アラフォー上海留学日記【33日目】

3/30 土

お昼に先輩と静安寺の蟹味噌麺屋、蟹上黄で待ち合わせ。今日も昨日に引き続き真夏日。30度を超えるそうだ。そろそろちゃんと日焼け止めを塗らねば。
物価バカ高の香港在住につき、上海にきてから金銭感覚がバグっている先輩に上海ガニつきの蟹味噌麺セットをおごってもらう。こんなに蟹味噌入ってていいんですか?というボリュームでひとり約100元はたしかに安い。うまいうまいとむさぼり食う。お酢で味変してもうまい。上海ガニは食べきれなかったので打包してもらった。今日の私は蟹を持ち歩く女。

食後は、上海久光百货の横のROASTELIERというカフェで珈琲タイムを。看板に小さくNESCAFEと書いてあったのでなめてかかっていたが、シングルオリジン種があったり珈琲教室があったりと、めちゃくちゃこだわりがある店だった。なめててごめん。50元くらいのコールドブリューを飲む。高いだけあってうまい。先輩が、うしろのおじさんが着ているTシャツにデカデカとNO WAR IN UKRAINEと書いてある、とおどろいていた。

店内で豆を売っていたので眺めていたら即店員さんがやってきて、自宅用か贈りもの用か、持っているミルは電動か手動か、ほらこの豆の香り嗅いでみて、これは酸味が少ないですよ、えっ酸味があるほうがいいの? じゃあこっち…と矢継ぎ早にセールスをかけてきた。たしかにここの豆、いいな。日本からミルとドリッパー持ってくればよかった。先輩に、昨日の茶器の店に売ってた2000元だかのドリッパー買っちゃいなよとからかわれた。買えねえっす。

久光百货はもともと上海発の日系デパートとしてスタートしたが、途中で香港資本に変わったんだそう。反日運動がさかんなときは、うちは香港資本で日本とは関係ないと声明を出し、なんとか難を逃れたんだとか。
デパ地下を流し、お菓子売り場でプリッツの羊串味を買った。ほか、山崎パンがちょっとしたブランドみたいな顔で出店してたり、RF1が日本からそのまま来たんかというメニューと陳列だったり、「挽肉と米」ふうの店に行列ができていたりした。

地下鉄に乗り、今日のメインイベント、スーパー銭湯の极乐汤に向かう。念願の湯船だ。しかも大風呂。うれしすぎる。宿舎の水圧激弱ぬるま湯たれながしシャワーでは腰から下がまったくあたたまらず、ずっと脚がパンパンだったんだ。ちゃんと洗えている気もしないし、かといって改善する手立てもないしで、あきらめて下半身を自分とは別ものみたいに雑に扱ってしまっていた。日本から持ってきたスクラブもボディクリームもいっさい出番なし。今日はちゃんとケアしてやろう。

お風呂はひとつを除いて39度台のぬるめの設定。炭酸風呂でじっくりからだをゆるめ、ジェットバスで脚をメインに強い水圧をかけた。水圧めちゃくちゃ強い。あざになるんじゃないかってくらい。むくみすぎの脚に長時間ジェット水流を浴びせ続けたため、ふくらぎ〜足首の皮膚感覚が麻痺してきた。でも確実に脚は軽くなっている。ふたたび炭酸風呂に入ると、股関節から下に血が巡っていることがようやく感じられた。別ものだった下半身が、ひとつの身体に戻ってきた。おかえり。

入浴後は浴衣ふうの館内着でゆっくり過ごす。館内には、ビュッフェ、ごろ寝スペース、キッズの遊び場などがあった。元気木箱なるものが約8000元で売られていたりもした。

スイカ、イチゴ、ライム、レモンなどが入った豪華フルーツティー50元を飲む。1リットルはあろうかというサイズ。ちなみに、ここまでぜんぶ、目下金銭感覚バグり中の先輩のおごり。ありがたい。漫画がずらりと並んだエリアでおしゃべりし、おすすめのアプリ(中日日中辞典、pleco)などを教えてもらい、時間が来たので別れた。まあ、明日も会うんだけど。

外に出るとまだまだ暑い。バスで帰るべくバス停に向かうが、途中で尿意を催す。あんなにでかいフルーツティーを飲むからだ。バスに乗ったら30分以上トイレに行けないので、公共トイレを探したが、最寄りで徒歩7分。极乐汤に戻るのもめんどくさいし、西に傾きつつある日差しのなか歩くのもつらい。シェア自転車で、次のバス停近くの川辺にあるトイレに行った。
用を足してから川辺を少し歩く。桜が咲いていて絶好の散歩コース。もう少し気温が低ければ最高なんだけど。暑いので早々に切り上げ、橋をわたってバスに乗った。帰り道で犬をかかえてスマホを見ながらバイクに乗っている人を見かけた。危なすぎる。私が通り過ぎたあと、横断歩道を歩いていた散歩中の犬と吠え合っている声が聞こえた。興奮させたら余計に危ない。

部屋に戻りドアを開けると、なんかよくわからない音楽が流れていて、めちゃくちゃびっくりした。なにこれ、どこから!?と慌てて見回したところ、朝、出かける前にパソコンで見ていた上海のテレビ局の映像が、何時間もずっとループしていたようだ。パソコンはスリープモードに入っていたはずなのに、なぜ。

暑いなか一日持ち歩いた上海ガニを食べる。傷んでないか心配だが、味はおいしかった。ビールを飲みつつ蟹をちまちま食べ、備蓄しておいたグリーンカレーふうの春雨で締めた。天気予報を信じて洗濯ものを外に干し、就寝。

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