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仕事には時間を無駄にするものがたくさんある

P.F.ドラッカーの著書にこんな言葉があります。

「何の成果ももたらさない仕事が時間の大半を奪っていく。
 ほとんどは無駄である。
 地位が高くなれば、その高くなった地位が、さらに時間を要求する」
(『経営者の条件』)

仕事には、時間をムダにするものがたくさんあります。最初から「ムダ」だと分かっていても避けられないものもたくさんあります。

たとえば、得意先からの電話に「出られない」とは言えません。多くの企業では「3コール以内」「1コールで!」と言ったルールを設けているところもあるのではないでしょうか。その電話の内容が、日曜のゴルフの話であろうと、子供が希望の大学に入ったという話であろうと、取引先…なかでも得意先の話であれば、嫌でも耳を傾けなければならないでしょう。

 ムダですよね!

社長は「出てください」と言われた会議には出なければなりません。出たくなくても、仮に出たとしてその内容に意味が無く、何のアウトプットも得られなかったとしても、出席しなければ幹部や社員が「自分たちは軽く見られている」と思ってしまうかもしれないからです。

 あぁ、ムダムダ!!

ですが、どんなにムダであったとしても、そのムダのために多くの時間を、人生を、費やさなければなりません。

こうした問題は、偉い立場にある人だけではなく、誰もが等しく同じ事情を抱えています。アウトプットにはなにも寄与しない仕事に時間を取られています。とてつもなく膨大な時間が、ほとんど、あるいはまったく役に立たないことに費やされているのです。

ドラッカーは、ただでさえ時間のないところへもってきて、マネジメント上の欠陥による時間の浪費もあるといいます。

「よくマネジメントされた組織は日常はむしろ退屈な組織である」
(『経営者の条件』)

少なくとも、すでに起きたことのある問題で、同じ混乱を繰り返してはなりません。PDCAサイクルをしっかりとまわしていれば、「失敗」することはあっても、「全く同じ失敗」が繰り返されることはありません。

『問題』には、大別すると2つの解決方法があります。

それは

 是正
 予防(再発防止)

です。是正とは、目の前で起きている問題に対して対処することです。目の前で起きている問題そのものは解消されることでしょう。ですが、是正だけでは、「今後、二度と起こらない」と言う保証にはなりません。

こう言った対処を、「対症療法(姑息的療法)」といいます。
いわゆる、後出しジャンケンです。

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ですが、こうした問題に対処できるようになることは進歩とはいえません。本当にすべきことは、問題そのものを起こさないことだからです。対処以前の課題として、予防するか、日常の仕事にルーティン化してしまわなければならないのです。そうしなければ、未来にまた同じような問題が再発してしまいます。

このように、問題の原因そのものを取り除き、全く同じ問題を再発させない方法を「根治療法(原因療法)」と言います。一度経験した過ちを、何度も繰り返して、ムダに時間を取られてはなりません。

日頃からムダなものが多く、仕事とはそういうものだと判っていても、だからといってそのことに甘んじていては、現状を打破することはできません。根治療法(原因療法)によって少しでも無駄になる要素を排除していく努力が必要なのです。もちろん、「IT化」というのもそうしたムダを省く一助になるのは確かですね。

24時間、365日と言う時間は、誰にとっても平等で、しかも一度消費すると二度と返ってきません。その限られた『時間』という資産をどのように有意義に使うかは、みなさんの姿勢しだいなのです。

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