでしょうか?
これから、とてつもなくいい再生可能エネルギーが生み出される可能性はないのでしょうか?
そして、風力発電が他の発電方法と比較して、本当にいいんでしょうか?

ちなみに、私は風力発電の専門家ではありませんので、これはあくまで例として取り上げたものです。

この例を通じて伝えたいことは、

自分の研究テーマを主体的に考え、それを文章化することだ大事ということです。

その文章化の過程で、先行研究や問題点が自然と見えてきます。そして、何を調べて、何を示せばいいのか、どんどん見えてきます。あとは、結果というパズルを埋めるだけになります。


おすすめ本の紹介

おすすめ本も紹介しておきます。
自分の研究ってどう重要なの?、どのような研究が価値があるの?、また研究テーマって主体的にどう進めればいいのか、以下の2冊の本でしっかり学ぶことができますので、参考にしてください。


研究テーマは星の数ほどあるが、意味のある研究テーマは意外と少ない


これまで星の数ほど、卒論や修論が行われてきました。
それらの大半は、教員がテーマを決め、受動的に進んでいった研究です。
「研究テーマをください」と自分が教員に言ったとき、それはまだ教育を受けようとしている段階であり、自分で考える段階、主体的に学ぶ段階に入っていないと思ってください。

研究をやらなくてはいけないものと思い込んでいませんか?
人から言われたことを鵜呑みにしていませんか?

自分の学生生活、最後に過ごす1年や3年の研究を主体的に真剣に考えて、意義のある研究にしていってください。
研究の結果ももちろん重要ですが、それに対する主体的な姿勢やアプローチが実はとても大事です。
そして、そのプロセスが、社会に出る前の自分を大きく成長させてくれると思います。

結論:その研究はなぜ必要?を考え、教員と主体的に議論し、真に意義のある研究を行うことが重要です。
LET'S ENJOY!


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