アラフォー上海留学日記【42日目】

4/8 月

母親から庭のしだれ桜がきれいに咲いたとの連絡があった。藤の花の様子を聞くと、今年はつぼみが少ないという。藤の花、私と同い年だもんな、そりゃつぼみも少なくなるさ。咲こうとしているだけでえらい。
昨日に引き続き今日も雨。スプリングコートの出番が少ないなんて嘆いていたのがうそみたいに、最高気温が15度に満たない寒い日が続く。これが上海の春か。

朝の日課となっている看看新闻をつけると、「劇的!ビフォーアフター」みたいな番組「梦想改造家」が放送されていた。この手の番組好き。中国のリアルな住まいを見ることができるから。日本にいるときは、「暖暖的新家」という番組をよく見ていた。
狭い家の空間を効率的に利用するために頻出するのが榻榻米(たたみ)。中国におけるたたみの概念がちょっとおかしくて、だいたい段差のある場所をつくってその上に取り外し可能なたたみを敷き、中にものを収納するというのが鉄板になっている。たたみの真ん中に、これまた可動式のテーブル(下から上にせりあがってくる)をつくるまでがセット。このパターン、何回みたことか。老房子に住むおばあの家がどうなるか最後まで見たかったが、ちょうどいいところで教室に行く時間になってしまった。

清明节にベトナムに帰国し、結婚式に参加してきたという小妆から、ベトナムの結婚式で配るプチギフトをお土産にもらう。パッケージデザインがめちゃくちゃかわいい。部屋に帰ってから開けてみたら、中身はおもちのようなものだった。品質保持期間が明日までだから早めに食べてねとのこと。

授業で残忍という単語を使った例文をつくるグループワークをした。親が子へする残忍な行為とはなにか、職場の新人にとっての残忍な行為はなにか、逆にベテランにとっての残忍な行為とはなにかなど、決められたお題がある。これだけ見ると、ちょっと大喜利っぽい。フリップで答えたくなる。
お次は、自国で野生動物の保護活動の例を挙げて紹介せよというテーマ。日本独自の動物保護というと、保護猫、保護犬くらいしか思いつかない。スペインからきた黎明は、イベリアオオヤマネコの保護活動の例を挙げていた。2008年には100頭を切る絶滅危惧種だったが、今は1000頭まで回復したという。日本ならトキがこれにあたるのかもしれない。パッと思い出せなくてごめんよ、トキ。

昼食を食べながらSNSをのぞくと、村井理子さんの愛犬ハリーが虹の橋をわたり、岸政彦さんが保護犬を飼い始めていた。犬の一生に思いを馳せ、みんなしあわせに生きてねと願う。

今日は朝からぼーっとしていて、体調が悪くなる気配がある。中年は、一にも二にも体調管理が最重要課題。葛根湯を飲んで昼寝をし、そのあとは部屋で単語カードの作成にいそしんだ。こういう作業はけっこう好きで、過集中してしまうきらいがある。22時をすぎてハッとし、シンさんに日課の作文を送ってから、先輩からもらった韓国のパックごはんを卵かけごはんにして食べた。このあいだより卵かけごはんがおいしい。自国の味は、弱っているときに効果を発揮するものらしい。

とくになにをするわけでもない日が2日続いた。1日1日をだいじに過ごしたいのに、体力がおいついていない。20代の留学生と比べたら、1.5倍くらいの速度で1日が過ぎているのだろう。時間はあるのに時間がない。どうせ暇だろうからと持ってきた上海関連の小説も、いまだ読み切れないままである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?