アラフォー上海留学日記【40日目】

4/6 土

よく寝た。今日は夜に4月から上海駐在になった知人Tと飲む予定だ。大众点评で店を探し、ホワイトボードにメニューがずらりと書いてある感じが魅力的だった茂名北路の三佰杯に決める。人気店のようで、予約必須とのこと。でも予約の仕方がわからない。電話するのか? 電話は勘弁してほしい。口コミを読んでいると「蜗牛で予約して行ってきました~」みたいな書き込みがあったので、WeChatで蜗牛を検索。案の定、予約アプリだった。無事予約完了。席まで選べるんだ。

麺をゆでて食べたり、昨日シンさんに送れなかった日課の作文を送ったり、単語帳を入力したりなんだりしていたら、あっという間に出かける時間になった。いそいそと外に出て宿舎のゲートを通ろうとしたときに、学生証を忘れたことに気づく。やっちまった。間の悪いことに、受付の阿姨がいない。ゲートを乗り越えて外に出たはいいが、帰りがめんどくさいな。酔っぱらって帰ってくるのは必至なので、阿姨に頼んで部屋の鍵をあけてもらって…というプロセスを想像するだにめんどくさい。テンションだだ下がり。

茂名北路には昔ながらの画廊があったり、謎のカラオケスナックがあったりした。つかみどころのないエリアだ。三佰杯は外からでもわかるすごい熱気。

テーブルにあるのはドリンクメニューだけで、あとは厨房の上にあるホワイトボードから選んでくださいと言われる。QRコードでメニューを読み取って注文して、という店が多いなか、こういうスタイルはちょっと新鮮。中国のビールはありますかと店員さんに尋ねると、この朝日の生ビールは中国で作っていますよと言われた。こっちで作ってるなら味も違うのかしら。とりあえず朝日の中生を頼み、お通しの甘いピーナッツを食べながらTを待つ。おしぼりもお水も出してくれて感激。朝日の中生は飲みなれた味だった。スーパードライではなさそうだけど、なんの銘柄だろう。

ホワイトボードから五花肉包鳝鱼,卤虎皮鹅掌,西葫芦明太子などを注文し、一品目が届いたころに買い物帰りのTが合流。家賃20万円くらいの70平米庭付きマンションを借りており、目下、生活用品をIKEAなどで買いそろえている最中だという。カフェでトーストを頼んだら半斤出てきたそうで、打包した食パンも持参していた。

話を聞くと、現在、VPNがつながらない、WeChatに銀行カードが紐づけられない、AliPayが使えないという最弱インフラで生きているようである。気の毒だけど笑ってしまう。自分が来中してすぐのときに知りたかったことなど、できるかぎりの情報を共有した。
駐在員の生活は私とはまるっきり違っていて、これから接待ゴルフや接待飲食の嵐が待ち受けているという。明日もゴルフの練習にいかなければならないらしい。飲み屋の情報を教えるはずが、大勝軒はちまちま飲めますよ、Stardustというジャズバーがいい感じらしいですよ、と逆にいろいろ教えてもらった。駐在員どうしでシェアされている情報、ありがたい。
追加でおつまみを頼み、アルコール度数12度の米酒なる酒を一斤頼んだら、けっこう酔っぱらってきた。上海にきてから、確実に酒に弱くなっている。

近くの长乐路に気になっていたお店があるので、二軒目に向かう。このエリア、バーとバーのあいだに乾物屋があったりして、ちょっとおもしろい。目当ての公路商店はすごい人だかりで客層も若く、落ち着いて飲むのには向いてなさそうだった。少し散策すると、おじさんたちが店頭で飲んでいたバーがあったので、そこに腰を落ち着けた。

メニューにはGRENFEDICHなど高めのウイスキーが並ぶが、バーカウンターのうしろにはJAMESONなどの安酒があったので、それをソーダ割りで頼む。店内でタバコが吸えて最高。酔いも回り、完全にゴールデン街で飲んでいるようなきぶんになり、中国語が耳に入るときだけ、あっここ上海だったっけと我にかえるような状態になった。

3杯目を頼んだあたりで、近くにいたおじさんが話しかけてきた。ちょうどそのときかかっていた音楽が台湾の草东没有派对だったので、このバンド好き!と言うと、おじさんの息子もこのバンドが好きらしく、話が盛り上がった。このあたりから記憶がおぼろげ。Tもべろべろである。
12時ころ店を出て、Tがまだタクシーアプリを使いこなせておらず車を呼べていないことが気になりつつも、大丈夫大丈夫という言葉を信じて、自分の呼んだタクシーが来たタイミングで別れた。ごきげんに運転手さんと会話したような記憶がある。新宿から高円寺に帰るときとまったく同じことをしており、酔っ払いの習性に一種の頼もしさを感じた。宿舎の受付でマスターキーを借りて、無事部屋に戻ってすぐ就寝。明日は確実に二日酔いだ。



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