アラフォー上海留学日記【145日目】

7/20 土

昼までぐっすり。サラダを外卖して昨日の残りのケサディーヤとともに食べる。最近夏バテでちゃんとごはんを食べられていなかったので、ここぞとばかりにたくさん胃に押し込む。栄養とらないと。なんとか食べきれてよかった。

少しゴロゴロしたのち、南京东路へ。息苦しいほどの暑さに体中の水分が流れ出てきて、学校を出る前に買ったペットボトルが早くも半分以下に。水分を入れては出すだけの装置になったきぶんだ。さすがの南京东路もそこまで人出は多くない。みんなどこか涼しいところで引きこもっているのだろう。
シンさんと合流し、汗をかきかき秘密の場所に連れてってもらう。とあるホテルのループトップバー。外灘を一望できて人もそんなに多くない穴場である。屋上なのに暑くないのが不思議。風が吹き込み、心地良い。日中は888元のアフタヌーンティーを頼まないとソファ席に座れないが、ソファ席にお客さんがいなければそこで写真を撮ったりするのはOK。男性インフルエンサー(?)が写真を撮りまくっていた。

外灘とは逆側に行くとギリギリ夕日も見ることができるので、サンセットの時間に来るのもいいかもしれない。ドリンクは80元くらいなので、一杯飲みながら外灘を眺めるのにちょうどいい。前に一回来たことがあって、すごく気に入ったんですとシンさん。教えてくれてありがとう。

酒井法子のコンサートを観に香港に行ってきた話などを聞く。ルーヴル美術館のあのピラミッドを設計したことでも知られ贝聿铭(イオ・ミン・ペイ)の展示も見に行ったそうである。8月には宇多田ヒカルのコンサートがあるので、また香港に行く予定!と楽しそうに教えてくれた。香港はシンさんの第二の老家だもんね、と言うと、うんうん、香港大好きです、高いけど…と笑っていた。
これプレゼント、中国で有名なものを2つ選びました、とシンさんが紙袋を渡してくれた。中に入っていたのは冰墩墩のフィギュアと、四川省広漢市の三星堆遺跡で発見された約3000年前の黄金仮面をモチーフにしたマグネット。冰墩墩マニアの知人にいろんな種類の冰墩墩を見せてもらったことがあり、かわいいなあと思っていたが、まさか自分の家に冰墩墩がやってくるとは! 黄金仮面も自分では買わないタイプのお土産なのでうれしい。大事にしよう。

5時のチャイムが鳴り、そろそろ次の場所に移動することに。ほんとうは夕日を見せたかったんだけど、今は夏だからあと2時間くらい後ですね…とシンさんは残念そう。お気に入りの場所を教えてくれただけで十分うれしいし楽しかったですよと伝える。
ルーフトップのひとつ下の階には、予約制のバーが、1階にはカジュアルなバーがあった。

大白兎のアイスを食べながら、北外灘へ移動。外灘はすごく人が多いけど、北外灘まで行くと空いてますよ、とのこと。
シンさんが連れて行ってくれたのは日本料理の店。キンキンに冷えたビールがバテバテの体にしみわたる。京都で食べたすき焼きがおいしかったとのことで、すきやきを食べることにした。ちゃんと生卵がついてくる。生卵平気?と聞くと、こうやって食べるのは大好きです、との答え。

彼女とは、だら~っと気負わずオフビートでおしゃべりし続ける心地いい関係なので、何を話したかあまり覚えていない。これ知ってる?とかこないだこんなことがあった、とかそういうたわいもない話をしながら、すき焼きでおなかいっぱい。
そういえば、お土産の話をしたな。日本では小さなお土産を詰め合わせて1セットにして友達に配ったりするけど、中国でそれをやったら恥をかくという話。会社へのお土産も、部やチームの皆さんでどうぞ、とひとつ持っていくのはご法度。お土産を渡すなら各人にひとつずつ買わないと失礼なんだそうである。
あとは「985」と「211」って何!?という話とか。これはトップクラスの大学と次点の大学を表す数字で、上海だと复旦大学,交通大学,同济大学,华东师范大学が「985」にあたる。1998年5月に国家が指定した世界一流の大学を「985」と呼び、「211」は21世紀に向けて国家が重点大学に指定した100校なんだそう。

近くに有名な橋があるというので寄ってみる。外白渡桥。橋からは浦东が見える映えスポットで、上海のドラマの撮影でもよく使われているそうである。あるドラマで女の人がここから飛び降りたよ、と言うので、真似する人はいなかった?と聞くと、さすがにいないと笑われた。

北外灘のほうまで散歩。緑豊かな遊歩道があって、いわゆる外灘より散歩に向いている。东方明珠の左でひときわ目立っている3つの建物はいわゆる「三件套」。一番高いのが上海中心でここにはGoogleなど国際的なオフィスが入っている。ひと月の家賃は400万元(約8千万円)だよ、とシンさん。すげえ。栓抜きみたいな建物は上海环球金融中心。ここの88階では、云中散步という、地上340メートルのビルのヘリを命綱をつけて歩くアトラクションが人気だそうで、画像と動画を見せてもらう。見るだけで胃がきゅっとする。2人で、絶対やりたくないよね…とドン引きした。

やっぱり上海の人にとって外灘は特別な場所なの?と聞くと、うん、黄浦江は上海の母亲河(母なる川)だから特別です、上海の人はみんなここに来るよ、とシンプルだが上海人の要となる部分が伝わるような答えが返ってきた。母なる川か。

歩き疲れたので国际客运中心の地下鉄駅で解散。8月に会えるかもしれないけど、もし会えなかったときのためにこれまでのお礼を言っておこうかなと思ったが、彼女のほうから「またね~!」と声をかけてくれた。シンさんのなかでは、また、がある予定なんだ。もし会えずに帰国することになっても、またね、で別れるのは悪くないと思った。


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