須藤 章(里山の自然農・すどう農園)

神奈川・相模原の里山で自然農「すどう農園」を営んでいます。都会の人に農的暮らしの楽しさ…

須藤 章(里山の自然農・すどう農園)

神奈川・相模原の里山で自然農「すどう農園」を営んでいます。都会の人に農的暮らしの楽しさを伝える「さとやま農学校」を主宰。

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高度成長期の下町生まれが里山の自然農にたどり着くまで 1・東京で

自己紹介 私は神奈川の相模湖という里山で自然農「すどう農園」を主宰しています。 都心から西に一直線。関東平野の果てに霊峰・高尾山があり、それを乗り越えたところが相模湖です。生まれ故郷の東京を出てから30年ほどになります。 今は都会の人の野菜作り・自給菜園に向けて「さとやま農学校」という農業体験の場を主宰しています。それで私自身の農業を始めた経過を訊かれることも多いのです。しかし、詳細にお応えするのはとても時間のかかることです・・・というか無理です。皆さんのお気持ちはよくわか

    • 高度成長期の下町生まれが里山の自然農にたどり着くまで③ 喪失の世代

       前回の続きとして80年代を書き起こします。物心ついてから生まれ育った60年代や70年代よりも彩度の低い時代、見渡す世界の一切が曖昧で輪郭の剝げ落ちた時代、思い出すのが億劫な時代です。  そのかわり当時を思い出させてくれる、卒業写真集のように大事な一冊があります。とても懐かしい本です。 「劇団 月夜果実店 ~喪失の世代・考」 1991年・講談社  題名の「月夜果実店」は、私が20代の頃に関わっていた小さな劇団でした。著者の小林道雄さんはフリーランスのライターの方です。お生ま

      • 自然農法・自然栽培とは

        自分のライフレビューとして書き始めた「東京の下町生まれが里山の自然農にたどり着くまで」の方がなかなか長くなってしまいまして、里山にたどり着くまでにもうしばらくかかりそうな気配です。なのでそれとは別に、ひとまず自然農法についてご説明をしようと思います。  自然農・自然農法・自然栽培あるいは無肥料栽培という言葉が年々広く知られて知られるようになりました。しかし、同じような言葉が多くてややこしく感じる方もおいででしょう。  「すどう農園」に来られる方は、皆さん安全な食・農に関心が

        • 高度成長期の下町生まれが里山の自然農にたどり着くまで 2 平野の話

          周辺から世界を眺める  どんな地形に住んでいるかで人は決まる、という話で前回終わりました。  「地形」つまり地べたの形というものが、人の心の奥深いところで世界観や価値観を形づくるのだと私は思うのです。このことは今の里山暮らしとや然農につながる大事な話です。そして農園を訪れる皆さんのほぼ全員が関東平野(首都圏)の方なので、いましばらく平野の話をしましょう。  東京の下町という平野の隅っこで生まれ育った私が、やがて平野から飛び出した…というか、放り出されるまでに人生30年かかり

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