アラフォー上海留学日記【143日目】

7/18 木

先生が、アジアの言語はすべてを語らない、背景にある情報を省略する言語なので欧米から来た学生たちはそこに慣れるまでむずかしいと思う、という話をしていてなるほどと膝を打った。
欧米からの留学生と話していると、めちゃくちゃペラペラ話すので、なんて中国語が流暢なんだ!と最初は思ってしまうのだが、よくよく聞いてみると不必要な情報が多く感じる。それ別に言わなくてもよくない?という、非言語で理解できることまでぜんぶ言葉にして説明したがるので、発話のターンが長くなる。それに対して自分は必要最低限(&しゃべれる範囲のこと)しか言わないので、発話量が10:1くらいになったりする。
この非対称性に、ああ、自分はぜんぜんしゃべれないな…と自信をなくしたりもするのだが、その原因は背景まで過剰に説明する欧米文化圏の言語構造にあったのか。欧米は多民族多文化が当たり前ゆえに、お互いの背景を共有していないことを前提として会話するため、誤解がないように説明しまくる必要があるのかもしれない。
つくづく日本語はハイコンテクストな言語だと思う。阿吽の呼吸とか暗黙の了解という言葉があるように、コンテクストを理解しているものどうしでの使用を前提としている言語のため、説明をサボっても通じてしまう。この言語で思考し続け早41年、自分には根っからのサボり癖が身についてしまっていることを実感する。

授業後は、オンラインで著者さんのインタビューに同席。中国で大ヒット中の著者さんにつき、インタビューは中国語にも翻訳されるとのことで、中国人翻訳者も2人同席していた。著者さんが2人に「私の本が中国で売れる前に、中国にはフェミニズムの本を書く人はいなかったの?」と質問する場面も。急な質問につき、中国の子が著者さんの意図をくみ取れず、見当違いの解答をしている。マイクをオンにして私が中国語で質問の意図を説明してみるか!?とも思ったが、翻訳者相手にそれはないだろうと思ってやめた。

取材後は出かけることにした。そろそろお土産を見繕っておきたい。直前でバタバタしたくないので、日持ちするものを今日中にそろえてしまおう。
バズりまくっている花园饭店のレーズンサンド、国际饭店の蝶々パイのほか、PAIN CHAUD百丘の月餅がよさそう…なのだが、レーズンサンドは要冷蔵だし蝶々パイは高いし月餅はいつから売り出すのかの情報が見つからない。やっぱり淘宝で探そう。

あとは、なにかおもしろそうなものがないか高めのスーパーでチェックすればよいか。徐家汇に行けばなんとかなるだろ。
自分用のお土産もほしいので、以前徐家汇书院の地下のお店で見かけて気になっていたものを探しに行く。が、品ぞろえがガラッと変わっており、ほしかったものはもう売ってなかった。前来たときはもっと気が利いたデザイン小物が多かったが、キャラクターものが増えた印象。オサムグッズの文房具なんかも売っていた。

文房具売り場の試し書きに「〇〇〇は私の男神/女神♡」という文字がつらなっていて笑ってしまう。今日はワークショップエリアもにぎわっており、壁の展示も変わっていた。

徐家汇书院の中をちょっと見学。図書館なのだが、グッドルッキングなのであちこちで撮影している人たちがいる。これでは読書に集中できないのでは。『吾輩は猫である』の装丁がかわいかった。

东方商厦の地下スーパーに来てみたが、がらんどうである。棒状のものに入れた多肉植物、レモンコーラ、ラッピングコーナーのドンキ文字、同じくラッピングコーナーの红包など、おもしろかったものだけ写真に収めて、早々に退店。

続いて汇金百货の地下スーパーへ。汇金百货の目の前のエリアが工事中だった。前きたときはここに何があったっけ?
謎の日本ふうメーカーふかだいちびんシリーズのほか、ここは雲南のきのこが豊富にそろっていておすすめ。キヌガサタケって食べられるんだ。
帰国したらうちに遊びにおいでと言ってくださっているフードライターさんへのお土産用に、乾物きのこの詰め合わせをチョイス。なんか原稿のネタになるといいなと思いつつ。この詰め合わせのみ値札がなかったがなんとかなるだろうと思ってレジに持っていくと、バーコードが読み取れない! この値段調べて!とちょっとした騒ぎになってしまった。長らくレジ前で待つはめになり、めちゃくちゃ高かったらどうしようとドキドキした。48元でほっとする。

最後に港汇恒隆广场の地下スーパーに寄る。徐家汇のスーパーのなかでは、ここがいちばんお土産を買うのに向いている。ナッツやドライフルーツの種類がとても豊富。またまた見かけたキヌガサタケとドデカわかめなどを横目に見ながら、調味料や麺などを購入した。

鲜肉月饼があったのでひとつ買って、イートインスペースで食べる。やっぱり月饼はしょっぱいのにかぎる。うまい。

満足のいく買い物ができた。地下鉄で帰舎し、外卖を注文。今回の店は大当たりだ。袋やパッケージのデザインもかわいいし、ふせんのひと言メモも気が利いている。中身もおいしかった。これで26元は安い。
日中に淘宝で見繕っておいた商品を精査し、購入ボタンを押す。ふう、これでお土産問題は解決だ。今日は外卖、淘宝、スーパー、このすべてでよい買い物ができた。満足。


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