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でも、だって

以前にも書いたかもしれませんが、私は過去にプロジェクトマネージャー兼リーダーをしていた時、よく

 「でも/だって禁止令」

を作っていました。ルールは簡単。

 1. 勤務時間中は「でも」「だって」を枕詞にした発言はしない
 2. したら、用意した貯金箱に100円入れる
 3. 原則、類似語も禁止とする

これだけです。用途は大抵、慰労会や打ち上げなんかの足しです。これには、明文化していない裏ルール(?)も1つあって、

 4. 課題の深堀り、対案や建設的な意見が紐づく場合は対象外とする

でした。この辺は少々匙加減で判断していましたが、本質的に重要なのは「すぐに言い訳する」ことが許される風土を壊すことにありました。

色々、苦労するんです。風土を変えるのって。

タブーにされる理由

どの業界であっても、ビジネスパーソンが活躍する現場では、いくつかの禁句「タブー」があると思います。その一つひとつを説明する余裕はありませんが、例を挙げるならば1つには、やはり

 「でも」
 「だって」

という接頭句があるのではないでしょうか。

仕事において叱られる/怒られるケースと言うのは、ハラスメントでもない限りは自分の失態が原因となっていることが多いものです。仮に、先輩や同僚に責任を押し付けられたケースであってもそれは同様です。もちろん、そんなケースにあって自分の正当性を主張しないのはおかしいですから、そこは正しく理由説明を行うべきでしょう。

しかし 「でも」や「だって」 と言う接頭句は、仮にその後に続く説明に正当性があったとしても、非常に幼く、非常に見苦しく感じられてしまい、せっかく正しいことを言っていても、それはあくまでその人の『個人的な主観』でしかなく、感情的に吠えているだけにしか見えない...と言う逆効果を生みだしてしまいます。

事実、感情のコントロールが苦手で、かつボキャブラリに乏しい人にこのシチュエーションは多く見かけられ、そうした背景がさらにこうした誤解を生み、ビジネスをあらぬ方向へ捻じ曲げてしまうケースが後を絶ちません。

また、実際に言い訳がましい人の言動に多く見受けられてしまっているため、どうしても悪いイメージしか植えつけられない傾向にあります。

さらにひどいのは「でも、○○さんが...」とか「だって、△△さんがやれって...」と、事実はどうであれ、"他責"にしか聞こえない言い訳に、枕詞のように付与してしまうと、もう手に負えません。


もしも、一緒に働きたくないランキングがあったら

『格好の悪いビジネスマン』と言うのは、周りからどう見られるか?と言う問題もさることながら、それ以上に同僚や先輩、後輩と言った"立場上同じ位置づけ"にある周囲から見ても、

 一緒のチームで働きたい

とは絶対に思わせない雰囲気を持ってしまいます。普段、調子の良いことや偉そうなことを口にしている人は、特に注意が必要です。あたりまえですが、そんな人とは一緒に働きたいと思いませんよね?

こうなってしまうと、イメージを払拭するのは一筋縄ではいきません。

よほど心臓に毛が生えていないと、耐え難い精神的な苦痛をともなう期間を持たなければならなくなってしまうことでしょう。自分に非が無かった...と言うのであれば、いずれは風化して正常な空気に戻るものですが、それでも格好悪かった頃のイメージは一生付きまとってしまいます。

「一緒に働きたい」人については記事がありました。そこにもあるように、一緒に働きたい人の特徴には

2 誠実である
ビジネスの場で大事にされるのが「信用」ですが、その信用を得るために大切なのが誠実であることです。誠実というのは「物事に責任感をもって真面目に取り組むこと」ですが、仕事において不誠実な姿勢・行動が目立つなら誰の目にも好ましくありません。

能力のある人が能力をあえて発揮せずに適当に仕事をこなしている、問題に対してきちんと向き合わないといった態度の人とは、一緒に仕事をしたくないものです。誠実に仕事に取り組む人は、能力がたとえ不足していたとしても信頼できますし、また誠実な姿勢で業務を続ける中で成長が見込めますので、今後も一緒に働きたいと思ってもらえます。

と言ったものがあります。「言い訳」ばかりするような人が誠実であるはずもなく、一緒に働きたいと思われないのは当然のことです。 


大切なこと

よく考えて発言しましょう。

全てを自分自身の中に抱え込む必要はありませんが、何かが起きた際に「でも」や「だって」を用いた言い訳でなんとか逃げようとすることが果たして best な選択なのでしょうか?

元より自分に責任の無いものまで全てを"自責"で片づける必要は全くないのですが、だからといって"他責"にした内容を理論的に格好良く伝える方法と言うものは存在しません。

つまり、「でも」や「だって」と言った口語を使って格好悪く言い訳するのではなく、自分に非が無いことを堂々と論破するつもりで説明すればいいのです。そのために必要なのは、"自信の伴う根拠"と、"ボキャブラリ"だけです。

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