アラフォー上海留学日記【1日目】

2/27 火

めちゃくちゃ重いスーツケースとバックパック、そしてパソコンケースを7時台の中央線で運ぶという苦行からスタート。スーツケースが23キロを超えていないか気が気でないまま家を出る。
最近は電車内のストレスに弱く、すぐめまいが起きるので、こんなときは怖い。途中下車して休憩しようかと思ったが、なんとか東京まで定刻通りにたどり着く。
東京駅のバス乗り場は長蛇の列で、予定の便に乗れないかもしれない…とまた気が気でない。ラッキーなことに乗れたけど、車内で荷物の重さを測る場所などを入念にチェック。ずっとビビりすぎだろう。
あれだけソワソワしてたけど、つつがなくカウンターで荷物を預け、心配事なんてこんなもんなんだよな、とつくづく思う。

荷物が減り、だいぶ体調が戻ってきた。搭乗待ちの間に甘いドリンクで血糖値をあげ、母に電話。ちゃんとしたものを食べろと入念に釘を差される。
機内では隣の慣れてるふうのビジネスマンが最初からフルーツをもらったり私の知らない空の旅を楽しんでいた。逆側の隣人は、窓から見える景色の写真を撮るのに忙しい。私はというと、頑張って中国語で機内食を注文。鱼肉米饭と猪肉ホニャララと聞こえてきたので、聞き取れた方にした。
隣のビジネスマンが英語を流暢に話すので、対抗して中国語で貫き通す。何と戦ってんだ私は。

浦东国际机场に到着すると東華大学のカードを持った若い男の子が目に入り、すかさず声をかける。ちょっと話したら日本人だとわかり、日本語が通じることと、あとはバスに乗るだけということでかなり気が楽になった。ありがとう、あんちゃん。
学校行きのバスが出るまで2時間弱、500元だけ現金を引き出し、仕事のメール。こんな日に限ってめちゃくちゃメールくる。慣れないAndroidでとりあえず返信。周りはぜんぶ中国語なのに、スマホに向かって日本語を打っていると、ぜんぜん中国に来た気がしない。よくない。以降、仕事のメールチェックは一日一回にして、中国モードを途切れさせないようにしたい。

16時にバスの待ち合わせ場所へ。オランダからコマースの勉強に来たという3人組と英語で話していたけど、語学学習に来た20歳くらいの韓国の子がぼっちだったので声をかける。キムなんとかちゃん、大邱出身。お互いつたない中国語でコミュニケーション。お腹すいた、何も食べてないって言ってたから後でご飯に誘うべきか。

バスの中でもメールの返信。LINEが繋がらなくなっている(アプリが立ち上がらない)ことに気づく。嫌な予感がする。
窓の外を見やると、半分フォーマットが同じ戸建て住宅のエリア。ちょっとヨーロッパ憧れな感じがいい。それなのに庭で鶏30くらい飼ってたりする。いい。ようやく上海気分が盛り上がってきた。窓の枠組や窓の色、サイズが違う集合住宅。これよこれ。疲れ切って眠いけど、この景色は見ていたい。

夕方の渋滞にハマりながら、途中でボランティアの学生さんがwechatグループを作り、情報を共有してくれた。どうやら私は1号宿舎に決まっているようだ。キムさんは3号宿舎。

18時頃大学着。宿舎の入口で学生証兼宿舎のカードキーを渡され、何言ってるかわからない管理人?のおじさんに部屋番号を教えられる。220。二楼二楼!と言われて進むとまさかの階段。すんごく重い荷物を引きずってきた同じ階の子と顔を見合わす。その子は部屋番号も知らなかったみたいで、とりあえず2階に荷物だけ上げることに。部屋に入ると、電気がつかない。カードキー挿すところに入れても何も起きない。おじさんに聞きに行こうと部屋を出ると、さっきの子が混乱していたので、一緒におじさんのもとへ。おじさんが来てくれてブレーカーを上げ、電気はなんとかオッケー。あの子の部屋も解決したみたいだ。

トイレとシャワーを確認し、お湯が出ないことに気づく。またおじさんのとこ行くのか…と気が重かったが、もしや、と思いカードキーを挿すところにカードを入れるとお湯が出た。嬉しすぎる。自分で解決できた。
トイレットペーパーがないので、早急に買いにいかなくては。それにしても、鍵もらったあと放置されすぎて笑える。情報がないまま、自力でなんとかしないと何も始まらない。

部屋でLINEの不具合について調べていると、一回アプリをアンインストールしてからインストールしてみろとあったので試してみたが、再度ログインするには日本の電話番号にSMSで送られてくるパスワードが必要だった。詰んだ。LINEはもう使えないかもしれないと思い、あわててMessengerで義姉に連絡。両親に伝えてくれと言伝を頼む。
さらには、パソコンとタブレットのVPNが繋がらない。スマホは香港SIMを使っているので数日間は耐えられる。が、その後はどうする…? 今日だけでめっちゃ仕事の連絡来てたのに? と暗い気持ちに。心配事なんてこんなもんだ、と朝に実感したはずなのだが。今回の留学は、心配しすぎる癖を直す良い機会になってほしい。

トイレットペーパーや水を買いに、そしてタバコを吸いに門の外に出てみた。コンビニにはトイレットペーパーがなかったので何も買わなくても良かったのだが、どうしてもビールが飲みたくなり雪花の500ミリ缶。空腹に酒入れちゃダメだ、食べ物を買おう。でも、ポットはあるのか、電子レンジはあるのかなどがまったくわからないので、ガラガラの棚に2つだけ残っていたサンドイッチしか明確な選択肢はない。なんとしょっぱい選択。キムさん誘ってどこか食べに行けばよかったかな、なんて後悔もしつつ。門の前には外卖小哥がずらり。みんな外卖してるんだな。それ用の受取ボックスみたいなものもあった。すごい数。

美味しそうなものを引っさげて歩く学生を横目に見ながら、校内の超市で必要最低限のものを入手。もしお湯があったらという希望のもと、海底捞のカップごはんも。

とりあえず今日はもう体力の限界なので、超市から宿舎まで、来た道をまっすぐ戻る…はずが、道に迷う。うそだろ。宿舎にも帰れないなんて! ここでの私は無力すぎる!
ぐるぐる回って結局門まで戻り、配置図を確認し、ほうほうの体で帰舎。wechatのグループでキッチンがあるとの情報を得、カップごはんに無事お湯を注ぐ。が、部屋が寒すぎてあっという間に冷ごはんに。ビールも途中で体が冷えて飲む気がしなくなり、初日の晩餐、惨敗なり。

ひたすらVPNのことを調べ、寝る前に外でタバコを一本だけ。宿舎の裏を走っている高速道路?の音が、この街で日常生活を送っている人たちの姿を喚起させた。知らない街にきたんだという感じがやっとした。

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