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曲間の間の取り方、雰囲気の作り方をどうすればいいですか?

いただいた質問への回答
〜曲間の間の取り方や次の曲への雰囲気、流れの作り方について〜

交響曲などの楽章の間や組曲の曲間を
どんな風に考えたらいいか
解説して欲しいと
リクエストがあったので
書いてみたいと思います。

「曲間はどのくらい時間とったらいいのか?」

「どんな空気で過ごせばいいのか?」

「次の曲へどう繋げたらいいのか?」

こんな疑問を持ったことがある人も
多いのではないでしょうか?

曲間をどうするかは
曲やシチュエーションによっても
様々なので
答えは一つではありませんが

どの曲にも共通してる事は何か?

曲間をどうするかを決める時に
共通する考え方や原則は何か?

を考えることで
曲間を決める材料になると思うので
掘り下げてみたいと思います。

まず単純に

「曲が完全に終わったわけではない」

当たり前かもしれませんが
まずこの点は共通点ですよね。

ということは
曲によって度合いや種類は違うけど

何かしらの繋がり、前後関係がある
ということになるので
それを前提に曲間を考える必要があります。

それともう一つの共通点は

「全曲の大きな流れの中にある区切り、休止部分だということ」

曲間は全曲の大きなドラマ、構成の中
にある休止部分なので
その部分単体で考えるのではなく

全体からみて
どういう部分か?

その前後の文脈からみてどういう
部分かを考える必要があります。

例えば映画やドラマ、オペラなどで
考えてみると
ストーリーの流れの中に
シーンの区切りが出てくると思います。

その区切りもその前後がどういう
シーンかによって
区切り方もいろいろありますよね?

一回バシッとその場面が
終わって少し気持ちが
切り替わる間があって
全然違う場面になったり

自然に繋がるように
滑らかに次の場面へ移り変わったり

いろいろなパターンがあると思います。

これが映画ではなく
曲間の場合は
ある程度時間をあけることが
多いので完全に曲間をアタッカで繋げる
場合出ない限り
映画の場面の切り替えほど
間が短くはありませんが

前後関係を考えるという意味では
同じような考え方でいけると思います。


次にこれを曲間で考えてみましょう。
大きく分けると3つの
方法があります。

①全曲の終わりほどではないが
1度しっかりと終止した感じを作って
区切りをつけてから
気持ちを大きく切り替えて次の曲に行くパターン(但しまだ物語の途中の休止だという気持ちは残したまま)


②時間は少し取るが少し繋がりを持たせて行くパターン


③緊張や興奮が冷めないうちに繋げて次の場面へ行くパターン


これを実際の曲のイメージで
具体的に考えると

①の場合

例えば

前の曲が長くて重い曲で
次の曲が全然違うキャラクター
の曲想の場合は

少し長めの時間をとった方がいい場合
が多いと思います。

理由としては


長いドラマを一区切り終えて
お客さん、演奏者共に身体的にも精神的にも
休息や少し緊張を解く時間が欲しい。

次の曲のキャラクターが
全然違う場面その世界観や
気分に移り変わるための
時間が必要。

次の曲が静かでゆったりした曲だった場合
その空気感や感情、落ち着いた呼吸や脈拍
に変わり切る必要があるので
より長い時間が必要になります。

次の曲が軽快で戯けたような曲の場合は
静かな曲に行く場合よりは
時間をとる必要がないと思います。

静かな曲に行く時みたいに時間を取ると
間延びした感じや
緊張感が抜けすぎてしまったり
する可能性もあります。


②の場合

例えば2曲目もアップテンポな曲だったり
力強い、激しい曲想だった場合は
あまり開けすぎないほうが
間や流れが自然になりやすいことが
多いと思います。

あまり開けてしまうと
間延びしてしまったり
再びエネルギーを高めるのが
難しくなったりしがちです。


③の場合

これはまだ場面、ストーリーが
繋がってるような感じがある場合
前の曲の終始感が軽めだったり
続いていきそうな感じの場合

次の曲へ畳み掛けるように
入っていきたい曲想

少し意外性やサプライズ感を
出したい場合

の時は
お客さんも演奏者も
緊張感を解かず
息をつく間も無く繋げると
ドラマ繋がり感や
急展開感などが作れます。

これは指揮者によって
考え方、やり方が
分かれると思います。

いずれにしても全曲の流れを
考えた中でどうするか?
前後関係をどんなドラマにするか?

をよく検討して決めることが必要です。

以上のことを元に
どのくらい
どのような間を取るのが
ふさわしいか
どのくらいにすると自分の表現したい
全体の音楽のイメージとマッチするか
を考えるといいと思います。

また実際本番では
お客さんの心理や客席、会場全体の
空気感、その時の演奏のテンション
なども考慮する必要もあります。

基本的な考えや
やり方は持ちつつ
その時の生のライブならではの
流れ、空気感を大切にしつつ
一つのドラマとしての
生きた流れを作れると
最高だと思います!

あと曲間での空気や緊張感の
作り方ですが
指揮者の発する雰囲気、顔や全身の表情
呼吸、心拍、オーラ
これによって
演奏者もお客さんも大きく影響を受けます。

曲の終わりから
指揮棒を降ろす降ろし方の
雰囲気、呼吸の落ち着かせ方
パッと断ち切るように緊張を解くのか?
味わいながらゆったり解くのか?

次の曲へ向けて
気持ちを高めるのか?
沈めるのか?
もしくは一旦リラックスしてから
再び次の曲の雰囲気へ
切り替えるのか?

演奏者もお客さんも
次の曲の世界観に引き込むには
どのような構え方
をすればいいか?

以上のような意識して
自分の発する
呼吸感、雰囲気、表情、オーラ
などをコントロールして
演奏者も会場全体も
流れに乗せてあげるのが
理想的だと思います。

以上のようなことを
日頃から意識しながら
試して経験を重ねていくと
だんだん掴めてくるものが
あると思います。

あとそういった意識で
素晴らしい指揮者のコンサートや
動画を観察したり
体感すると見えてくるものが
あるので
それもぜひ試してみるのは
おすすめです!

以上少しでも参考になったら幸いです。
最後まで読んでくださり
ありがとうございました(^^)

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